新しい年度が始まりました。
春になって過ごしやすく、あたたかくて気持ちがいい時期ですし
気持ちも新たに暮らしていきたいですね。
初めて来院されるとき、多くの方が、
「なんで妊娠しないんだろう」と思って来られるかと思います。
「原因を治して、妊娠したいんです」と仰います。
妊娠に至りにくい要因があるのかどうか、基本検査をすることで、
例えば、卵管の通過性が確認できなかったり、精液の状態がよくないことが分かったり、
しばらく通院しても妊娠に至らない場合、体外受精をしてみることで
思ったより受精率がよくないことなどが分かるかもしれません。
そういったことで、夫婦生活では妊娠に至らなかったことに対して
説明できる何かが分かることがあります。
(補足ですが、必ず妊娠に至りにくい要因が見つかるかというと、そうではありません。
また、“妊娠に至りにくい要因がある” = “それが原因で妊娠しない”と言い切れるかというと、
その限りではありません。)
ただ、私は、このようにも思っています。
「もし説明できる何かが分かったら、“なんで妊娠しないんだろう”という思いはなくなるのだろうか」と。
この“なんで”には、原因を求める意味と、
“どうして私は授からないの?”という意味があって、
“どうして私は授からないの?”ということに対しては誰も説明できないと思うんです。
妊娠を待ち望んでいる間、
この“なぜ?” “どうして?” は、ずっとどこかにあるのではないでしょうか。
生きていく上で、この上ない喜びもあれば、不条理な出来事もあります。
到底、受け容れられないことが起こることもありますよね。
私は、嬉しいことがあったら一緒に喜んで
悲しいことや怒りを感じることがあったら傍にいて、
妊娠を想いながら過ごされているみなさんの“今”にお付き合いしていきたい、と思っています。
臨床心理士 間塚