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スタッフブログ

“仕方がない”、という強みとともに。

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他人に文句やグチを言っているのを聞いたことがない

機嫌もだいたいいつも同じ調子の知人がいます。

 

知人はいつも楽しそうにしていて、

「この方は、落ち込んだり、腹が立ったりすることないのかな?」

と、気になっていたので、

先日、思い切って聞いてみたのです。

 

そしたら、その方は、

「落ち込むこと…、落ち込む……、いやあ、ないなあ」

って、おっしゃるんです。

「え?嫌なこととか悲しいこととか理不尽なこととか…」

と、もう少し聞いてみると、

「それはあるけど、それは仕方ないことやん?

 自分が悪いわけじゃないんやし。」

「理不尽なことはあったけど、

 これはネタになる!って思ってしまうからなあ。

 面白がったらいいんや~。」

と、次のようなエピソードを話してくださいました。

 

“僕が厄年の誕生日やった日に

  会社の上司から電話かかってきて、

  お客さんのクレーム電話を転送されて、

  明らかにお客さんの勘違いやのに、お客さんが

  「今から家まで謝りにこい!」

  って、怒ってて。

  「いやあ、僕、もうご飯も食べてお酒も入ってるんで、

   今日はおうかがいできません。」

  って、言ったら、

  「タクシーがあるやろうが!」って。

  お客さんの家は和歌山で、

  「陸続きなんやから、タクシーで来れるやろうが!」

  って言われて、

  「そうですねえ」って。

  そっから家出てタクシー止めて

  タクシーの運転手さんに

  「すいません。和歌山までいくらくらいですかね?」

  って聞いたら、

  「6万くらいですね」

  って言われて。

  「そうですか。じゃあ、お願いします」

  って乗ったら、

  タクシーの運転手さんが

  「うっひょーーー!!お客さん、マ~ジですかーーー!!」

  って、すごい顔して喜ぶから、

  「え?!何この喜び様!こんなんある?!」

  って、めっちゃおもしろくなってきて。

  着いたら着いたで

  もう夜中やったし向こうも落ち着いてるから

 ほんまに来られてちょっと困ってて、

  「いや…もういいし。」

  って、あんな怒ってた人がなってて、

  そんなんもおもしろいし。

  そんなんあったら会話のネタになるし。”

 

もし、知人の立場だったらば、

例えば帰宅しているのにお客さんからの電話を回した上司や、

勘違いを理解せずに怒り狂って無理なことを言い出すお客さんに、

腹が立つ人がたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。

 

他にも理不尽でものすごくおっかない話もあったんですが、

その話でもやっぱり

知人は途中でおもしろくなって笑って

その笑いに相手が引きつられて解決しているんですよね。

 

知人はどの一件でも

“怒り” という感情を攻撃的に出してないんですよね。

もしかして、抱いてすらないのかもしれませんが。

知人は必要以上に自責感を抱かない方なんだと思います。

そして、 “仕方ない” という落とし場所をとても広く持っていて、

どんな状況でも“おもしろいセンサー” が働く方なのでしょう。

 

知人の真似は到底できそうもありませんが、

「自分が悪いことをしたわけじゃないし」

「仕方ないことやし」

という判断ができると

「まあ、いいか」と思える度合いが大きくなりそうだなあ、

と思いました。

 

さて、今年もお疲れさまでした。

年末年始のお休みはお忙しい方もいらっしゃるでしょうが、

是非とも今年1年、

頑張った自分に、やり抜いた自分に、いっぱい悩んだ自分に、

「お疲れさま」 、「頑張ったね」 、「大変やったね」

と、労う時間も大切になさってくださいね。

よいお年をお迎えくださいね。

 

 

臨床心理士  間塚

 

 

 

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