40歳代後半の友人が
「最近やっと、こころのバランスがとれるようになったわ」
と、話してくれました。
私が会うときの彼女は
いつもいろんな人とよく話されているし、
好きなことへは一直線で、
バイタリティのある印象でした。
彼女の人生の中で大きな決断をされたときがあって
そのときは周りの方との関係で感情的になられてはいましたが、
彼女自身の内面について、
彼女がどう思っていたのかということまでは
私は知らなかったのです。
彼女が伝えてくれたことによると
彼女はこれまで、周りの人の一言に傷ついたり
影響を受けたりすることが多かったそうです。
例えば、彼女は自営業なのですが、
同じく自営業の知り合いが
「お店、忙しいわ~!!」
と言っていたら、
「私はもっと頑張らないといけないんだ…」
と、比べてしまったり、
親しい友達ではなくても親身に関わっては
励ましきれなくって落ち込んだりしていたのですって。
「自分を自分以外のことで許容オーバーにしてたんよ」
と、気づいたことを教えてくれました。
彼女が具体的に話してくれて初めて
私は彼女が背負ってきたこころというものを知りました。
他人が内面でどういうことを思っているのかは
話してもらわないとわからないものですね。
友人は、
「やっと人と比べなくなった~!
人間関係も、
『本当に親しい人じゃなければもう関わらなくてもいいかな』
って、気にならなくなったら
やっと楽になった!」
って言っていました。
そんな友人のすっきりした顔が
とても素敵でした。
こころを病むというのは、
「いつもの自分とは違った精神状態」のことかと思いますが、
こころが病む、病まないでなく、
多くの方が自分のこころというものをもてあそんだり
「私はどうしてこういうふうに思うんだろう?」
と、考えたりしているものではないでしょうか。
誰にでも自分の傾向やクセがあります。
それをどう生かすのか
折り合いをつけるのか
もしくは捨てていくのか、
どんなアプローチをしていくか、で
生き方がずいぶん変わっていくと思います。
今の自分の考えや価値観は、
全部「私が正しいと思っていること」というわけではなくて、
育ってきた過程で身についてしまった
持たなくてもいい信念みたいなものだってあるはずだから。
自分が本来の自分でいられるように
アプローチしていきたいな、と
彼女をみていて思いました。
臨床心理士 間塚