先月、女優の樹木希林さんがお亡くなりになられましたが、
私は樹木さんがとても好きでした。
映画で拝見する樹木さんに毎回感銘を受けていたのですが、
メディアを通して伝えられる人間性にも惹きつけられる部分がありました。
樹木さんは、娘さんの也哉子さんに
「おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」
と、よく仰っていたと、お葬式の挨拶でお話されていました。
妊娠のことをいろいろ想う日々の中で、
周りの人が妊娠したり、子育ての話をしていると
悲しくなったり腹が立ったりすることがあるかと思います。
親からも「○○ちゃんは、すぐ子どもできたけど、まだなの?」などと
言われてしまうこともあると、おうかがいすることもあります。
自分で誰かと比べてしまったり、
他人が誰かと誰かを勝手に比べて、その価値観を押し付けてきたり、
人と比べることから無縁でいることは難しいですよね。
そして、“平気でいる”ことも、なかなか手強くて、
やっぱり、生理が来たり、判定結果が出なかったりすると、落ち込んだり、
ときには「私は妊娠できないんじゃないか」と、
動揺したり不安になったりすることもあるでしょう。
私たちは他の誰かと比べたり、時に比べられたりしていますが、
どういったことやどういった時に幸せを感じるか、ということや
どんなことでどれだけ悲しいと思うのか、ということは、
人の数だけ種類があるので、その人にしか分からないものじゃないでしょうか。
また、人生には、想ったとおりにならないことも含まれています。
自分の力ではどうしようもないことも引き受けて生きていかなければなりません。
人と比べたって意味がないことを
私たちは勝手に比べているのかもしれません。
また、他人が自分と誰かを比べることがありますが、
それはその人個人の価値観にしか過ぎないものではないでしょうか。
ですので、周りのことに動揺せずに、“わたしはわたし”として、凜としていると、
平気でいられるのかもしれませんね。
誰かの生き方に
どの時期に、どんなふうに触れて、どのように自分に響かせるかも、
人生におけるタイミングであり、縁だなあ、と思っています。
みなさんの中に、今、こういった樹木さんの人生観に“ピン”ときて、
より自分らしく豊かに強く生きていく後押しとされる方もおられるのでは…と思って、
今回はこういったブログにしました。
臨床心理士 間塚