イライラしたり腹が立ったり、理不尽なことが起こったりすると
「私、検査しても問題なかったし、妊娠できないのはストレスのせいなんじゃないかな」
と、思ったりされませんか。
ストレスに対応しようと働く脳の機能はホルモンを司っている機能と同じですので
ストレスが強いと排卵や黄体機能に影響を与えることは知られています。
例として、ストレスで生理が遅れた、という経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。
とはいえ、ストレスがあると妊娠しないというわけではなくて(ストレスがない人はいませんし…)
そういった状況でも妊娠される場合もありますので
「ストレスのせいで妊娠できない」と言い切ることはできないと思っています。
ストレスが妊娠に影響している可能性がある、とは言えるという感じでしょうか。
定期的にカウンセリングに来られながら妊娠された方を思い浮かべると
―旦那さんとの関係や家族との関係が変わっていかれて
仕事の環境や状況が変わっていかれて
ご自身の生活や考え方が変わっていかれて
迷っていた体外受精にすすむことを決められて
ずっと抱えてらっしゃった「心のひっかかり」を言葉にされて―
力がふと弛んだときや状況を受け容れられたときなどに妊娠されていかれたように思います。
(もちろん、この限りではありませんが)
ストレスが妊娠に影響しているかどうか気になると思いますが
妊娠に影響しているかどうかだけではなく
ストレスは健康や生き方、みなさん自身を揺れ動かすものです。
ただ、ストレスが「悪」や「敵」なのかといえばそればかりではなく
「今のままではあなた自身がしんどくなりますよ」
「これまでとはやり方を変えてみたら、また乗り越えていけるかもしれませんよ」
というサインだと捉えることもできます。
ストレスとどのように付き合っていけば今より楽に感じられるようになるのか
思い切ったり工夫をしたり受け止め方を変えていくことは、
とても意味があることだと思っています。
臨床心理士 間塚