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2016.10.13

励まされることがしんどいこともあります

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毎日新聞に「香山リカのココロの万華鏡」というコーナーがあります。

香山リカ先生は精神科医で、時折ニュース番組のコメンテーターをされていますし、

ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

10月10日付けの新聞には、死産を経験された方のお話が掲載されていました。

一部抜粋させていただきます。

 

―何年も前に会ったある女性は、おなかの赤ちゃんに重い先天性の障害があり、

生まれる前におなかで亡くなった。

夫婦で大変な悲しみに沈んでいたが、親族や友人は励ます意味でか、

こんなことを言ったのだという。

「そういう赤ちゃんなら、もし生まれたとしても、たいへんな苦労だったでしょうね。

これでよかったんじゃないの。早く元気だしてね」―

 

相手には悪意はなかったのは分かっても、この女性にとっては傷つく言葉だったそうです。

 

誰かからの励ましでこの女性と似た気持ちを味わわれたことがある方は少なくないと思います。

みなさんからよくおうかがいするのは

「考えすぎるのをやめたらすぐにできるよ!」

「子どもがいない夫婦は仲がいいからいいじゃない!」

「子どもがいると自由な時間がないから羨ましいわ」

「そのうち子どもの方から来てくれるよ」

など、など。

そう言って声をかけて励ましてくれた相手に悪気がないのも分かっています。

分かっているから余計に言い返す気持ちになりませんよね。

けれど自分の気持ちは分かってもらえないんだなと、もやもやしてしまいますね。

 

私たちには、「前向きに考える」ことがいいことのような意識がありませんか。

現状や出来事がつらくても「いい方に考える」ように励まされてしまいます。

けれども、どんな状況でも前向きに考えるのは不自然ですし、こころに無理が出てきます。

悲しいときは悲しいですし、つらいときはつらいですよね。

 

香山先生は死産を経験された女性に

「まわりの人はどういう態度を取れば、少しでも気持ちがなぐさめられたでしょうね。」

と尋ねられました。

その方は「そうですね。あまり大げさに悲しんでもらいたくないし、

何を言ってもらっても同じかも。だとしたら、そっと泣かせておいてほしかった」

と答えられたということでした。

 

周りの励ましてくれる人の想いがご自分の気持ちと合わなかったり違うなと思うときは

まずはご自分の「そうじゃないの」という気持ちを大事にしていただきたいと思います。

そして「そうじゃないの。私こう思ってるの」と言えなかった気持ちを

誰かに聴いてほしいなと思われることがあれば、お話にいらしてくださいね。

 

臨床心理士  間塚

 

 


2016.10.05

カウンセリングは悩み相談?

いくつかの台風を見送っていたら9月が終わり、10月になりました。

この台風が過ぎたらそろそろ秋らしい気温に落ち着いてきそうですね。

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時々「カウンセリングでみんなどんな悩みを話していかれるんですか?」とご質問くださるので、

“カウンセリングは悩み相談”という印象がまだあるのだなあと思っています。

実際は、想像されるような悩み相談というより、出来事や日頃思ったり考えたりしていることを話に来られています。

例えば、「治療のことをお母さんに話したら、応援してくれるって!」とか、

「タイミングはとれるけど、気分じゃないときもあったりして…毎回はねえ~?」とか、

「職場の若い子としゃべってるとびっくりするんですよ。この間もね…」とか

“わざわざカウンセラーに話しに行かなくてもそれなりにやっていけるんだけど

聴いてもらえるんだったら話したいな”という感覚で来られていたりします。

治療のことでも、例えばステップアップするときに様々な迷いの中で決断されることになると思いますが、

その迷いの最中でお話をおうかがいすることもあれば、

決断してから“こういうことで大変でこういうことでも迷ったけど私はこう思って決断したんです”と

ご報告に来てくださることもあります。

 

カウンセリングって何かの答えや解決法を出すことだけが目的ではないんですね。

ご自身の想いや出来事についての受け止め方というのは

話しても安全な場所や関係の中で言葉にすることでより整理されていきます。

話している中でもう一度自分の想いを眺められ、

「うん、そうそう。私、これでいいんだなあ」と改めて確認されるのです。

そういった時間をもっていただくことで、心はよりスッキリと自分を信じて進んでいかれます。

 

妊娠を望んで通院されている中でみなさんはいろんな気持ちに出合われることと思います。

ときには自分を誉めたくなるような嬉しい気持ちもあるでしょうし

自分を嫌になってしまうような苦しい気持ちもあるでしょう。

こんな自分がいて、こういう自分もいて、いろんな自分がいるものです。

みなさんの様々な場面を一緒に過ごしていけたらと思っています。

 

臨床心理士  間塚

 

 


2016.09.24

開院8年目を迎えました

草津レディースクリニックは、9月で開院して8年目に入りました。

 

開院当時を思い返してみると

今はその頃に比べずいぶん不妊治療のことが知られ、

通院していることを旦那さん以外の方にも話していらっしゃる方が増えてきたと実感しています。

妊娠のために通院されることが、普通になってきた印象ですね。

 

お1人で、もしくはご夫婦の間だけで、根詰めてしまわれることもあるので、

通院されているほかの方とお話できる機会があったり

周りの理解を得られやすくなったことで

通院される選択をされた方の心の負担が少しは軽くなってきたように思います。

 

とは言いましても、

自分の人生で子どもを授かれるかどうか不安な気持ち

両親、親族のためにも授かりたい想いや

子どもを授かられた方への複雑な気持ち

他の人にはわかってもらいにくい気持ちなど

お子さんを授かりたい状況だからこその気持ちは以前も今も変わりませんし、

ご自身の状況特有の想いもあるものですよね。

 

そういった心模様ともなんとかほどよくつきあっていくために

カウンセリングルームは何か悩みがある時に相談に来ていただくだけではなく、

“より良い心の状態”で通院していただく一助としてあります。

近況をお話いただくことで気持ちが軽くなったり

そういった雑談の中からも心とのつきあい方を見つけていくことができます。

みなさん、最近はどのような感じで通院されていらっしゃいますか。

また、いつでも、お聴かせくださいね。

 

臨床心理士 間塚


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