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気がつけば平成30年12月で、今年も早や最後の月ですね。
今年の12ヶ月、みなさんにとってどんな月日でしたか。
実は私は、“目標に向かって一生懸命頑張る” “計画を立てて過ごす”ということが、苦手です。
時によって、「できるならそうしたいなあ」と思うことはあるのですが、
「しなきゃいけない」と思うと、びっくりするほどやる気が起こらなくなります。笑
なので、一生懸命頑張ったり、計画を立ててたくさんのことをこなしている方をみると、
「本当にすごいなあ」と尊敬しています。
私は、気ままなんです。
先日、知人と会う機会がありました。
知人の奥さんは、いつもてきぱき作業をされてて、行動力もあって、
自営業も手伝ってらして、この間はご自分でお着物もお召しになられていました。
「すごいなあ。私には全然真似できないなあ。」と口にすると、
知人が「うちの奥さんはそうしかできないからそうしてるだけですよ。
気ままな人だからこそできることもあるでしょう?」
と、言いました。
その言い方は、私を励まそうとしているような感じではなくて、
「燃えるごみは燃えるごみ専用のゴミ箱に捨ててください。
空き缶は空き缶入れに捨てましょう。」というような、
“あっさり” した言い方でした。
そう言われて、ちょっと心がスッキリしました。
自分にできないことができる人をみていて、
私は「私もそうしなきゃいけないんじゃないか」という気持ちになっていたんですね。
「私も同じように頑張る努力をしないといけないんじゃないか」と
どこかで心がざわざわしていたのだと思います。
けれど、相手からすれば、性格や性質上、そうしないと気が済まないようだったのです。
“そういった風な生き方がその人の生き方というだけで、
それはそれでいい面もそうでない面もあるだろうし、
私は私の生き方でいい面もそうでない面もあるだろうし、
それぞれの生き方で生きたらいいじゃないですか”と、
知人は、そういった捉え方をしていました。
私が勝手にいろいろ思って心がざわざわしていただけで、
現実は私が勝手に思っていたこととは違うものだったのです。
そのことに気づいても、私にないものをもっている人はやっぱり魅力的で、
そういったところを今後も尊敬することに変わりはないのですが、
必要以上に比べたり、自分を“できない”と思ったりしなくていいんだなあ、と思いました。
臨床心理士 間塚
今年逝去されたさくらももこさん。
きっと、みなさん、さくらさんの作品に触れたことがあると思います。
先日、ニュースで知ったのですが、
さくらももこさんの「ぜんぶ」という詩が
合唱になっているんですね。
ぜんぶ
大切なことは
ぜんぶここにある。
泣くこと 笑うこと
怒ること 喜ぶこと
あたりまえの気持ちは
あたりまえのものとして
そのまま 今ここにある。
もうどこへも行かなくても
なんにもしなくても
どこへ行っても
何をしても
ぜんぶそのままだ。
引用:さくらももこ著 「まるむし帳」 集英社文庫
生きているといろいろな気持ちに出会います。
泣いたり、怒ったりするときって、
恥ずかしかったり、悔しかったり、悲しかったりするものです。
そういうときに、
「ああ、こんなんじゃダメだな」 「元気ださないと!」
と、今の気持ちではいけないように思うこともあるかもしれません。
この詩を読むと、
今、わたしが抱く気持ちは
あたりまえなんだなあ、と、思います。
なんにもしなくても
何をしても
きっと、わたしはわたし。
大切なものはずっとここにあって、
何かで価値が変わるものではないんだって、
教えてくださっている気がします。
さくらさんの詩、
みなさんにはどのように響きましたか?
臨床心理士 間塚
みなさんは、特定非営利活動法人Fineをご存知ですか?
Fineは不妊を体験している方々のセルフ・サポートグループです。
目を通された方もおられるかもしれませんが、
Fineの代表、松本亜樹子さんのコラムが掲載されていたので、リンク先を紹介します。
“不妊のことを一人で抱えないで”、というメッセージです。
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20181112-OYTET50037/?catname=column_matsumoto-akiko
*うまくリンクが繋がらないようですので、
アドレスを直接入力してご覧くださると幸いです。
以前に比べると、
自分の状況を誰かに話している人も多くなってきたように思います。
話すときに勇気がいることもあったでしょう。
みなさんからおうかがいすることを思い浮かべると、
話している方は、気持ちを出せている分、
主体的に行動できている印象があります。
話していないと、
隠したり、気づかれないようにしたり、というところに気を回す必要があるので、
気持ちにゆとりがもてなかったり、考え過ぎてしまうこともあるかな、と思います。
けれど、「傷つきたくない」 「相手になんて思われるか不安」という想いもあるでしょうし、
自分の心を守るために話さないようにすることもありますよね。
私はこの記事の中の、
“不妊治療で2年通院している方が、講演後に松本さんのところにいらして、
「今まで一度も泣いたこともないし悲しいとも思ったことなかったのに」と言いながら涙を流された”
というエピソードが特に心に残りました。
“悩んでいること”、“つらいと思っていること”、“悲しいこと”などと、
カテゴリーをつけてしまうと、ピンとはこないけれども、
誰かの話を聴いている中で、自分の中にある琴線に触れて実感したり、
ただ話をしている中で、自分がどういったことを感じているのか、少し実感できたり、
そういったことってあるなあ、と思います。
自分を守るために心を防衛することも、その時を過ごしていくのに必要だったりします。
適度な防衛にプラスして、
時折は、心を守っている鎧を脱いで解放してあげる時間もあるといいですね。
臨床心理士 間塚
体外受精で受精卵ができると
受精卵の写真をお見せしながら状態を説明しています。
受精卵の写真を見て、
神秘的な気分になったり
感動される方はたくさんおられます。
自分たちの新しい命のはじまりが
そこに写っているのですから、
それは特別な想いがすることでしょう。
タイミングや人工授精では、“妊娠”が命のはじまりのように思いましたが、
体外受精では、受精卵で2人の命のはじまりを見ることができ、
移植のときに受精卵が子宮に戻る様子をモニターで確認していただけます。
移植してから「お腹の中にあの卵がいるんだなあ」と思ったり、
お腹にいてくれるだろう卵に向かって話しかけたりすることもあるでしょう。
受精しているかどうか分からなかった人工授精までとは、
判定日までの日々も違った心持ちだと思います。
たくさん想いを馳せられることでしょう。
そして、残念だった場合も、
「流産ではないけど、卵を育ててあげられなかったなあ…。」
というふうに思えることもあって、
それは人工授精までとは違った感覚だとおうかがいしています。
体外受精をされた方だから分かる体験があるのだな、と思います。
受精卵に出会えることは体外受精をされた方の特権で、
そのことを誇りに思ってらっしゃる方もたくさんおられます。
そういった話をおうかがいすると、
心に、じーーーんっ、と響くものがあります。
臨床心理士 間塚
個人的なことですが、
この数ヶ月で知人を2人なくしました。
私はそのときに2段階の悲しみを味わうことになりました。
1段階目は、知人をなくした悲しみ、
2段階目は、知人と深い関係だった人が悲しんでいることへの悲しみです。
どちらのときも、私は、なくなった知人よりも
知人と深い関係だった人との親交が深く、
告別式が終わって数日後にその人と会う機会がありました。
けれど、深く悲しんでいる状態のその人に
「励ましてもホッとするわけでもないやろうなあ」と想像をすると、
私から言えることなんて何もなくて、
過ぎていく時間をともにするだけでした。
“ずーん”と沈んだ雰囲気のいつもと違う状態のその人といて、
その人の気持ちに思いを馳せると悲しくてやりきれなくて、
私の方も肩が重くなっていって疲れていきました。
一緒にいてもその人の悲しみって埋められるものでもありませんし、
何もできない自分が苦しくてつらかったです。
人をなくすことと、妊娠を希望していることは、別のことなのですが、
私はふと、なくなった知人と深い関係だった人と一緒にいる自分が、
妊娠を強く希望している奥さんが苦しんでいることにつらさを感じている旦那さんと
同じような感覚なのではないかなあ、と思ったのです。
「なくなった知人-知人と深い関係だった人-私」と
「妊娠を希望していること-奥さん-旦那さん」という関係性が
似ているところがあるのではないかなあ、と。
私はその人が悲しんでいることに対して何もできないことを苦しく思ったのですが、
旦那さんの中にも「僕は精子出すだけやしなあ」と、
他に奥さんの苦しみに対してアプローチができずに歯がゆく思う人もいるのではないでしょうか。
旦那さんの中で、奥さんにどうしてあげたらいいのか、と考えている方はとても多いです。
「毎日必死で体温はかって、生理前はすぐ怒るし、生理になったら落ち込むし、
そうやって苦しんでいるのを見ているのもつらいし、
僕だって子どもはほしいけど、そこまで苦しい思いをしてまで、頑張らんでも…。
2人でも幸せといえば幸せだし、そんなに思いつめなくてもいいんじゃないか。」
と、いう旦那さんの声をよくおうかがいします。
旦那さんは奥さんにもう少し楽な気持ちになってもらえたら、と、
「焦らなくてもいいよ」 「別に2人でも幸せだよ」と伝えたりするのですが、
そういうと旦那さんは奥さんに、
「私ほどは子どもを欲しいと思ってないのね」
「私は、今すぐ子どもが欲しいし、1年、2年ものんびり待てないよ」
と、言われたり、思われたりすることもあるようです。
そうすると旦那さんは、もう何が正解なのかわからなくなってしまう、と。
旦那さんは旦那さんなりに奥さんを想って言ったことなのですから、
それで奥さんが怒ったり泣いたりすることがあると、
何も言えなくなるし、妊娠のことに自分から触れるのも怖くなってしまうかな、と思います。
妊娠のことはご夫婦2人のことで、
2人で同じ気持ちで臨めたら心強いだろうとは思います。
ただ、お互い性格も考え方も違いますし、
どんな局面でもお互いが全く同じ気持ちということはないでしょう。
通院、内診、採血、服薬などの負担は奥さんの方が大きくなるでしょうし、
妊娠も奥さんの身体で起こる反応ですから、
旦那さんと奥さんでは、負担も取り組み方も違ってくるかと思います。
旦那さんには旦那さんの妊娠を巡る大変さが、
奥さんには奥さんの妊娠を巡る大変さが、
それぞれにあるのだなあ、と思います。
臨床心理士 間塚
妊娠していくのに性生活は大切ですが、
実は性生活で悩んでおられる方は多いのです。
妊娠のために排卵にあわせての性生活が続くとつらくなったり、
結婚後や出産後などに少なくなっていったり、
結婚するまで性生活の経験がなかったり、
夫の勃起持続や膣内射精が難しかったり、
性交痛がひどかったり、
パートナーに対して性欲が湧かなかったり、
パートナーはいい人だけど性生活は合わなかったり、
困っておられる状況はそれぞれです。
そういったことって本当のことを口にしにくくて
どうしても呑み込んでしまいがちかと思います。
性生活のハードルが高い場合、
性生活をもたなくても妊娠はできます。
そのために通院をする方も少なくはありません。
だから、妊娠したいからなんとしてでも性生活をもたなきゃいけない!
というわけではないんですよね。
一方で、
性生活は妊娠のためだけにあるわけではないという考えもあります。
そういった考えをお持ちの方は、
「このままでいいのかなあ」
「この先、何十年もこの状態なのかなあ」と思うと
心がざわざわするのではないでしょうか。
人間として生を受けた私たちにとって、
自分にとっての性生活とどのようにつきあっていくのかということは、
とても大切なことだと思うのです。
「こうしたら満足いく性生活になるよ!」というようなアドバイスをするのは難しいですが、
どういったことに困っていて、どうしていくことができそうか、
どうなっていきたいのか、など、
一緒に話しながら考えていきたいなと思っていますので、
そういったこともお話にいらしてくださいね。
臨床心理士 間塚
誰かとのやりとりで、
自分の気持ちや主張したいことをなかなか言えないこともあるかと思います。
そういった場合は、
「こういう場合は、自分から言わなくても相手が自分の気持ちに気づいてくれるはずだから…」と
相手に甘えている場合もあるでしょうし、
「私の気持ちを言ったら相手が傷つくかもしれないし」と
気を遣って言いにくい場合もあるでしょう。
そして、自分が思ったことを伝えることで、相手を困らせるかもしれないし、
断られるかもしれないし、そうなると自分が傷ついてしまうから怖くて言えない
という場合もあるかと思います。
ちょっと振り返ってみていただきたいのですが、
誰かに何かを伝えるときに、
主張したいことだけを言ってしまって、
どういった気持ちでそういう気持ちになったのか
どういう意図でそういった質問をしたのかということまでは
伝えられていないことはありませんか?
夫婦間ではよくあるやりとりなのですが、
「なんで最近忙しいの?」と、奥さんが旦那さんに尋ねたとします。
(ちょっと話が逸れますが、「なんで?」「どうして?」は、
相手には責められているように聞こえることが多いです)
旦那さんがそのとき「奥さん、なんか怒ってるんかな?」と思うと、
「今、大きい仕事が重なってるし、会議も続いてるから」と、
“会話を切るように”答えるかもしれません。
すると、その雰囲気から奥さんは「忙しいと話もしてくれない」と思ってしまって
「ふ~ん」と返事をして会話が終わる可能性があります。
もし妊娠のことや、通院のことで何か話したいことがあったんだとしたら、
「旦那は私よりも妊娠のこと、真剣じゃないんだ」と思って
孤独感が増したり、怒りが湧いたりするかもしれません。
今の状況や気持ちを伝えて「私はこうして欲しい」と言ってみることは、
なかなか難しく勇気がいることかもしれません。
けれども相手にとっては、あなたが何を思って何を考えているのか、
ちゃんと言ってもらわないと分からないものです。
自分から言わなくても相手に汲み取ってもらえたら楽ですし、
傷つけたり傷ついたりもしたくないものですが、
言わないことで傷ついたり苦しくなったりすることもあります。
どんな想いをしているからどうしたいのか、ということを、
押し付けるわけではなく「私はこう思っているよ」という温度で
伝えていけるといいですね。
臨床心理士 間塚
先月、女優の樹木希林さんがお亡くなりになられましたが、
私は樹木さんがとても好きでした。
映画で拝見する樹木さんに毎回感銘を受けていたのですが、
メディアを通して伝えられる人間性にも惹きつけられる部分がありました。
樹木さんは、娘さんの也哉子さんに
「おごらず、人と比べず、面白がって、平気に生きればいい」
と、よく仰っていたと、お葬式の挨拶でお話されていました。
妊娠のことをいろいろ想う日々の中で、
周りの人が妊娠したり、子育ての話をしていると
悲しくなったり腹が立ったりすることがあるかと思います。
親からも「○○ちゃんは、すぐ子どもできたけど、まだなの?」などと
言われてしまうこともあると、おうかがいすることもあります。
自分で誰かと比べてしまったり、
他人が誰かと誰かを勝手に比べて、その価値観を押し付けてきたり、
人と比べることから無縁でいることは難しいですよね。
そして、“平気でいる”ことも、なかなか手強くて、
やっぱり、生理が来たり、判定結果が出なかったりすると、落ち込んだり、
ときには「私は妊娠できないんじゃないか」と、
動揺したり不安になったりすることもあるでしょう。
私たちは他の誰かと比べたり、時に比べられたりしていますが、
どういったことやどういった時に幸せを感じるか、ということや
どんなことでどれだけ悲しいと思うのか、ということは、
人の数だけ種類があるので、その人にしか分からないものじゃないでしょうか。
また、人生には、想ったとおりにならないことも含まれています。
自分の力ではどうしようもないことも引き受けて生きていかなければなりません。
人と比べたって意味がないことを
私たちは勝手に比べているのかもしれません。
また、他人が自分と誰かを比べることがありますが、
それはその人個人の価値観にしか過ぎないものではないでしょうか。
ですので、周りのことに動揺せずに、“わたしはわたし”として、凜としていると、
平気でいられるのかもしれませんね。
誰かの生き方に
どの時期に、どんなふうに触れて、どのように自分に響かせるかも、
人生におけるタイミングであり、縁だなあ、と思っています。
みなさんの中に、今、こういった樹木さんの人生観に“ピン”ときて、
より自分らしく豊かに強く生きていく後押しとされる方もおられるのでは…と思って、
今回はこういったブログにしました。
臨床心理士 間塚
秋は祝日が比較的多く、
連休前後は特にたくさんの方が来院され、
お待ちいただく時間が長くなってしまっています。
待ち時間が長いときは、
少し外出していただるける場合もあります。
最近は外の空気が気持ちが良く
ちょっとした気分転換にもいい季節になってきましたね。
遠方の方は特に、かもしれませんが、
「買い物して帰ろうと思ってます」
「街に出てくる感覚で通院しています」と思って通院されている面もあるようですね。
通院時間や交通費など、全部を「治療のため」と思ってしまうと
ゆとりがないときは、イライラしたり不満になったりするかもしれませんし、
通院以外の目的があるのはいいなあと思っています。
もしかして、通院していなければ来ない場所だったかも。
通院することで、縁が出来た場所です。
通院のついでに寄ったお店で、お気に入りの靴が見つかるかもしれません。
診察が終わってから、今日はどこに寄り道しようか、楽しみにしている方もいます。
電車に揺られなければ、今日はゆっくり本を読む時間をもっていなかったかもしれません。
メインの予定は通院なのかもしれないけれども、
1つ1つの体験にはメインもサブもありません。
お気に入りの靴に出会えたことや
ゆっくり本を読む機会があったこと
そういった1つ1つの体験も、じっくり味わってみてください。
すごくワクワクしている自分がいたり
ドキドキしている自分がいたりするのではないでしょうか。
臨床心理士 間塚
草津レディースクリニックは、この9月から、開院して10年目に入りました。
その頃に授かられたお子さんは、今は小学生になられているんだなあ、としみじみ思います。
通院されていたみなさん、その後はいかがでしょうか。
いろんなことはあると思いますが、お元気に過ごされていることを願っています。
開院当初は、まだ”妊活”という言葉は使われていませんでした。
時の流れとともに、体温を管理するアプリが普及したり、
鍼灸院などで“妊娠のために体質改善したい方”と書かれるようになったり、
著名人が不妊治療の体験をオープンにされたり、テレビで不妊治療が特集されたりと、
“妊娠のための取り組みをしている人がいる”という現状が知れ渡ってきたように思います。
不妊治療についても、以前は、
「夫婦で一定期間妊娠できるように取り組んで、授からなければ病院へ行く」
という考えの方が多かったですが、
今は、「早く妊娠したいから、自分たちでタイミングとるより病院来た方が確実だし」
「お互いの身体に問題がないか、早めに知っておいた方がいいから」と、
建設的に判断をして来院される方も多くなりました。
この10年で、妊娠のための医療技術も発展し、さまざまな研究も積み重ねられています。
そういった流れを時には取り入れながら、みなさんの希望に寄り添ってきました。
たくさんの方の願いが叶っていきました。
ただ、まだすべての方が希望通り授かれるわけではありません。
ご夫婦との血の繋がりを絶対的な希望としない方には、
体外・顕微授精での妊娠が難しそうな場合の選択肢の1つになっている
精子提供や卵子提供の窓口も広がり、
養子縁組も様々な団体が斡旋しているので、子どもを授かる選択肢も多数です。
このように、妊娠についての意識が高まり、
また、妊娠にまつわる医療行為などの選択肢が増えたことで、
子どもを授かるということに対して様々なアプローチができるようになりました。
その反面、選択していくことが難しかったり、勇気がいったりする局面があるかもしれません。
人生の中で、“子どもを授かること”について、思いを巡らせたり取り組んだりするのは、
とてもとても大切なことだと思っています。
みなさんそれぞれの考えや気持ちをおうかがいしながら、
今、みなさんがご夫婦のためにされる選択を納得しておこなえるように
スタッフそれぞれの立場からサポートしていきます。
大切な時を、一緒に過ごしていきましょう。
臨床心理士 間塚