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誰かにほめてもらうって
とてもかけがえのないことだなあ、と
最近特に思うようになりました。
子どもやペットは、ちょっとしたことでほめられるのに、
大人になってからはほめられるのも一苦労です。笑
ほめられたことって
ものすごく自信になりますよね。
すると、どんどん能力が発揮されますし、
その先、難しいことがあったとしても
「乗り越えてやるぞ」と燃えることでしょう。
ほめてもらってなかったら
自分の力を
自分の基準の中だけで評価しますので、
周りの人たちが
「すごいね!」 「いいね!」
と、言ってくれるようなことだとは気づかないまま…、
ということもあります。
子どものころに「すごいね!」「いいね!」と言ってもらったことを
大人になってからの仕事につなげている方って
多いのではないでしょうか。
自分の何かに
もしくは、したことに対して
「どう受け取ったのか」
伝えてくれる人がいるというのは、
とてもありがたいことなのですね。
そういうことって
もう長いつき合いだったり
気を遣わない関係だったり
そこまで親しくない関係だったりすると、
相手に対しての「すごいね!」「いいね!」を
なかなか伝えなくなっているなあ、と思うのですが…
みなさんはいかがですか?
ひょっとすると、伝えないのは、
もったいないことなのかもしれません。
「すごいね!」 「いいね!」 と感じたときに
誰にでもそう伝えられる人でありたいです。
臨床心理士 間塚
この間、不妊治療をしていた友達に会いました。
彼女に、
「ねえ、不妊治療をしている人って何か特徴ある?」
と尋ねられました。
治療をしていた本人にそんなこと尋ねられるとは思っていなくて
びっくりしながらこれまでを振り返ってみたのですが、
「え…?そうは言っても、
身体の状態も、子どもが欲しい思いも、状況もそれぞれだからねえ…」
というのが、私の率直な感想でした。
その後も彼女の質問は、なんとなく私の頭に残り、
今まで出会った方に特徴があったのかなあ、と
思い巡らせていました。
ふと、思いついたことは、
たくさんの方が時間と闘っているということでした。
「○○歳までに妊娠したいんです」
「友達が妊娠したんで、私も同級生にしたいんです」
「今度、里帰りするときには、妊娠の報告がしたんです」
「来年から仕事が忙しくなるので、今年度中に妊娠したいんです」
「夫が単身赴任するので、それまでに妊娠したいんです」
「体外受精にすすむまでに妊娠したいんです」
「今回の体外受精で妊娠しないとダメなんです」
事情はそれぞれなのですが
自分の中で「~までに」と願っているということを
聴く機会が多かったように思います。
周りの環境との兼ね合いで
「どうしても~までに」
と思う気持ちを、抱くことはあると思います。
妊娠を“自分のことだけ”として考えていくことが
難しいときもありますよね。
それに、経済的にも精神的にも
早く結果が出てほしいとは
誰もが考えることだと思います。
期限のことを思い過ぎると
気持ちってついていかなくなることがあります。
お話を聴いていると
「やっぱり考えすぎるとしんどいから、もう検索はやめました」
と、工夫されていたり、
「友達が出産して、同級生になれないってわかったら、ちょっとふっきれた」
と、時間の経過と状況の変化で楽になれたりすることもあるようですね。
そんなふうに
妊娠を望んでいる自分の気持ちと
うまくつきあえる距離感を探ったり
時間が経過したり状況が変わる中で
「~までに」と強く願う気持ちも
変わっていくことがあります。
願ってらっしゃった期限を過ぎても
通院を続けておられる方たちは、
きっとどこかで気持ちを切り替えられたのですね。
みなさんの力の入り具合も、
ちょうどいいくらいに落ち着いていきますように。
臨床心理士 間塚
誰だって病気になりたくないのと同じように、
通院せずに子どもを授かりたいものだと思います。
初めて受診した日、
気になっていた検査を受けたとき、
薬を使ってみたとき、
人工授精にすすんだとき、
採卵したとき、
移植したとき…。
そうやって、自分の中で、
ハードルのように感じていたことを
受け入れていくときは、
そんなふうに頑張った自分を
誇らしく感じることがあるのではないでしょうか。
大きな一歩ですものね。
通院を始めてからこれまでのことを
“今までやってきたことを
誰とも比較することなく
ただ自分の文脈の中で振り返ってみる。”
そういった振り返り方をすることはありますか?
周りと比べず、純粋に自分のことだけを考えると、
自分に対して
「よくやってきたよねえ」
と、実感することがあると思います。
その実感は、自分で自分を支える力になると思います。
通院されている方みなさんの願いは同じですが、
その過程は1人ひとり違いますよね。
治療内容を通して
パートナーさんとよりしっかり向き合えるようになったり、
仕事の仕方を工夫してみたり、
自分たちの中でいろんな変化があることでしょう。
そうやってちゃんとやってきたことを
日々の流れの中に埋もれさせてしまわずに
“ちゃんとやってきたことだ”と
シールを貼っておきませんか?
先のことを想像して不安が大きくなったときに、
貼っておいたシールが、落ち着きをもたらせてくれるように思います。
臨床心理士 間塚
待合室に、“Jineko”というフリー雑誌が置いてあります。
Jinekoは不妊・不育症を生きた方へのインタビューや
不妊治療専門医による悩み相談やアドバイスなどが掲載されています。
治療に通っている方へのインタビューを読んでいると
通っている病院が自分に合っているかどうかが大切と
何人かの方が仰っているのです。
周りに不妊治療をしている方がいたら
その方たちからも情報が入りますし、
治療をしている方のブログを読んでいる人も多いでしょう。
なかなか結果が出なくて
「本当に妊娠できるのかな…」って思うときに、
誰かが「この注射打った周期に妊娠したよ」とか
「採卵の方法を変えたら、卵が何個か育って妊娠できたよ」と言っていると、
「私にはすすめられないけど、大丈夫なのかな?」
と、ちょっと懐疑的になってしまったりすることもあるみたいですね。
妊娠のためのすすめ方って、病院によって違います。
そして、みなさんの状況や状態によっても変わってきます。
誰かが妊娠した方法は
そのカップルにあったものであっただけではなく、
そのカップルが妊娠するタイミングだったのだと思います。
妊娠を待っている間、
いろんな情報にこころが揺れると思います。
もちろん、今取り組んでいること以外の方法を知らない場合もあるので、
正しい情報は役に立つこともあります。
ただ、得た情報が、自分にも試す価値がありそうなものなのかは、
先生に尋ねてみられませんか?
なぜこれはすすめられないのか、
なぜこれをすすめられるのか。
ちゃんと説明してもらえると、ほっとしたり、合点がいきますよ。
そう考えると、コミュニケーションってとても大切ですよね。
自分に合っている病院かどうかは、
“妊娠に対して満足のいく治療をしてもらえた”ということだけでなく、
“聞きたいことをちゃんと聞けて、答えてもらえた”
ということも含むんだと思います。
何かひっかかることがあったり、
聞いてみたいことがあれば、
先生やスタッフにたずねてみてくださいね。
臨床心理士 間塚
当院では、ご夫婦に納得しながら通院していただけるように
ご夫婦のご希望を尊重して診療をしています。
ところで、今までのことを振り返ってみると、
自分がどういった家族や環境のもとで育ったのかということから、
受けてきた教育上の体験や、就職先の職場環境や業務内容、
誰かとの出会いや別れ、病気などのさまざまな出来事は、
自分が納得しているいないに関わらずに起こってきたものが多いです。
私たちは、納得して決めていくことよりも、
そうやって身の回りに起こったことや出来事と
どうやって折り合いをつけていくか
どうやって受け入れたり納得していくか、ということに
たくさんのエネルギーを注いできたのではないかと思います。
納得して決めていけるようであれば、
自分のペースですすめていくことができますね。
ただ、その中で、これまでと変えていこうとするときには、
もしかしたら、難しさを感じることがあるかもしれません。
「いつからステップアップしたらいいのかな」
「いつまで治療をしていようかなあ」というときに、
自信や決断力が伴わずに、
パートナーに後押ししてほしかったり、
先生に決めてほしい!と思うようなときも
あるのではないかなあ、と思います。
そういったことは、
自分の気持ちで決めていいことなのか迷いますし、
「本当にこれでよかったのかな」と
不安になることもあるかもしれませんよね。
もしかしたら、変化していくときは、
「6割は現実面も考えて納得しているけど、
4割くらいは、まだそわそわしている…」
というような気持ちではあるけれども、
「エイッ!」と、
次の扉をあけているのかもしれませんね。
扉の向こうに
開けてよかった景色があるとうれしいですね。
“開けてよかった!”に、していく力が
みなさんに備わっていると思っています。
臨床心理士 間塚
説明会のビデオを診療時の午後、クリニック内にて試聴頂いています。
第一部では妊娠しにくくなる原因やそれらに対する検査や治療に関してについて、第二部では体外受精について、当クリニックの方法や考え方を分かりやすく説明しています。
第一部・第二部あわせて100分程度となっています。
ご希望の方は、事前にお電話または受付でご予約をお願いいたします。
当クリニックに通院されていない方も見て頂けます。
ご夫婦、パートナーの方と一緒に試聴頂くのが理想ですが、お一人でも受けて頂けます。
治療をしようか迷われている方、転院を考えている方、ステップアップを考えている方は是非ご試聴頂き、今後の治療について一緒に考えて頂けたらと思います。
長いゴールデンウィークが明けました。
その間に、平成から令和に元号が変わりましたね。
何かの節目って、
それまでのことを振り返ったり
これからの目標を考えたりするきっかけになりますよね。
みなさんはどんなふうに平成とさよならして
令和を迎えられたでしょうか。
私は、この節目に、
「過去って更新できるんだなあ」と、
ちょっと感慨深い気持ちになっていました。
みなさんにもあるかもしれませんが、
あまり思い出したくない、いい思い出ではない過去があったんですね。
その当時に私とそこまで近しくなかった人たちに
「自分はこう思われているだろう」という予想もあって、
その予想は、あまり心地よいものでもなかったのですね。
もちろん「そういう時期があったから、今の私がある」という受け止め方も
一部ではしているのですが、
かといって過去が変わるわけではありませんでした。
そして、平成から令和に変わっていくときに、
当時に出会っていた近しくはなかった人に会う機会があったのです。
お互い、今の自分が考えたり感じたりしていることを、
気兼ねすることなく話ができて、その話の内容もとても豊かだったんですね。
私が「こう思われているはず」と思っていた視点も、
その人からすると、そこだけではない私に対する視点があって、
その視点は私にとっては全く嫌なものではありませんでした。
そういったことをやりとりしていくうちに
ガチガチに固まっていたこころが
スーーッと溶けていく感じが確かにありました。
私にとっては、ものすごく大きな出来事でした。
現状に対しての思いや、今の自分自身への評価は、
あくまでも「今」のものなんだなあ、と思いました。
この先ずっとそうってことではなくて、
きっと何かのきっかけで違った受け止め方になっていくんでしょうね。
そうやって今の自分が過去のアルバムを再構成していって、
未来の自分が今の自分を再構成していくのかな、と思います。
何か嫌な思いをしたときに
「そのうち良いこともあったりするよ」とか
「それがあったから、良かったって思える日がくるよ」
という気持ちの持ち直し方ってありますが、
「そうは言ってもそうじゃなければよかった」ということも
どうしてもあると思うんですよね。
「そうじゃなければよかった」という事実は変えられないかもしれないけれど、
そのことに対しての自分の受け止め方や思い込んでいた部分なんかは
きっと変わっていくんじゃないかな、と、強く感じることができた元号越しでした。
臨床心理士 間塚
―自分にとって何かつらいことや不当なことがあったときに
「“どうして”こういうことになったのか、“どうして”こういう目にあうのか」
と考えるのではなくて、
「“どうしたら”これから自分が晴れやかに生きていけるのか」
を考えていけたらいいですね。―
といった内容のメッセージが目に触れました。
そういったアドバイスが
「そっか。どうしてって考えていても仕方ないし、
自分のためにできることを考えよう!」
と、 “スッ” と心に入ってくるときもあります。
そういうときって、きっと、自分のこころの中で、
そういうふうな整理ができかけているタイミングなんだろうなあ、
と、想像しています。
これからの自分に対して、わくわくする感じですね。
「なんかいいこと言われてるな」とは思いながらも、
「そうは言われても、“どうして”って思っちゃうよ」
「そんな前向きに考えられないよ」
っていうときだって、あります。
自分にとって重要なことであればあるほど、
すぐにこころを切り換えるのは難しいですし
悲しみや悔しさって大きいものです。
誰かのアドバイスや励ましが
頭ではわかってもこころではしっくりこないことって少なくないと、
みなさんの話を聴いていて実感しています。
そういうときって、
「この人には、私の気持ち、あまりわかってもらえないな」
と、さみしい気持ちになったり、
「この人は多分いいこと言ってるのに、どうしてその気になれないんだろう」
と、残念な気持ちになったりしますよね。
“良かれと思って” 言ってくれたことだけど、
“ありがとう”と受け取れないこと、ありますよ。
きっと、このブログに書いていることも、
どなたのどんなタイミングにも共鳴し合うかというと
そうではないと思うんです。
読まれている方の状況や性格などいろんなことと、
ブログを目にしたタイミングによって、響き方って変わりますから。
「そんなことないよ~」
「わかってないよ~」
と、思う内容の日もあるんじゃないでしょうか。
そうは言いながらも、
どなたかとは響き合える内容、タイミングだといいなあ、
と願いながら、毎回ブログを書いています。
臨床心理士 間塚
桜の見頃が過ぎていき、もうすぐGWですね。
今年は10日間休み!という方も、多いのではないでしょうか。
当院は4月28日(日)~5月6日(月)の9日間、休診になります。
「今周期は、タイミング診てもらえなさそうだなあ」
「早く採卵したかったけど、無理なのか…」
「移植ができないから、妊娠が先送りになる…」
そんなふうに、休診を残念に思う方もおられるんじゃないでしょうか。
休みの周期を入れずに、ずっと治療をされている方もおられます。
「1周期だって無駄にしたくない!」というお気持ちかもしれませんが、
そういった方は、今回の外的な要因で治療がおやすみになる周期を、
心身ともに緩めたり、何も気にせず思い切り楽しんだりと
主体的に過ごされてみるいい機会かもしれません。
通院しなくてもいいので
仕事が終わったらまっすぐ家に帰れますね!
「今日は診察があるから、早く切り上げて帰らないと…」と、
ハラハラしなくてもいいですね。
排卵後、移植後の暮らしにはより一層気を配る方も
今周期はいつもより考えすぎずに暮らせるかもしれません。
お薬、血液検査、注射、内診についても
こころがちょっと緊張していたりするかもしれませんし、
心身が解放されるのではないでしょうか。
一旦、なにもしない状態になってみないと、
自分がどれだけ頑張っていたのか、気づかないものです。
治療している時間としていない時間の違いを
しみじみ味わってみてください。
そして「私、いつも頑張ってるんだなあ」
「よくやってるなあ!すごいな、私!」
って、自分の頑張りを称えてください。
ついつい結果ばかりに目がいきがちですが、
自分がどんなふうに取り組んでいるのかということを改めて振り返って、
「落ち込んだり痛かったりいろいろあるのに、頑張れてる私ってすごいんだ!」って
自分でちゃんと、ちゃんとわかってあげていてくださいね。
臨床心理士 間塚
“家裁で調停の仕事をしている知人から、こんな話を聞いたことがある。
言い合って、言い合って、言い合ったはてに、万策尽きて、
もはや歩み寄りの余地、「合意」の余地はないとあきらめきったそのときから、
ようやっと「分かりあう」ということがはじまる、と。
この話はいろんなことを考えさせる。
まず、分かる、理解するというのは、
感情の一致、意見の一致をみるということではないということ、
むしろ同じことに直面しても、
ああこのひとはこんなふうに感じるのかというように、
自他のあいだの差異を深く、
そして微細に思い知らされることだということ。
いいかえると、他人の想いにふれて、
それをじぶんの理解の枠におさめようとしないということ。”
―「臨床とことば」より抜粋―
「相手に分かってほしい」という想い、
その想いが満たされないことで
心が不安定になったり、不満に思ったりすることがあります。
自分の望んだようなリアクションでないと、
「あの人が分かってくれないの!」と、家族や友人に話して、
満たされなかった気持ちを聴いてもらうことがあります。
自分の感情や意見は
自分だけのもので、
相手の感情や意見は
自分とはまた別のもの。
本当は、そんなこと、分かっているはずなんですよね。
自分がどう思っているか、相手に知ってもらうことはできても、
同じように感じてもらうことってできないものですよね。
逆に、相手の考えや思いを知ろうと聞いてみても、
「え?ちょっとよくわからない」とか、
「普通だったら、この場合こう思わない?」
と、言ってしまったりすることもあります。
自分の考えや判断基準の枠は
相手のそれを全てカバーできるものではないのに、
ついつい自分の枠内で考えてしまうことがあります。
そんなふうに
自分を分かってもらえないと思うことで、
また、相手のことが分からないと思うことで、
時に、自分のこころの箱から、
こぼれ落ちそうになる感情もあります。
悲しみ、怒り、不安、苦しみ…。
そういった感情って、
相手との関係がきっかけとなって感じることになりますが、
そもそもは、自分のこころから湧き出るものです。
ところが、なかなか抱え切れなくてもてあましては、
相手にぶつけてしまっていることもあるものです。
全てを分かり合える関係って難しいものですが、
同じような感覚や価値観が通じ合うときは嬉しいですし
そうでない部分はお互いの個性として認め合いながら、
人との関係を生きていきたいなあ、と思っています。
臨床心理士 間塚