「子どもがいないと幸せになれない」と、
ある方が仰いました。
みなさんの中にも、同じように思っておられる方がいらっしゃるかと思います。
「子どもがいることで感じることができる喜びを感じたい」
「他の人が当たり前に授かっているのだから、私も同じように授かりたい」
「妊娠に向けてすごく頑張っているのだから、報われたい」
そういった想いは、妊娠を願う日々の中で自然に抱くものですし、
授かったら、今ある不安やくよくよしちゃう気持ちが“パッ”と晴れるでしょうね。
「授かったら幸せ!」と思う気持ちも当然だと思います。
私の先輩からの5年前の年賀状に、
“幸せは、日々の中にかくれています”というメッセージが添えられていました。
(補足ですが、先輩は以前、妊娠のために通院されていた経験があります。
5年前も今も、旦那さんとお2人で過ごされています。)
当時の私は
幸せは手にいれるものだと思っていたのか、
過ごせている毎日や出会う人との関わりを当たり前と思っていたのか、
“言われていることはわかるけど、実感できない”という感じでした。
それから、何年か歳を重ねていく中で、
幸せって、幸せを感じる瞬間に向かって努力して満たされることだけでなく、
本当になんでもない日々のふとした瞬間に「ああ、私、幸せだなあ」と感じるものだったり、
「ああ、この人とこういう時間を過ごせて、私は幸せだったなあ」
と、振り返ったときにしみじみ感じるものなのかなあ、と思うようになりました。
私は、「ああ、ありがたいなあ」 「こういう瞬間ってあったかいなあ」と感じたときに、
幸せを実感しています。
私は、人間として暮らせる生活環境が保障されていれば
幸せを感じるための条件はないと、今は思っています。
どの人にもその人の人生でしか味わえない幸せが
自分で実感しているよりもたくさん散りばめられているように思います。
それを、幸せと受け取る状態に今いるかどうか、それ次第かな…と。
さて、年の瀬ですね。
掃除や年越しの準備にお忙しいと思いますが、
今年もきっとたくさん隠れていたであろうかけがえのない幸せについて、
よかったらぼんやり思い巡らしてみてくださいね。
臨床心理士 間塚