初診時に(初診のときに臨床心理士が対応できない場合は後日になりますが)、
カウンセリングのオリエンテーションをしています。
きっとみなさん、“カウンセリング”に対しての印象がそれぞれにあると思いますので、
当院ではどういった目的でカウンセリングがあるのかをご説明させていただく機会としています。
最近、説明をしたり聴き取りをしたりする人を“カウンセラー”と呼んでいる病院もありますが、
私は臨床心理士なので、心にアプローチをしています。
「臨床心理士と初めて会った!」という方は、
「特に悩んでないので、何を話したらいいものなんですか?」
「みんなどういうことを話していかれるんですか?」
と、初めての出会いに少し戸惑われることもあります。
私も、自分が臨床心理士になっていなくてあまりカウンセリングのことを知らなかったら、
初めて会ったときは同じように感じるかもしれないなあ、と想像しています。
オリエンテーションのときにカウンセリングに対する印象をおうかがいすると、
“ストレスが溜まっている人が相談に行くところ” “心が病んだら行くところ”
と思ってらっしゃる方が少なくありませんが、いかがでしょうか?
私は(私に限らず、臨床心理士はそうなのかもしれませんが)
ストレスや悩みや困っていることを聴くのではなくて
“あなた”を聴きたいと思っています。
妊娠を願う暮らしの中で、いろいろな自分に出会うことと思います。
結婚したら妊娠すると思っていたのに(あるいはもっと早く結婚するつもりだったのに)
思い描いていた人生とは違ってきたことで心が揺れたり、
旦那さんやご家族に対して支えてくれることに感謝したり、
なかなか妊娠しなくて申し訳なく思えたり、
「私はまだ不妊じゃない」と思いたい自分がいたり、
「体外受精にすすんだら妊娠できる」と期待しつつ「もし結果が出なかったら」を考えて不安になったり、
最近卵が凍結できない周期が続いていて、やっと凍結できてすごく嬉しかったり・・・。
いろんなこと思ったり感じたりされていると思います。
そういった“あなた”のいろんなことをお聴きすることを通して、
みなさんに心が少し軽くなったり、ゆるんだり、じんわりホッとするのを感じていただけると、
とても有意味な時間になると思って、私はここにいます。
心も身体も大切にいたわって過ごしていきましょう。
臨床心理士 間塚