今からだいたい4年前の
コロナウイルス感染が拡大する前に、
わたしはこっそりタイに行っていました。
目的は、腹部マッサージを習得するためです。
このマッサージはタイの伝統療法の一つで、
今は日本でも普及しているのですが、
創始者のイムワッタナ博士から技術を直接習得した先生がタイにおられて、
せっかくだったらできるだけ源流に近い方に習いたい!
と思って、旅立ったのでした。
わたしが習った先生の名前は、Khun Niです。
(*Khunは、日本語での敬称にあたります)
わたしは技術を習うのと並行して
Khun Niの施術も受けてきました。
Khun Niの手や指が、からだに入ってくると、
そのポイントが響く臓器や、
「え?ここ圧されて、なんでこっちが痛いんだろう?」
みたいな反応があって、
すごく楽しかったです。
そして、Khun Niの手が離れたときに、
そこに止まっていた血が
脚の方まで「ドバーーーッ!!」と流れるあの感覚がクセになりました。笑
施術後は、お腹から全身に、
滞っていたものがめぐった感じがしました。
帰国後、コロナの影響もあったのですが、
わたしは、友人・知人に協力していただいて
100回以上は施術を練習していました。
(100回実施したら1人前と言われていたので、
100回まではアンケートを書いてもらってカウントしていました。)
そして、満を持して当院でもマッサージを開始することになりました。
先月からその準備をすすめていまして、
わたしもタイのことを思い出す時間が増えて、
何年か先にまたKhun Niに会えたらいいなと思っていたそんな矢先、
今月の7日にKhun Niの訃報が届きました。
*写真はKhun Niのクリニック:Banjong ClinicのHPよりお借りました
そんなにお歳ということではなかったことと
ご病気だとは知らなかったので、
とても驚いてしまって
わたしはしばらく呆然としてしまいました。
そして、あのタイミングで行ってなかったら、
それ以降はコロナのことがあって
なかなか渡航は難しかったので、
Khun Niに習えなかったかもしれないな…とも思いました。
タイの伝統医学では、
生活習慣、姿勢、ストレスなどから
エネルギーラインのセンが塞がれ、
からだに悪い影響を与えていると考えられています。
お腹と子宮のマッサージは、
各臓器に効くポイントに触れ気を送ることで、
停滞させられているエネルギーの流れ、血流、内臓機能などを改善して、
その人本来の力を引き出していくことを目的にしています。
Khun Niから受け継いだものが
必要な方たちに届きますように…。
公認心理師/臨床心理士 間塚