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明けましておめでとうございます。
新しい年、いかがお迎えでしょうか。
たくさんの方が気持ちを新たに、これからの自分のことやご夫婦のことを
思い巡らされたことと思います。
ご実家に帰省された方もたくさんいらっしゃると思います。
帰省先で、お子さん連れのご親族や妊娠中のご親族の方と
一緒に過ごされた方もいらっしゃいますよね。
そういった環境に身をおくことや、両親や義父母、親族の言葉かけや反応に
不安を感じながら帰省された方も多かったと思います。
胸がキュッとなったり、自分の対応が嫌になったり、周りの理解のなさに悲しくなったり
いろんな気持ちがあったのではないでしょうか。
気持ちを抑えて頑張られていたであろう姿を想像しています。
「妊婦姿の義妹にやさしくできなかったな」
「子どもが騒いでいるのに放っておく義兄夫婦が許せない!」
「孫と幸せそうに遊んでいる親の顔を見て胸が苦しくなった。」
など、できるならば引きずりたくない想いが今もひっかかってらっしゃるかもしれませんね。
今は、よく思いがちな「もう少し自分の器が大きければ…」というような気持ちは置いておきましょう。
あなたが感じたことは、あなたと同じ状況であればきっと多くの人が当たり前に感じることです。
他人にはやさしく振る舞いたかったり
同じような価値観の言動を求めたり
羨望を持ちたくなかったりするのは
人間としてごくごく自然なことではないでしょうか。
このようなこともお話に来ていただいて
妊娠を望まれながらの暮らしの中の“休憩所”であれたらと思っております。
今年もよろしくお願いいたします。
臨床心理士 間塚
気がつけば12月も後半に差し掛かってきましたね。
師走だけあって、日々が忙しく感じられる方が多いことと思いますが
いかがお過ごしでしょうか。
この間、お話に来られた方が帰り際に
「ただ話を聴いてほしかったんです」
とおっしゃられました。
特に悩みや相談はなくても
例えば病院に来るまでにあれこれ考えたこと
病院に来てからわかったことや
旦那さんとのやりとりであったり
ご家族やお友達とのおつきあいだったり
ご自身の頭の中やこころの中に浮かんでは
特に誰かに話すこともないままのことはたくさんあるものですよね。
そういったことを話したいけど
自分の話をするのはどこか勇気がいりますし
なにかきっかけがないと話しにくいし
相手に対してなんだか悪いなという気持ちになったり
また話してなんて言われるのか気になって
なかなか話せないという方もおられます。
自分が思っていることや感じていることを言葉にすることで
今よりもこころがすっきりしたりホッとしたり
自分で自分を認めることができたりするのですよ。
今年1年は、あなたにどんなことがありましたか?
「通院を始めた」 「体外受精にすすんだ」
「引っ越ししてきた」 「仕事が大変だった」
一言で言ってしまうと簡単になってしまいますが
一言では収められない体験や思いがあるでしょうし
一言で言ってしまうと他の人と同じことも
中身はお1人お1人違いますよね。
忙しく日々は過ぎていきますので
ちょっと考えたり困ったり頑張ったりしたことも
数日経てば過去のことになっていきます。
そうしたらもうそのときの自分のことも過去になっていくのかもしれません。
気をつかったり、我慢したり、
頑張ったり、勇気を出したり、
苦しかったり、嬉しかったりした
いろんな自分がいたはずなのです。
今年の自分に「よく頑張ったね」と労う時間を
もっていただきたいなと思います。
臨床心理士 間塚
イライラしたり腹が立ったり、理不尽なことが起こったりすると
「私、検査しても問題なかったし、妊娠できないのはストレスのせいなんじゃないかな」
と、思ったりされませんか。
ストレスに対応しようと働く脳の機能はホルモンを司っている機能と同じですので
ストレスが強いと排卵や黄体機能に影響を与えることは知られています。
例として、ストレスで生理が遅れた、という経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。
とはいえ、ストレスがあると妊娠しないというわけではなくて(ストレスがない人はいませんし…)
そういった状況でも妊娠される場合もありますので
「ストレスのせいで妊娠できない」と言い切ることはできないと思っています。
ストレスが妊娠に影響している可能性がある、とは言えるという感じでしょうか。
定期的にカウンセリングに来られながら妊娠された方を思い浮かべると
―旦那さんとの関係や家族との関係が変わっていかれて
仕事の環境や状況が変わっていかれて
ご自身の生活や考え方が変わっていかれて
迷っていた体外受精にすすむことを決められて
ずっと抱えてらっしゃった「心のひっかかり」を言葉にされて―
力がふと弛んだときや状況を受け容れられたときなどに妊娠されていかれたように思います。
(もちろん、この限りではありませんが)
ストレスが妊娠に影響しているかどうか気になると思いますが
妊娠に影響しているかどうかだけではなく
ストレスは健康や生き方、みなさん自身を揺れ動かすものです。
ただ、ストレスが「悪」や「敵」なのかといえばそればかりではなく
「今のままではあなた自身がしんどくなりますよ」
「これまでとはやり方を変えてみたら、また乗り越えていけるかもしれませんよ」
というサインだと捉えることもできます。
ストレスとどのように付き合っていけば今より楽に感じられるようになるのか
思い切ったり工夫をしたり受け止め方を変えていくことは、
とても意味があることだと思っています。
臨床心理士 間塚
12月になりました。
冬至に向かって日が短くなっていっていますね。
紅葉も散り始めて、冬へと変わりつつありますね。
前回のブログは、「ご夫婦それぞれの気持ち」についてでしたが、
「旦那さんと意見が合わない場合はどうしたらいいの?」
と思ってらっしゃった方もおられたのではないでしょうか。
「私は早く欲しいのに旦那がそんなに焦ってないから、この話になると雰囲気悪くなるんです」
という状態のご夫婦も少なくありません。
意見が合わないと困りますものね。
では、旦那さんの意見はどういった思いからのものでしょうか。
妊娠はよほど身体的な原因がない限りできるものだと思ってらっしゃるのかもしれません。
まだまだ自然のタイミングで様子をみていたいという本音があるのかもしれません。
夫婦生活が機械的になっていく、
もしくはプレッシャーに感じることを不安に思ってらっしゃるのかもしれません。
奥さんが焦ってらっしゃるように見受けられて、落ち着いてほしいと思ってらっしゃるのかもしれません。
これから子どもを育てていく生活に覚悟がもてないのかもしれませんね。
旦那さんはどんなことを思っていらっしゃるのでしょうか。
まずは、ご夫婦で正しく妊娠のことを理解していただくために、
説明会に一緒に参加していただくことから始められてはいかがかなと思います。
奥さんばかりが旦那さんに説明していると
旦那さんも素直に受け取れない部分もあるのではないでしょうか。
当事者同士の言い分は受け取りにくいですが、
第3者の意見は冷静に受け取ろうとするものだったりします。
旦那さんとケンカしたときに友達の意見なら素直にきけた、なんてことはありませんか?
森先生の説明をきかれてみたら、また理解が変わってくるかもしれませんね。
とはいえ、説明をきいたらすぐに気持ちが一緒になるわけではなくて
奥さんは奥さんで、妊娠のこと、治療のことを受け容れていく段階があったように
旦那さんは旦那さんでそういった段階があるものだと思います。
夫婦間の温度差を気にされていた奥さんともう一度お話したときに
「あれから旦那とケンカしました」とご報告くださることが少なくありません。
「ケンカ」ときくと、なんだか「よくないことが起こった!」ような気が一瞬するかもしれませんが、
だいたいの場合は、夫婦関係や妊娠のことをお互いにとってよりよくするためきっかけになっています。
旦那さんに気を遣って伝えたいことを言わずにいたり、気付いてほしいなと思いながら待っていると
触れてもらえなかったり気付いてもらえなかった場合に悲しくなって怒ってしまうことがあります。
旦那さんは、ご自分からはこの話題に触れないようにされているかもしれません。
「話したら雰囲気悪くなるだけやし」「妻に泣かれたくないし」という気持ちもおありでしょうしね。
お互いの気遣いが溜まってくると、感情のコントロールがきかなくなることもありますよね。
相手の思いも聴いて、気遣う気持ちと自分の思いをどちらも伝えていけたら、
相手からもまた違った反応があるかもしれませんね。
臨床心理士 間塚
紅葉が見頃になり秋が深まってきましたね。
ご夫婦で治療のこと、妊娠のことをお話されるときはどのような感じでしょうか。
奥さんから治療の報告や相談があったときに
「治療したかったらしたらいいし、やめたいならやめたらいいよ」
「治療がしんどかったり負担にならないかが心配だから無理してしなくてもいいよ」
とおっしゃる旦那さん。
旦那さんとしては、ご自分が診察や処置を受けるわけではありませんから、
どれだけ話を聴いていても実際のところ奥さんにどれだけ負担になるのかは分からないし
奥さんに対して申し訳ない気持ちもあるのだと思います。
奥さんがつらそうにしている姿を見ているのもつらくなりますものね。
旦那さんがそう仰られるようであれば奥さんは希望する治療ができますし、
「夫のために何が何でも妊娠しなければ!」というプレッシャーも和らぎますよね。
けれど時により、
「夫は夫婦2人でもいいと言っているけど、私が諦められないから…」と
妊娠したい気持ちを1人で背負いがちになられることもあるみたいですね。
旦那さんの「子どもよりも奥さんに元気で笑って暮らしてほしい」という想いは
とても温かいものですし、大きな愛情ですよね。
ただ、「もしできるのなら子どもが欲しい」という思いをお2人ともお持ちで
通院した方がその願いが叶う確率が高いと思われるようであれば、
旦那さんには奥さんの負担を分かちあっていただいて
奥さんと一緒に、揺れる気持ちや身体のしんどさの傍にいてくださればなあ、と思います。
奥さんが通院の報告をされたり治療していて思うことをお話されているときに
「しんどかったら、やめたらいいよ」 「そんなにつらいのなら子どもはいらないよ」と
旦那さんが解決策を提案されることって多いんですね。
もちろんそう言ってもらうことで奥さんが安心されるところもあるのですが、
奥さんとしては解決策がほしくて話しているというよりも
「私の気持ちを聴いてほしい」 「今日何があったか知っていてほしい」
というお気持ちの方が多いのではないのかなあ、と思うことがあるのですが、いかがでしょう。
臨床心理士 間塚
11月も半ばになり、木々が色づき始めましたね。
さて、当院が開院してからずっとこちらでカウンセラーをしていますが、
「結果が出なくって…」というお話には私もいつも「う~ん…」となります。
通院されているからには妊娠して無事に卒業したいのがみなさんの願いですものね。
結果が出ない状態が続いていくと「いつか諦めなきゃいけないのかな」と思われたりしますが、
いつ諦めたらいいのか、なかなか決心がつかないものです。
子どもがいない人生といる人生、どちらが価値があるということでは決してありませんが、
「欲しいと思った結果が手に入ること」に幸せや価値があるように思えるところもあるのだと思います。
みなさんが欲しいのは結果や、続けていたら妊娠できるという保証、なのですよね。
そのためにスケジュール調整して通院したり、
やめたい仕事を治療費のために続けたり、
夫婦で何度も話し合って分かってもらえなくてぶつかったり、
いろんなことを乗り越えたり、それぞれの大変さを抱えながら過ごされていますよね。
みなさん、妊娠していくために今できること、というのはそれぞれされているのです。
ですから、結果が出ないからといって、誰かのせいということではないのですよね。
「もうちょっと年齢が若かったら子どもできたかもしれないのに」と思われたりしますが、
旦那さんと出会うタイミング、子どもを授かりたいと強く願う時期がそうであったのですし、
自然な流れの今なのであって、誰のせいでもないと私は思います。
「ストレスかけたくないのに考えすぎてしまった…」と後悔される方もいらっしゃいますが、
すごくすごく妊娠したいと思ってらっしゃっる中でそのことを考えないのは、
なかなか難しいことなのではないでしょうか。
ちょっとぼんやりしたら、ちょっと手を止めたら、妊娠のこと考えている
という状態になっても当たり前だと私は思います。
結果が出ないと、つい原因探しをしてしまいがちです。
結果が出なくても、ご自身やご夫婦が頑張られたことは本当のことです。
原因を自分の中に探すのは終わりにされてみませんか。
代わりに、ご自身の頑張りを自分でしっかり褒めてみられてはいかがですか。
臨床心理士 間塚
結婚して少し時間が経ったり
妊娠のためにタイミングをとったりしていかれる中で
夫婦生活の在り方が変わっていかれるご夫婦は少なくはありません。
以前から夫婦生活のお話をおうかがいすることはあったのですが
最近特におうかがいすることが多いので
今日はこのことについてのお話です。
夫婦生活のことはご夫婦の在り方と個人の体験や心理的なことも関わったりしますので
「できる」「できない」/「ある」「ない」と簡単に片付けてしまっていいことではありませんよね。
その回答の背景にはそれぞれの様々なご事情や状況があるでしょう。
恋人関係から家族になり生活をともにする中で気持ちも変わって
以前ほどは夫婦生活を望まなくなることもあるでしょうし、
“タイミングをとる”ことに意識が向いて
自然な夫婦生活じゃないように思われる方たちはたくさんいらっしゃいます。
また旦那さまが生活の疲れやプレッシャーなどから
思ったように機能を果たせなくなられることもありますし、
奥さまもプレッシャーや義務感などからか
分泌される粘液が少なくなったり痛みを感じられることもあります。
その中で、相手に対して不満や怒りを抱かれる場合もありますし
ご自身の中で、心苦しくなったり自信をもてなくなったり、焦りを抱かれる場合もありますよね。
お互いが夫婦生活をもちにくいと思ってらっしゃるようでしたら
「ないならないで、人工授精や体外受精をすれば妊娠の可能性はあるしいいわ」
とステップアップ希望で来院なさるご夫婦もいらっしゃいます。
きっと奥さまと旦那さまそれぞれのご事情やこころの動きがあるでしょうから
このことについては本当にケースバイケースだと思っています。
ただ、思ったように夫婦生活を持てなくて気になってらっしゃるようでしたら
どういったことがひっかかってそうなのか、
どういったことをきっかけにだんだんできなくなってきたのか、
といったことを、お話しながら探していくことはできます。
その中で気づくことや変わっていけることが見つかるかもしれません。
夫婦生活は妊娠のための行為という役割だけではない部分もあります。
夫婦生活の在り方にご夫婦の中でお互いが納得している関係が理想なのでしょうが
納得はしきれなくてもお互いの状態や思いを理解している関係でいられるといいですよね。
臨床心理士 間塚
このブログは、通院されていない方や当院を卒業されたみなさんもご覧になられていると思います。
治療を終えられるときに「ブログ、これからも読みますね」と仰ってくださることもあり、
みなさんの暮らしの中の“ちょっとした箸休め”になっているといいなあ、と思っています。
みなさん、お元気にお過ごしでしょうか。
時折、みなさんとのお話を思い出しては「どうされていらっしゃるかなあ」と思っています。
そして、通院を迷っておられるみなさん、こんにちは。
今、どういったお気持ちでホームページをご覧になられているでしょうか。
赤ちゃんが欲しいけど思ったより妊娠に時間がかかるなあと思っている方、
生理不順で妊娠に不安がある方、
年齢を気にされている方、どうして妊娠しないのかわからない方、
妊娠のチャンスがあるときになかなか夫婦生活をもてない方、
今通っている病院とは違う病院が気になっておられる方、
など、状況はそれぞれですよね。
初めて診察に来られたとき、
多くの方が「とりあえず来れてホッとしました」と仰います。
それだけ来られるまでに迷いや不安
―「できたら通わずに授かりたい」
「まさか自分が妊娠のために通院するなんて…」
「毎日忙しいのに、通院が負担になるんじゃないかな」
「何歳くらいまで診てもらえるんだろう」
「旦那が“わざわざ病院に行ってまで頑張らなくても”って言ってるし…」―
が、たくさんあるのですよね。
誕生日や記念日が近づいてきたり、
周りの妊娠・出産の知らせや、友達が不妊治療に通っていると聞いたとき、
生活状況が妊娠に集中できる状態に変わったときなどをきっかけに
来院される方もみられます。
ご自身が「よし!思い切って行ってみよう!」と踏み出す力になるようですね。
大切なことって、ご自身が、ご夫婦が、
これからどんなふうに人生を送っていきたいかということや
そのために今取り組んでおいたほうがいいことを
お2人の間でちゃんと共有できていることですよね。
身体の状態も気になるし病院に行ったほうがいいのかな、行かなくても授かれるかな、
と揺れる気持ちの中で、
「どうするか決める」ことを目的とせず
旦那さんにも答えを出すことを目的にしてもらわず、
ただ思っていることを話して、旦那さんの思いも聴いて、というやりとりの中で
自然とご自身の中で「こうしよう」と気持ちが固まってくるのではないかなと思っています。
臨床心理士 間塚
毎日新聞に「香山リカのココロの万華鏡」というコーナーがあります。
香山リカ先生は精神科医で、時折ニュース番組のコメンテーターをされていますし、
ご存知の方もいらっしゃるかと思います。
10月10日付けの新聞には、死産を経験された方のお話が掲載されていました。
一部抜粋させていただきます。
―何年も前に会ったある女性は、おなかの赤ちゃんに重い先天性の障害があり、
生まれる前におなかで亡くなった。
夫婦で大変な悲しみに沈んでいたが、親族や友人は励ます意味でか、
こんなことを言ったのだという。
「そういう赤ちゃんなら、もし生まれたとしても、たいへんな苦労だったでしょうね。
これでよかったんじゃないの。早く元気だしてね」―
相手には悪意はなかったのは分かっても、この女性にとっては傷つく言葉だったそうです。
誰かからの励ましでこの女性と似た気持ちを味わわれたことがある方は少なくないと思います。
みなさんからよくおうかがいするのは
「考えすぎるのをやめたらすぐにできるよ!」
「子どもがいない夫婦は仲がいいからいいじゃない!」
「子どもがいると自由な時間がないから羨ましいわ」
「そのうち子どもの方から来てくれるよ」
など、など。
そう言って声をかけて励ましてくれた相手に悪気がないのも分かっています。
分かっているから余計に言い返す気持ちになりませんよね。
けれど自分の気持ちは分かってもらえないんだなと、もやもやしてしまいますね。
私たちには、「前向きに考える」ことがいいことのような意識がありませんか。
現状や出来事がつらくても「いい方に考える」ように励まされてしまいます。
けれども、どんな状況でも前向きに考えるのは不自然ですし、こころに無理が出てきます。
悲しいときは悲しいですし、つらいときはつらいですよね。
香山先生は死産を経験された女性に
「まわりの人はどういう態度を取れば、少しでも気持ちがなぐさめられたでしょうね。」
と尋ねられました。
その方は「そうですね。あまり大げさに悲しんでもらいたくないし、
何を言ってもらっても同じかも。だとしたら、そっと泣かせておいてほしかった」
と答えられたということでした。
周りの励ましてくれる人の想いがご自分の気持ちと合わなかったり違うなと思うときは
まずはご自分の「そうじゃないの」という気持ちを大事にしていただきたいと思います。
そして「そうじゃないの。私こう思ってるの」と言えなかった気持ちを
誰かに聴いてほしいなと思われることがあれば、お話にいらしてくださいね。
臨床心理士 間塚
いくつかの台風を見送っていたら9月が終わり、10月になりました。
この台風が過ぎたらそろそろ秋らしい気温に落ち着いてきそうですね。
時々「カウンセリングでみんなどんな悩みを話していかれるんですか?」とご質問くださるので、
“カウンセリングは悩み相談”という印象がまだあるのだなあと思っています。
実際は、想像されるような悩み相談というより、出来事や日頃思ったり考えたりしていることを話に来られています。
例えば、「治療のことをお母さんに話したら、応援してくれるって!」とか、
「タイミングはとれるけど、気分じゃないときもあったりして…毎回はねえ~?」とか、
「職場の若い子としゃべってるとびっくりするんですよ。この間もね…」とか
“わざわざカウンセラーに話しに行かなくてもそれなりにやっていけるんだけど
聴いてもらえるんだったら話したいな”という感覚で来られていたりします。
治療のことでも、例えばステップアップするときに様々な迷いの中で決断されることになると思いますが、
その迷いの最中でお話をおうかがいすることもあれば、
決断してから“こういうことで大変でこういうことでも迷ったけど私はこう思って決断したんです”と
ご報告に来てくださることもあります。
カウンセリングって何かの答えや解決法を出すことだけが目的ではないんですね。
ご自身の想いや出来事についての受け止め方というのは
話しても安全な場所や関係の中で言葉にすることでより整理されていきます。
話している中でもう一度自分の想いを眺められ、
「うん、そうそう。私、これでいいんだなあ」と改めて確認されるのです。
そういった時間をもっていただくことで、心はよりスッキリと自分を信じて進んでいかれます。
妊娠を望んで通院されている中でみなさんはいろんな気持ちに出合われることと思います。
ときには自分を誉めたくなるような嬉しい気持ちもあるでしょうし
自分を嫌になってしまうような苦しい気持ちもあるでしょう。
こんな自分がいて、こういう自分もいて、いろんな自分がいるものです。
みなさんの様々な場面を一緒に過ごしていけたらと思っています。
臨床心理士 間塚