なにか心配なことがあったときに
ネットなどで調べる方は
とても多いと思うんです。
特に、思いがけない出来事があったり
なかなか思ったようにいかないときは、
どうしたらいいのか
もしくは、どうしてうまくいかないのか、
調べようとすることは
ものすごくあたりまえなことだと思うんです。
こういった行動について
とある臨床心理士の方が
“ 自分の主体性を守ろうとする働き ”
と、説明されていました。
なかなか妊娠に至らなかったり
流産になると、
「なんでだろう?」
って、誰もが思うと思うんですよね。
それで、その「なんでだろう?」を解決するために、
こういう状態になる原因について知ろうとするのだと思います。
通院を始めるきっかけは
「妊娠しにくい原因があるのかどうか知りたいから」
ということがとても多いです。
ただ、妊娠のための検査というのは、
限界があります。
また、何か影響していそうなことが見つかったとしても
それが全てではありません。
どういうことかというと、
例えば、精子が少な目だったりするとしても、
それは検査できる範囲で分かっただけであって、
検査できないところで
他にも影響があるかもしれません。
また、例えば、
「年齢的に、確率は低いんですよ」
「おそらく、受精卵の染色体異常だと思いますよ」
「こういう原因が見つかりましたよ」
などと、現状に対してある程度の説明がついた場合も、
納得ができない気持ちになられることもあります。
それはきっと、
「でも、どうして、私に、
こういうことが起こるのだろう」
というお気持ちなんだと思います。
「何%くらいの確率で、こういうことが起こるので、
あなたがたまたま、この確率に入っただけですよ」
と言われたところで、
「なんで、私が、この確率に入らなきゃいけないんだろう…」
という思いが引っかかる…。
この「なんで」に対しての答えは、
どこかに用意されているのものではなくて、
きっと、ご自分の中で、
どんなふうに折り合いをつけていくかというところで
答えになっていくのではないでしょうか…。
どうぞ、自分のこころを守りつつ、
自分のこころがして欲しそうなことを
たくさんしてお過ごしください。
また、いろんなことを考えたり、
自分を労ったり、を繰り返していく日々の中で、
思っていることを話せる誰かと過ごす時間が
役に立つことがあると、
私は思います。
私たちのクリニックではそういった時間を
カウンセリングという名前で用意しています。
こころを大事にする時間を共にして、
ご自分の中での折り合いを
一緒に探していけたらと思っています。
臨床心理士 間塚