やっと妊娠判定が出て
喜びもひとしおな中、
流産になることが
残念ながらあります。
初めて経験されたときは
「まさか…」
「そんな…」
と、絶句するような感じかもしれませんね。
流産は、1回の妊娠につき15%の頻度で起こります。
そして、女性の年齢が上がるにつれてこの頻度は高くなるので、
40歳をすぎると40-50%の確率で流産に至るようです…。
35歳以上の女性の38%は
流産の経験があるということです。
この数字だけをみると
周りに流産されたという方があまりおられないかもしれませんが、
おられないというよりか
多くの方が流産の体験を話しておられないのだと思います。
無事出産できるように
何に気をつけて過ごせばいいか、
活動量や運動量、
アルコール、カフェインなど、
どれくらいが適量か
気にされている方もたくさんおられます。
体重は、流産だけでなく
妊娠合併症にもつながりますので、
標準圏内でいてくださるのがいいですね。
喫煙やアルコール摂取は
子どもが生まれてくる確率を下げるそうです。
カフェインは一日300mg以上を摂ると
流産が増加するという報告があるようですが、
それを否定している報告もあるそうです。
ところで、カフェインというと
コーヒーを思い浮かべがちなように思うのですが
カフェインは、エナジードリンク、お茶や紅茶、
チョコレートにも含まれていますよ。
そして、運動ですが、
「あまり動くと流産になるんじゃ…」と思う方や
「前に流産したとき、仕事が忙しくてバタバタしてたんですよ」と
流産との関連を心配される方がわりとおられるのですが、
運動が流産につながるというエビデンスはないそうですよ。
というのも、
初期流産は妊娠10W程度までに起こる流産なのですが、
原因の大部分(80%)が受精卵の染色体異常なのです。
その他、器質的な部分で、
流産につながりやすい体質である場合と、
カップルどちらかに染色体異常が認められる場合があります。
流産になった方が
「あのとき、ああしていなければ…」
と後悔されることはどうしてもあるのですが、
多くの場合は
この受精卵は、染色体に異常があって出産には至らないと、
最初から決まっていたということになるんです。
ところで、流産を経験した方が
次の妊娠から出産に至られるときに
精神的なケアが有効だとエビデンスで出ています。
(カウンセリングの効果が実証されています)
出産希望の女性が
“やさしく、愛情をもって、労わられている”
というような実感がもてるといいそうですよ。
自分にやさしくしてくれる人や安心できる人、
あたたかい気持ちになれる人と
一緒にいたり、お話して、
自分がいい状態でいられる機会をつくってみませんか。
周りの人に、あたたかく、やさしくしてもらって、
自分自身も、自分にやさしくして、
不安な気持ちはぬぐい切れないですが
おだやかな気持ちも感じながら
過ごしていきましょう。
参考:「不育症管理に関する提言」改訂委員会 「不育症管理に関する提言2021」
兵庫医科大学産科婦人科 福井淳史「不育症の診断と治療」
臨床心理士 間塚