先日、歯科医院に行きました。
初めていく歯科医院でした。
最初に問診票の記入を促されて、受診目的や症状、要望などを書きました。
診察室に歯科衛生士さんが入ってきて、「まずは歯の状態の検査をします」と言われ、
歯周病の検査や口腔内の状況をチェックする写真撮影が始まりました。
そこで歯肉炎を指摘されて、歯ブラシのあて方指導が始まりました。
ところで、私の受診目的は「歯のクリーニング」でした。
「もし何か悪い部分があってもまた後日治療をするから
とりあえずクリーニングだけしておきたい」という気持ちがありました。
問診票の「受診目的だけの治療を希望」にもチェックを入れていました。
なのに、受診目的を確認されることもなく検査が始まり、
歯肉炎の指摘があり、定期的な受診をすすめられました。
対応してくださった歯科衛生士さんは歯についての専門的な知識をお持ちですし
初診の方の歯の状態をチェックし現状を把握することは当然の流れなのかもしれません。
ただその時の私にとっては、“今日は置いておいてもらっていいこと”であって、
受診目的以外の検査を料金などの説明もなくされることにも不安があり、
継続しての受診をすすめられてしまって、もやもやしていました。
そこで、思い切って、
「すいません。歯のクリーニングに来たんですが。」と伝えると、
「はい、今からしますからね~」とおっしゃいました。
ちょっと不安だったので、更に
「あの、前歯の黒ずみが気になっていて、それで今日は来たんです」と言うと、
「え?そうだったの~??これは詰め物が浮いてきてるから治療しないと無理かも。
でも、できるところは削ってみましょうか?」と、器具を取りに行ってくださいました。
心の中で「問診票書いたんだから、読んでから対応してよ~!」と思いました。
結果的に、受診目的の歯の黒ずみは、やはり詰め物が古くなっていることが原因で、
詰め物を詰め替えないときれいにはならないとのことでしたが、
歯科衛生士さんが削ってくださったので、鏡をみたら少しマシになっていました。
これで、ようやく、私の胸はスッとしました。
それから再度、「歯肉炎を治して元気な歯茎にして、歯を治療していかないといけないので、
歯ブラシ頑張ってもう一回来月みせてくれる?」と言われました。
受診目的を達成した私は、歯科衛生士さんが言ったことを聴き入れるゆとりができていました。
「あと、何か気になることある?」と聞かれたので
問診票の最後に書いておいた症状について、たずねました。
問診票は全く読んでもらえてなかったような対応でしたが、
質問できたので「まあ、いっか」と思いました。
そして、その症状について、その方がおすすめされている方法を教えてくださって、
有効とされているマッサージをしてくださいました。
これがとても気持ちよかったし、症状を緩和できるように頑張ろうという気持ちになりました。
医師を待つ間、その歯科衛生士さんが
「うちは歯科衛生士それぞれやり方が違って、ベースは一緒ですけどね、
それぞれが“いい”と思うやり方ですすめさせてもらってるんです。
私はとりあえず口の中を触ります。触診が一番大事やと思っているから。
先生も私らのやり方を見守ってくれてますし、
自費診療もやってますけど積極的にすすめているわけではなくて
患者さんの望むことに応えていくっていうのが先生のスタンスなんです。」
とおっしゃっていて、私は、医師とスタッフ間で信頼関係のあるこちらの病院に好感をもちました。
長くなりましたが、
通院先に対して不満を感じたり、信頼できたりというのは、歯科医院だけの話ではありませんよね。
私は最初、受診目的に触れられずあちらのやり方ですすめられたことで、不安な気持ちになりました。
けれど受診目的についての治療をしてもらえると気持ちが落ち着き、
目的以外の指摘についても落ち着いて聴き入ることができるようになりました。
更に、確かな技術を提供してくださって、信頼感が芽生えてきました。
「問診票を読んでほしかったなあ」、「最初にちゃんと説明してほしかったなあ」とは思いましたが、
歯科衛生士さんが私のためを思って施術してくださったことや、希望や疑問を伝えることができたこと、
ご自分のやり方に自信を持って提供されていて「仕事への姿勢がいいな」と思ったことから、
トータルすると好感をもちましたし、通院を続けたい歯科医院になりました。
けれども、例えば、私が受診目的を口にしないままだったり、
不満ばかりを溜めてしまってイライラした反応をしてしまったりしていたら、
結果的に“いい病院”という印象にはならなかったのではないか、と思います。
治療についてちゃんとした知識があることや、コミュニケーションがとれるかどうか、
信頼できているかどうかで、受診内容の受けとめ方は大きく変わるなあ、と思いました。