妊娠をめぐって、
あなたはどんなふうな軌跡を
たどってらっしゃるでしょうか。
通院しているみなさんも、治療をする側も、
1回1回の治療に
精一杯で臨んでいると思うんです。
ところが、
ベストを尽くしても
結果が出ないこともあります。
中には、何回挑戦しても
なかなか難しい方もおられて、
そういった方が他の病院の治療も経験してみようと
転院されることもあります。
そして、転院先でも、
頑張って治療を続けられ、結果が出ずに、
また戻ってこられることがあります。
どういった治療をされてこられたのか、
結果はどうだったのか、
そういったことは必ず診察のときにおうかがいしていますし
みなさんもしっかり伝えてくださいます。
ところで、
不妊治療をしてきて
どんなことが印象的だったのか、
どんなときに、気持ちがつらくなったりしたのか、
どういう感じで通院していたのか、
パートナーさんとは、どんなふうに支えあえているのか、
気がかりになっているようなことはどんなことか、
というような自分自身の体験について
安心して話せたりシェアできる場所や相手はいますか。
結果が出ることが何よりも大事で
結果さえ出れば苦労は吹き飛ぶように思えますし、
実際そうかもしれません。
けれど、妊娠しても、子どもが生まれても、
治療中のあの想いは自分にしか分からないだろうし
忘れられないという方もおられます。
自分の気持ち、こころ、感じ、想いを飲み込んだり、
無理にポジティブに考えようとしたり、
見ないふりをしようとすることも、
自分自身を守ったり
なんとか治療を続けていくうえで
必要なときもあると思うんです。
でも、一方で、
今の自分自身を
ほんとうのかたちのままで
大切にしていくということも、
できたらいいなあ、と思っています。
あなたのこれまでの、今の、
気持ち、こころ、感じ、想いは
どんな感じでしょうか。
そういったことを大切にする時間を
治療と併せて過ごしてみませんか。
臨床心理士 間塚