先日、ライブハウスに行きました。
そのライブハウスには、畳のスペースがあって、
わたしは畳の上に座って聴いていました。
そしたら隣にいた人が
「ああ~畳~。寝てしまう~。」
と言って、横たわって本当に眠ってしまいました。
この日のライブ出演者は3組で
まだ1組目が始まったところだったのですが、
その方は焼酎のお湯割りを飲んでおられましたし
体も疲れていたのかもしれません。
しばらく経って、近くに来た人が畳で寝ているその人を見て
「え?!熟睡してる?」と少し困ったような驚いたような顔をされたので、
「お知り合いですか?」と聞くと、
「うちのバンドのドラムです」と。
「あらら、出番これからですよね…。」と言うと、
その方は、メンバーのお酒の飲み方について
心配していることを口にしつつ、
「まあ、ドラムなしでやるしかないよねえ。
仕方ないよね。
僕のことじゃないから、コントロールできないしねえ。」と仰いました。
結局、ドラマーさんは、
出番が来たらさっきまで倒れていたのはウソのように
とても調子がよさそうにドラムをたたいておられたのですが。笑
わたしには「僕のことじゃないから、コントロールできないしねえ。」という
その方のその言葉がですね、
そこにいろんな思いが詰まっているように感じられて、
本当にそうですよねえ… …
と、じんわりじっくりこころに響いてきました。
この世界で起きていることって
コントロールできるかもしれないのは自分のことくらいで、
その自分のことでさえままならないこともあって、
ましてや、自分以外のことなんて、
コントロールできるものでもないってことなんて
わかっているんですけどね。
わかっているのに
次の瞬間には忘れてしまって、
「どうしてそういうことするんだろう…」
「なんで思い通りにならないんだろう…」
「どうしてこういうふうにできないの?!…」
と、悲しい気持ちになったり
不満に思ったりすることが、
多くの人にあるんだろうなあ…
なんていうことを
ぼんやり思い浮かべながら、
そのバンドの演奏を聴いていました。
そんなふうに零れ落ちていく思いを
音楽をやっている人は拾って歌にのせたりして
誰かのこころに寄り添うんだろうなあ…と思いつつ、
わたしは心理士ですので、
一緒にみなさんの思いを眺めたり
ホルモンや状況からくる波との付き合い方の工夫を練習したり
みなさんのこころが落ち着いたりホッとできるような時間を
ご一緒できたらと思います。
公認心理師・臨床心理士 間塚