みなさんは妊娠を希望して通院されているので、
「妊娠するまであきらめない!」
という心構えで来られている方はもちろんおられるのですが、
治療を終える可能性もいれながら
希望ももちながらという状態で
通院されている方もおられます。
みなさんがおっしゃるように、
タイミングがバッチリだったり
精子の状態が良かったり
いい受精卵を戻せたりしても、
生理が来たり妊娠判定の結果が出ないとなると
「期待しすぎないようにしよう」と思っていたところで
こころの浮き沈みを感じるものですよね。
そういった期間が続いていくと
モチベーションを維持することが
なかなか難しいときがあると思うのです。
そんなときに、ふと、
「どうして子どもが欲しいんだろう」
と、考えることがありますよね。
時折、「『どうして子どもが欲しいんだろう』
っていう根本的なことまで考えてしまって…」
と、考えてたらいけないことのようにおっしゃる方もおられますが、
状況的にそう考えるのも自然な流れだと思います。
そして、とても大切な問いだと思います。
子どもが欲しいという気持ちは
どこから来ているんでしょうか。
「大人になったら結婚して子どもを育てるものだと思っていたから」
という方がほとんどなのではないか、と想像しています。
“学校の先生”、”フライトアテンダント”、“看護師”
といった「将来の夢」と掲げたものとは別に、
あたりまえにそうなるものだと思っていた未来像なような感じが
なんとなくするのではないでしょうか。
また、周りの人は授かっているのに、
自分たちは授からないということで、
自分が人として欠陥があるように
思う方もおられます。
そして、周りの人から
子どもができない人なんだと
思われているのではないかと想像して
苦痛を感じる方もおられます。
子どもがいるかいないかで
人としての価値が変わることはないと、
私は思っているのですが、
周りの人にそう言われたり
もしくは自分でそう思ってしまうと、
子どもができることで
救われるような気がするのではないでしょうか。
子どもに限らず、
自分の身体、能力、性格、
パートナーさんとの関係など
人生のいろんなことが授かりものだと思うんです。
自分の人生で起こることとそうならないことがあって、
それは他人の人生で起こっていること
比べるようなものではないのでしょうね。
どうして子どもが欲しいんだろう。
みなさんは、どんな想いがありますか。
臨床心理士 間塚