この間の祝日、朝ドラを観て、
そのまま “あさイチ” を流しておこうかなと思ったら
あさイチがお休みで、
サンドウィッチマンの病院ラジオが流れてきました。
病院ラジオは、
サンドウィッチマンがパーソナリティとして
その病院の患者さんや元患者さんにお話を聴く番組です。
今回の病院は、熊本県にある大きな産婦人科でした。
不妊治療から母体胎児集中治療室、新生児センターもある、
周産期医療の総合病院みたいなところです。
今回登場された方々は…
・妊娠6ヶ月で破水して、7ヶ月で早産したため
赤ちゃんは自力で呼吸できなかったので、
半年間赤ちゃんが入院していたという方
・無精子症で精巣内の精子を採取して
顕微授精でお子さんを授かった方
・双子のうちの一人に血液が届かなくなって帝王切開したけれど
その後、ご本人さんの腕の中でその赤ちゃんは息を引き取ったという方
・交際相手と入籍をしないで妊娠、出産して
特別養子縁組に出そうと思っていたけれど、
やっぱり自分で引き取ることにしたという方
・3回の流産ののちに、妊娠8ヶ月で早産。
その2年後に、ご本人さんが大腸がんステージⅣだとわかったという方
お話を聴いていると
妊娠前から産後まで
おひとりおひとりそれぞれに
いろんなことがあるんだなあ…
と、改めて思います。
私たちの病院は不妊治療専門なので
妊娠までのいろいろはたくさん知ってはいるのですが、
当院を卒業されたあとに流産や死産になられることもありますし、
出産で大変な思いをされたり悲しい思いをされたり、
産後の子育てがものすごく大変だったり
また人生における様々な出来事があったりと
それぞれに、いろいろあるんだろうなあ、と思っています。
比べるわけではなくても、
どうも自分だけが大変なんじゃないかって
どうして自分はうまくいかないんだろうって
そんな気になることもあるものですので、
「みんなもいろいろあるんだなあ」
ということをちゃんと知っていることで
心持ちが変わることもあるのではないかな、
と思ったりしています。
自分の身に起こることについて
どうしていくか選択したり
光を失いかけたり
なんとか受け容れていったりと、
私たちはそうやって
悲しみも内包しながら
一生懸命自分の人生を紡いでいます。
みんな、そうだと思います。
そうやって一人ひとりがやっとの想いで紡いできたものを
暴力的な力は一瞬で踏みつぶしていってしまいます。
一人ひとりのかけがえのない一生が
理不尽な力によって
蔑ろにされてしまわない世の中であり続けることを
切に願っています。
臨床心理士 間塚