TOP > NEWS > スタッフブログ > 親に話すべきかどうかについて。

スタッフブログ

親に話すべきかどうかについて。

 

IMG00061_2

 

不妊治療は

現代でメジャーになったサポートですから、

そういった背景もあってか

おかあさんたちには言いにくいという側面もあるかと思います。

おかあさんたちの時代でもサポートを受けた方もおられますし

「あなたを授かるまで〇年かかったのよ」

と、伝えられた方もおられますが、

おかあさんたち世代は相対的に授かりやすかった印象を

多くの方がもたれていると思います。

 

親の立場で子どもから不妊治療のことを聴いたときに

子どもに対して親が言うことと、

もし親が妊娠と向き合う子どもの立場になったときに思うことは

きっと違うと思うのです。

 

多くの人がそのときの自分を主体として

意見を言いがちです。

子どもに対して、親は特に、

「子どものために自分が正しく導いてあげないと」

という想いを乗せて意見する傾向があります。

それに、子どもが置かれている状況に傷つく親もいます。

さらに、「かわいそうだ」とか「おかあさんもつらい」とか

親側が抱いた感情を表明して、余計に重荷を与える方もおられます。

「相手のことを想像して発言してほしいなあ」

とも思うのですが、

一方で、親に子どもが願う親像を求めるのも難しいことだなあ、と思います。

自分にとって完璧な親はいないですもんね。

完璧な夫、完璧な先生、完璧な親友といった

自分にとって完璧な人っていうのはいないものです。

だから、うれしくてありがたいときもあれば、不満なときもありますが、

距離が近い人ほど、少しのすれ違いであっても、

こころが揺れやすくなってしまうと思います。

 

治療のことを親に話すのかどうか、

妊娠についてどう考えているのかを親に伝えるべきかどうか、

多くの方がどうしようか悩むところではあります。

どんな反応が返ってくるのか

実際のところは、伝えてみないとわからないです。

想像と違う反応で、「言ってよかった!」と思うかもしれません。

もしかしたら、何かしらの援助をしてくれることもあるかもしれませんしね。

 

時折、「本当は親にも伝えるべきなんでしょうけど、なかなか言えなくて…」

と、親に伝えていないことに申し訳なさを抱いていらっしゃる方がおられます。

私は、そこに申し訳なさや罪悪感は抱かなくていいものでは…と個人的には思っています。

親への報告義務はないと思っているからです。

立派な大人が、信頼しているパートナーと一緒に決めたことなんだから、

それだけで全てだと思っています。

けれど、そこで申し訳なさや罪悪感を感じる人にとっては

とても苦しい状況だと思います。

きっと、これまでも親が認めてくれるように生きてこられた人だったり、

親が喜んでくれることをしようとされる方だったり、

親の気持ちを揺さぶりたくないなあと思う方だったりするのではないでしょうか。

 

親はずっと親ではあるかもしれませんが、

人生を進めるにつれて

誰かとの関係性ってどんどん変化していくものだと思っています。

 

 

 

 

臨床心理士  間塚

 

 

 

 

 

よくあるご質問