読んでいた本に書いてあったのですが、
「わがまま」を、広辞苑で引いたら、
「自分勝手に振舞うこと」という普通の意味の他に
「我のままにあること」という意味合いもあるんですって。
そして、「我慢」を引くと、
「自分ができないことをできるというふうに自惚れている驕慢の一つ」
と書いてあるそうです。
この意味を読まれてみて、
みなさんはどう思われたでしょうか?
「わがまま」は「自分勝手に振舞うこと」という意味で
理解して使っている方が多いかと思います。
「我のままにあること」という意味もあるんですね。
この意味で「わがまま」を捉えると
様々な状況下であっても
自分が自由でいられているような印象を受けました。
そして、「我慢」の意味が、
「自惚れ」「驕慢」であるということに、
読んだときはびっくりしました。
我慢しているときって、
「そうせざるを得ない」と感じているときや
「相手を思ってそうしたい」という思いがあるときだと思うのです。
けれど、自分が無理をしているのであれば、
それは「自惚れ」なのかと思うと、
なるほど、納得!という感じです。
読んでいた本で
どうして「わがまま」や「我慢」が取り上げられたかというと、
「自分に慈悲を向けましょう」ということが書かれていたからです。
ちなみにですが、この慈悲は、
おそらく「抜苦与楽(苦しみを抜き楽しみを与える)」
という仏教用語の意味合いで使われていると思います。
まずは、人に尽くすのはやめましょうということ。
誰かに尽くせば、その相手から何かの機会を奪うことになります。
そして、自分自身も本当は消耗していきます。
そして、自分を責めるのもやめましょうということ。
本に書いてあったのですが、
不妊治療を年々もしていてやっと授かったお子さんを流産された女性が、
「私の身体はどこかおかしいんじゃないか」
「あんなことしたから、こうなったんじゃないか」
と、すごく自分を責めるんです、と。
私も、流産をされた方々から、
「あの時、仕事をセーブできなかったから…」
「私のお腹は育てない環境なんじゃないか」
というような声をたくさん聴いています。
もちろん、そういった気持ちが浮かぶことは、
自然なことなんだと思うんです。
理由を知りたい気持ちもありますしね。
ただ、自分への思いやりを大事にしてね、
ということなんだと思います。
きっと、
まずは自分自身が自由であって、
自分自身を思いやれていて、
幸せがあることに気づいている。
そういう自分でいることが、
結果的に周りの人たちの力になるんだよ
ということなんだと思います。
みなさんは、
自分自身の考えや行動に決まりや制限はありませんか?
自分自身を思いやっていますか?
なかなか難しいことかもしれませんけれど、
今の自分はどんな感じか点検してみて
「私、我慢してるわ~」という心当たりがある方は
今よりちょっと「わがまま」になっちゃいましょう!
文献:増井武士・池見陽 「治療的面接の工夫と手順」 創元社
臨床心理士 間塚