ちょっと悲しいことや落ち込むことがあったときに
「なんとか前向きに考えられたら…」
「プラスの面に目を向けよう」
と、気持ちを変えられるように試みることがありませんか?
そういった試みで、
本当に気持ちを変えることができる場合もあります。
試みてもなかなかうまくいかないときは
きっと、気持ちと思考がバラバラな状態におられるのかなあ、
と、思います。
この間、私は気持ちがおさまらなくって
とても困っていました。
なので、その困り事には関係のない知人に
そのことを話すことにしました。
相談って、2つの種類があると思うんです。
1つは実際的な相談で、対策や答えを求めているもの。
例えば、
「1年間、避妊せずに週に2~3回夫婦生活があったのに、
一度も妊娠しなかったんです。
妊娠のために、どんなことができますか?」
という相談に対しては、
「夫婦生活での妊娠を難しくしている要因があるかどうか、
まずは検査をしていきましょう」
というような実際的なアドバイスができるかな、と思います。
もう1種類の相談は、答えが自分の中にあるものです。
例えば、「仕事をやめようか悩んでるんですけど…」とか、
「旦那さんに対して腹が立ってしまって…」といったことです。
この種類の相談を、周りの誰かにしたときに、
「こうしてみたらどう?」
と、客観的にアドバイスをもらっても、
「う~ん…でもそうすると…」
と、アドバイスがあまり響かなかったりします。
だって、このことを一番考えているのは自分自身ですから、
他人がアドバイスしてくれていることは
今までに考えたことがあることの方が多いものです。
あれこれアドバイスされることなく
聴いてくれてるという実感の中で
思ったことをただ話していると、
ガチガチだったこころに
少しゆとりやあそびが出てきます。
そうすると、
今までなんとなく思い浮かべたことはあっても
選ばなかったことを選んでみようかと思えたり、
無理やりじゃなく前向きに捉えられたり、
手放してしまおう!と思えたり、
そんなふうに、自分の本来のエネルギーが戻ってきたりします。
私は、話す機会をもって
ものすごく変わったわけではないのですが、
一時よりも気持ちが楽だなあ、
と、実感しています。
臨床心理士 間塚