「卵子が育ちにくくて、なかなか移植できないんです。
私、妊娠できますか。」
体外受精は
今のところ保険診療ではないので、
人工授精までの治療とは
治療費が一桁違ってきます。
(その分、妊娠率は高くなりますが)
体外受精では、採卵に向けて
卵胞(卵子が入っている袋)を育てていくのですが、
卵胞が十分育たなかったり
卵胞は育って採卵してみたけど卵子が未熟で受精卵ができなかった場合も
その分の治療費がかかってしまいます。
卵胞の育ち具合は
周期によっても変わってくるのですが、
卵胞が育ちにくい傾向がおありの方や
AMH(卵巣予備能)が低いと言われている方は、
この先受精卵ができるのか、心配になると思います。
そして、
診察の結果を旦那さんに伝えるとき、旦那さんの反応を気にしたり、
診療費の捻出に溜息ついたり、
スマホで卵が育ちにくい人の治療を探したり、
ネット上に流れてくる“これで妊娠率上がるますよサプリ”の広告に魅かれたり、
治療をやめた人のブログを読んだりすると思うんです。
ご存知の方が多いと思いますが、
栄養もとても大事で
特にたんぱく質はたくさん摂ることが勧められています。
もし、細身の方でお食事を制限されているようならば、
たんぱく質がたっぷり吸収されるお食事は、
ご自身にもとても良いことだと思います。
さて、
「卵子が育たないけど、妊娠できますか。」
この言葉は、
「こういう状態なんですけど妊娠したいんです。
けれど、この先、卵子が育って無事に着床してくれるのか
自信がなくなってきているんです。
また育たなくてがっかりするのにも疲れてきました。
同じ状態で妊娠した人っていますか?
まだ頑張る価値ってあるんですか?」
という気持ちが含まれての言葉だと思っています。
頑張っていても手ごたえを感じられないと
自分の選択に迷ったり、否定的になってしまうこともあると思うのです。
それでもあきらめずに続けてこられて
本当に大変だったんじゃないかと想像しています。
しかも、続けるかあきらめるか、
自分で決めないといけないですしね。
自分で決めて実行していくことって
すごくエネルギーが要ると思うのです。
今の自分にあるもの、
自分が好きなこと、
大切な人との関係、
自然の中でゆったり過ごすこと、
そういったものもとても大切です。
妊娠に向けて頑張っている自分のこころを
支えてくれるものだと思います。
そういった時間も味わいながら
ご自分のエネルギーにしていってください。
臨床心理士 間塚