今、“ルックバック” というアニメ映画が公開されています。
わたしは、エンドロールが終わっても、
すぐには立てないくらいのインパクトのある映画でした。
もし、これからご覧になられる方がおられましたら、
今回のブログは観てから読まれるほうがいいかもしれません。
主人公の藤野さんは
漫画を描くのが得意な小学生の女の子で、
学級新聞の4コマ漫画を任されていて
級友たちからも漫画を楽しみにされている存在でした。
ところが、ある日、学校に来ていない京本さんという女の子の
圧倒的な画力を目の当たりにして衝撃を受けます。
そして、この日から藤野さんの努力の日々が始まります。
藤野さんは、友達とも遊ばす家族の団欒にも加わらず、
ただコツコツコツコツと
絵が上手になることだけも目的に努力を続け
描き終えたスケッチブックが何十冊も積み上がっていきました。
ところが、絵を描くことだけに労力を注ぎ続けたものの
京本さんの画力に追いつけないと悟った藤野さんは
漫画を描く階段を上ることをやめました。
卒業式の日、ひょんなことから
藤野さんは京本さんと初めて顔を合わせました。
すると、そこで、
京本さんが、実は藤野さんの漫画のファンで
藤野さんをものすごく尊敬していたことを
伝えてきたのです。
そのことを聞いた藤野さんの
なんとも言葉では言い表せない
身体に広がり、収まりきらない飛び上がるような感覚!
今も私の身体にも広がるような感じがあります。
また、これと似たようなことで、
先日知人に誘われてライブに行ったんですけど、
その前日にB-DASHというバンドのメンバーだった
GONGONさんの訃報を目にしていまして、
ライブのMCでそのことに触れられて、
「僕が初めてコピーした曲、B-DASHの “炎” だったんですよ」と。
「それで、このバンド始めて4年目くらい?に作った曲に、
『この曲めちゃくちゃいい曲っすねえ!』って
GONGONさんがバンドにメール送ってくれて。
僕も『初めてコピーした曲、炎なんです』って返信したりして。
すごい気さくでいい人だったんですが、
あのとき、自分が好きなバンドの人に、
『この曲いいね』って言ってもらえて、
ものすごく自信になったし、続けてこられたなあって」
というようなことを、語っておられました。
自分がものすごく一生懸命に生み出したものを、
思ってもみないところでしっかり受け取ってくれた人がいて
そして「そんなふうに受け取ったよ。こんなふうに響いたよ。」
と、伝えてもらったことが、
そのあとをどれくらい支えてくれたり
どれくらい背中を押してくれるのでしょうか…。
そういったこころのやり取りって
代えがたい贈り物ですよね。
「いいな、響いたな、素敵だな」って思ったことがあったら、
その受け取ったエネルギーを伝えていくことで
思わぬ何かが届いていることがあるかもしれませんね。
それにしても暑い日が続きますので
みなさんくれぐれも無理せずにご自愛くださいね。
公認心理師・臨床心理士 間塚