開院当初は、男性がついて来られることが少なかったですが
ここ数年は、カップルで来院される姿が本当に多くなりました。
初診の日には、スタッフから初診説明をさせていただくことになっていて、
私も初診説明の担当の1人になっています。
説明を終えて
「何か気になっていることとか聞いておきたいことありますか?」
と、おうかがいしたときに、
私の感覚では、
おひとりで来られるときよりも
おふたりで来られるときの方が、
体温表のつけ方や
治療の内容、妊娠の確率など
そういった現実的な面の質問はあれど、
気持ちを吐露されることが少ないように感じています。
話す準備をしていないと
急には思い浮かばないものかな、と思いますし、
1人のときと2人のときでは、
話せる内容も変わるものかな、とも思っています。
時折、「このことを聞いてみたい!」
と、来られるカップルがおられます。
そういうときによく思うことなのですが、
おふたりで話しておられる内容でも
第3者に話すと、
また違った響き方をするなあ、と思うのです。
きっと第3者に話すときって、
自分の考えや心情や状態も含めて
どういった状況なのかを伝わるように話すからでしょうね。
そして、私に説明してくださったことを
一緒にパートナーさんも聞いているわけですが、
お相手の方が私に話している内容を聞いて、
「あ、そんなふうに考えてたんだ。」
「へえ、そう思ってたんだ。」
と、気づかれることが少なくありません。
きっと、毎日の暮らしの中では、
現状をどう良くしていこうか、
という、現実面の話し合いはできても、
相手をどう思っているのか、どう考えているのか、
ということは、ストレートに言葉にしにくいものなのかもしれないなあ…
もしくは、明言しなくても伝わっていると思っていることもあったのかもなあ…
それとも、相手を思うが故に、どこまで伝えていいのか迷いがあったのかなあ…
などと、想像しています。
特に何かで困っているという時ではなくても、
現状やこれまでの経過を
自分の言葉でお話いただくことで、
心の風通しはよくなることがあると思っています。
臨床心理士 間塚