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旦那さんの気持ちと似ていたのかな。

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個人的なことですが、

この数ヶ月で知人を2人なくしました。

私はそのときに2段階の悲しみを味わうことになりました。

1段階目は、知人をなくした悲しみ、

2段階目は、知人と深い関係だった人が悲しんでいることへの悲しみです。

どちらのときも、私は、なくなった知人よりも

知人と深い関係だった人との親交が深く、

告別式が終わって数日後にその人と会う機会がありました。

けれど、深く悲しんでいる状態のその人に

「励ましてもホッとするわけでもないやろうなあ」と想像をすると、

私から言えることなんて何もなくて、

過ぎていく時間をともにするだけでした。

“ずーん”と沈んだ雰囲気のいつもと違う状態のその人といて、

その人の気持ちに思いを馳せると悲しくてやりきれなくて、

私の方も肩が重くなっていって疲れていきました。

一緒にいてもその人の悲しみって埋められるものでもありませんし、

何もできない自分が苦しくてつらかったです。

 

人をなくすことと、妊娠を希望していることは、別のことなのですが、

私はふと、なくなった知人と深い関係だった人と一緒にいる自分が、

妊娠を強く希望している奥さんが苦しんでいることにつらさを感じている旦那さんと

同じような感覚なのではないかなあ、と思ったのです。

「なくなった知人-知人と深い関係だった人-私」と

「妊娠を希望していること-奥さん-旦那さん」という関係性が

似ているところがあるのではないかなあ、と。

私はその人が悲しんでいることに対して何もできないことを苦しく思ったのですが、

旦那さんの中にも「僕は精子出すだけやしなあ」と、

他に奥さんの苦しみに対してアプローチができずに歯がゆく思う人もいるのではないでしょうか。

 

旦那さんの中で、奥さんにどうしてあげたらいいのか、と考えている方はとても多いです。

「毎日必死で体温はかって、生理前はすぐ怒るし、生理になったら落ち込むし、

そうやって苦しんでいるのを見ているのもつらいし、

僕だって子どもはほしいけど、そこまで苦しい思いをしてまで、頑張らんでも…。

2人でも幸せといえば幸せだし、そんなに思いつめなくてもいいんじゃないか。」

と、いう旦那さんの声をよくおうかがいします。

旦那さんは奥さんにもう少し楽な気持ちになってもらえたら、と、

「焦らなくてもいいよ」 「別に2人でも幸せだよ」と伝えたりするのですが、

そういうと旦那さんは奥さんに、

「私ほどは子どもを欲しいと思ってないのね」

「私は、今すぐ子どもが欲しいし、1年、2年ものんびり待てないよ」

と、言われたり、思われたりすることもあるようです。

そうすると旦那さんは、もう何が正解なのかわからなくなってしまう、と。

旦那さんは旦那さんなりに奥さんを想って言ったことなのですから、

それで奥さんが怒ったり泣いたりすることがあると、

何も言えなくなるし、妊娠のことに自分から触れるのも怖くなってしまうかな、と思います。

 

妊娠のことはご夫婦2人のことで、

2人で同じ気持ちで臨めたら心強いだろうとは思います。

ただ、お互い性格も考え方も違いますし、

どんな局面でもお互いが全く同じ気持ちということはないでしょう。

通院、内診、採血、服薬などの負担は奥さんの方が大きくなるでしょうし、

妊娠も奥さんの身体で起こる反応ですから、

旦那さんと奥さんでは、負担も取り組み方も違ってくるかと思います。

旦那さんには旦那さんの妊娠を巡る大変さが、

奥さんには奥さんの妊娠を巡る大変さが、

それぞれにあるのだなあ、と思います。

 

 

臨床心理士 間塚

 

 

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