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先日、草津駅で、
おそらく70代かと思われる
今からトレッキングに行かれるであろう
男女5、6人をお見掛けしました。
「ものすごくお元気なみなさんだなあ」
と、感心していると、
その中から
「歳とったら、もうこんなことできんで」
という会話が聞こえてきて、
私は「えっ?!」と驚きました。
私からみたらお年寄りな印象だったので
「すみません…」と心の中で思いました。
周りからどう見えようと
みなさんの中では、まだまだお年寄りではないのでしょう。
引き続き、お元気でいていただきたいです。
先日、知人が、
「なんで人と比べるの?」
「なんで他人と同じように自分もできると思うの?」
と、言っていました。
比べても仕方がないことなんて
本人が一番よくわかっているので、
「なんで比べるの?」
なんて聞き方してもあまり有効じゃないのでは…
と、私はよく思うんですよ。
「知人よ。
正論を言われて
心地よく感じる人って
あまりいないのだ。
心地よくなるのは
正論を言って
良い事を言った気になっているあなただけなのだ。
こういうこと言って感心されるのは
美輪明宏さんや叶姉妹さんといった類の人たちだけなのだ。」
と、こころの中で思っていました。
(これは、臨床心理士として、ではなく、
個人の意見ですよ)
「誰かと比べても仕方がないのはわかっていて
不毛なのもわかっているけど、
自然とそのように思ってしまうような
神経回路になっているんだもん…」
というのが、実際のところなのではないでしょうか。
「頭ではわかっているけど、
こころはどうもそう思っていないみたい…。」
そういうことって
よくあります。
そういうときは
割り切れないこころの声に
もっと耳を傾けたいところです。
自分で自分に耳を傾けることもいいのですが、
相手が相手自身の価値判断を
できるだけ挟まず、
ただ、「うん、そっか。そうなんだね。」
と、話を聞いてくれる関係でお話していくと、
(ちょっと話しただけで
「なんで人と比べるの?」
なんて言わない人との関係で)
自分のこころの声はより明るくなると思います。
すぐに、そういった相談相手が見つからないとき、
私は、からだを動かすことをおすすめします。
草津駅で 出会ったおじさまおばさまたちのように
トレッキングなんて最高だと思います。
ヨガやストレッチや太極拳なんかもいいと思いますし、
誰かと一緒にスポーツを楽しむこともいいと思います。
こころは頭でコントロールしていくものと
思っている方がおられるかもしれませんが、
からだが安心している、安全であると感じている状態、
リラックスしていると感じている状態だと
脳に感知させるということが、
精神の安定にもとても大切な機序になります。
すぐに、こころの声に耳を傾けられないときは、
からだを安心、安全、リラックスという
心地よい状態にしていきましょう。
公認心理師/臨床心理士 間塚
私は時折映画を観るのですが、
この間、「とべない風船」という映画を観ました。
この作品の舞台は、広島県の島。
ヒロイン役の小島凛子を演じるのは三浦透子さん。
凛子は、東京で教師をしていたのですが、
うつになったため教職を辞め、
今は派遣社員として働いています。
派遣の契約が切れたタイミングで
小林薫さんが演じる父親が住むこの島を訪れます。
それから、この島に住む人たちと触れ合ったり、
末期がんだった母親が暮らしたい場所として選んだ島で
両親がどんなふうに過ごしていたのかを知ったり、
父親が体調を崩したりと、
凛子にいろいろな時間が訪れます。
とてもこころに沁みる映画で
印象的なシーンはいくつかあったのですが、
特に胸がキューッとなったシーンがありました。
それは、映画の後半、
凛子が父親に、教師時代のうまくいかなかったことを語ったとき、
父親は凛子の話をあたたかく聞き
こころが弛むようなアドバイスを送ります。
すると、凛子は、
「もっと早く聞けばよかった…」
と、涙するのです。
このシーンが流れたとき
「『もっと早く聞けばよかった…』の感じ、私も知ってる!!」
と思いました。
もう10年以上前のことですが
いつも緊張して接していた人と
やっとちゃんと向き合って話したことがありました。
相手は想定よりも懐が深く
受け止めて話を聞いてくれたとき、
私も凛子と同じように
「もっと早く言えばよかった」
と、口にしたのですが、
あの時の感覚が蘇ってきました。
「言うなら今しかない!」という状況になって初めて
口にすることができることもありますよね。
また、自分の中で、
向き合おう、乗り越えようという力が
溜まっていったときに、
今まで言えなかったことを
言えるようになっていることもあります。
そして、意を決して言っているということが
相手に伝わっているということも
大切なことのように思うのです。
「もっと早く聞けばよかった」
「もっと早く言えばよかった」
というと、後悔が交じってそうな文言に思えますが、
実際は、相手が自分を受け止めてくれたから
発せられる文言なんだと思います。
安心して、あたたかくて、
「それだったら、もっと早く…」
という気持ちが表れていると思うんです。
本当に素敵な文言です。
自分でこころを閉じることもあるし
閉じることで守られる自分もいます。
けれど、その世界は全てではなくて、
こころを開いてみることで
開かれた世界が待っているかもしれないことに
希望があるなあ、と思いました。
開けそうなタイミングが来たら
臆せず開いてみたいですね。
公認心理師・臨床心理士 間塚
新しい一年が始まりました。
みなさん、新年をどのようにお迎えでしょうか。
新年やお誕生日などの節目は
何かを決めて行動に移す機会になりますよね。
「去年に妊娠しなかったら病院行こうって決めていたんです」
「去年いっぱいタイミングで妊娠しなかったら
ステップアップしようと思っていたんです」
と、新しい取り組みに移るきっかけにされたというお話を
何度もおうかがいしております。
今、ブログを読んでおられる方の中にも
何かを決意された方がおられるのではないでしょうか。
何かを決めて行動していくときって、
自分に対しての誇らしさと
これからへのわくわくと
未知のことへの不安が
混在しているような感じがありませんか。
私は、このとき特有のこの感じが
わりと好きなんです。
新しい自分に出会う扉を開ける機会は
いつでも作れるわけではないので
とても貴重なことだなあと思っています。
(変化していくことだけでなく、
継続して何かを続けていくことも
同じく貴重なことだと思っています。)
通院されている中で、
うれしいときや調子がいいときもあれば
悲しいときやなかなか前向きに考えられないときなど、
いろんな状況があるかと思いますが、
そのときそのときの
あなたの考えや気持ちを共にしながら
一緒に進んでいきたいと、
スタッフ一同思っております。
また、カウンセリングルームでは、
妊娠にまつわるお気持ちや
人間関係などのお話はもちろんのこと、
気になっていたり引っかかっていたり
なんだか考えてしまうようなことが
妊娠とは直接関係ないことだったとしても、
それがどういったことなのか
お聞かせいただいています。
自分で思っていることや理解していることと、
自分のこころに沿って
導き出した理解や答えとは、
また違うものです。
カウンセリングを通して
こころに沿ってお話をする中で、
気になっていたり引っかかっていたりすることに
また違った理解や意味を見つけることもできますよ。
自分に対しての自信を失わずに
自分に誇りをもって、
進んでいきませんか。
みなさんにとって
こころやさしい一年になりますように…。
公認心理師・臨床心理士 間塚
クリスマス付近には雪も散らついて
本格的な冬に突入した感じがしています。
当院は、年内は28日午前中まで診療、
来年は4日から通常診療です。
(来年1月から、草津駅西口の駐車場が、
工事のためご利用いただけませんので、
お気をつけください。)
年末年始を挟むため
一周期、通院をお休みになる方も
いらっしゃいますよね。
お休みを取られていた方に
「お休みされていた期間、どうでした?」
と、おうかがいすると、
みなさん、だいたいきまって
「楽でした~。薬のことも気にしなくていいし」
なんておっしゃいます。
通院しなくていいと、
やっぱり楽なんですよね。
それだけ、ずっと頑張っていて
気が張っているということなんだと思います。
だから、ゆっくり休んで、
頑張っているこころとからだを
たっぷり労わってほしいです。
通院のことだけでなく
お仕事でもお忙しかったり
人間関係で緊張しているでしょうから、
年末年始のお休み中くらいは、
ご自分がリラックスできる環境で
安心できる人間関係の中で、
こころとからだを回復していただきたいな、
と思っています。
お休みの間に
誰かとお話する機会があったとき、
何かアドバイスをくれることがあるかもしれません。
私は、他人のアドバイスは、
その人の価値観を相手に照らし合わせる性質を
もっていると思っています。
アドバイスが響かなかったり的外れだったときに、
アドバイスをした人が
ご自分のアドバイスがハマっていないと気づいて、
方向を転換してくれるのであれば、
アドバイスをした人は
相手のことを見ながら話している人だと思います。
けれど、中には、
自分の価値観を相手に取り入れてほしかったり、
自分の価値観を評価してほしかったり、
アドバイス通りに実行してほしいと思っている人も
いらっしゃるんですよね。
それが、本当に相手のためになることもあるかもしれませんが、
相手がそれで調子を崩したり
アドバイスに傷ついていたりしても、
責任をとってくれないような気がしています。
価値観が違う人とも
お互い理解しあって…、というのが
理想のように感じますが、
それにはお互いの労力が必要です。
今は会いたくない人、
価値観が合わない人や
価値観を押し付けてきそうな人とは
会わないという選択も、
堂々としていいと思っています。
(要は、我慢して親族に会ったり
同級生に会ったりしなくていいですよ、というお話です。)
安心の中に身をおいて
頑張った自分を回復させることを優先して、
パワーを溜めたみなさんに
また来年、お会いできるのを楽しみにしております。
よいお年をお迎えください。
追伸:
カウンセリングルームに
絵本作家の山田和明さんのポストカードを飾りました。
今日の写真はその一枚、
この絵のタイトルは「降り注ぐしあわせ」です。
公認心理師/臨床心理士 間塚
当院に通われている方同士で
お手紙でのやり取りができたら…とシェアレターを始めました。
そして、先日、シェアレター通信の1通目を発行しました。
シェアレターを始めて
これが一番最初の手紙ということで、
勇気を出して投函してくださったのではないでしょうか。
(私も、誰か投函してくださるのだろうかと
ドキドキしながらお待ちしておりました。)
大事な思いをみなさんに届けてくださって、
ありがとうございます。
シェアレター通信を読まれて、
「私も同じようなことで悩んでるなあ…」とか
「その気持ちわかる~!」とか
「私たちはこういう考えだなあ」とか
みなさんそれぞれに
差出人の方の状況に思いを馳せたり、
また、ご自身の状況と照らし合わせて、
いろんな感想をお持ちだと想像しています。
是非、みなさんの思いやメッセージを
お手紙にしたためて、
お返事をくださるとうれしいです。
待合室で一緒に座っているみなさんを
「みんな同じ目的でがんばっている仲間」
と、思って励みにされている方が
たくさんおられます。
同じ目的の仲間だからこそ
安心したり背中を押してもらえるような
やりとりができることがあります。
みなさんのお手紙での交流が
おひとりお一人の支えになりますように…。
お返事お待ちしております。
公認心理師/臨床心理士 間塚
精子の数が少ないなど
男性側に妊娠へ影響しそうななにかが見つかった場合、
男性に気を遣う女性はとても多いんです。
そういった状態の方は
男性外来で専門的に診てもらうことを
すすめられると思うのですが、
精液検査の結果を伝えるのに
胸がグッとつっかえた感じがしたりして
男性外来すすめられたとは
とても言えないという方もおられます。
パートナーさんが、
つらそうだったり不機嫌そうに見えたり
「自分のせいだ」なんて言ったりすると、
女性側も胸がしめつけられたり
こころが重くなったりするんですよね。
こころの中では
「わたしだって頑張って病院行ってるし
毎回内診して、注射も打ってるんだから、
そっちも良くなる努力してよ」
なんて気持ちがうごめいているのに、
パートナーさんの様子をみて
その気持ちを押し込めたりする…。
そんな方も多いんじゃないでしょうか。
妊娠は、自分ひとりのことではないので、
とても難しいですよね。
パートナーとしっかり話し合って
「今」お互いが思っているところで
意見をすり合わせして、
合わないところはお互いの妥協点を探して…
そんなふうにすすめておられると思います。
「今」にわざわざ “「」” をつけたのは、
例えば、「体外受精はしない」と思っていた人も
時間が経過することによって
意見が変わってくる可能性があるからです。
なので、周期ごとに
「今」わたしはどう思っていて、
あなたはどう思っているのかを、
話し合って決めていく、
といったプロセスを歩む必要がありそうです。
とはいえ、慣れ親しんだ関係では
お互いの性格がわかったり
普段の関係性から、
「これは言わんとこう」
としていることがあると思うのですが、
「これは言わんとこう」
をすると、きつくなってきたり
進めていけなかったりすることが、
妊活中にはありがちですよね。
なので、話し合いのプロセスは
なかなかハードな側面があると思うんです。
でも、このプロセスをしっかり重ねることが
今後いろいろな支えになってくれるのではないでしょうか。
ところで、ピンチはチャンスではないですが、
何か困ったりうまくいかなかったりという状態で
カウンセリングに来られたとき、
「ああ、この方が変わっていくチャンスでもあるなあ」
と、受け取れることが、よくあります。
人って、これまでの自分のスタンスでは
立ち回るのがむずかしくなってきたときに、
自分自身を変えて乗り越える力があると思うんですよ。
ですから、不妊治療を乗り越えたカップルは、
不妊治療に直面する前のお二人よりも
深くてかけがえのない関係性になられていることがあります。
妊娠までにいろんな難しい局面があるでしょうし
チャンスとかどうでもいいから
すぐに妊娠したいというお気持ちもおありでしょう。
苦労せずに妊娠したいものですが、
もしよかったら
チャンスの側面もあるかもしれないことにも
思いを馳せていただけたら…と思います。
また、そういったことについても
ゆっくりお時間とって
お聞かせてくださいね。
臨床心理士 間塚
“不妊治療を断念した女性が
子のいない人生をどう捉えているのかを、
関西大の香川香教授が調査した”
という記事がありました。
不妊治療、でも「産まなかった」 おろそかにされる心理面のケア
この記事によると、
不妊治療を断念した女性の心理は、
・子のない人生への悲嘆と拒絶
・他者や社会への貢献意欲
・自己の人生への自信
・ありのままの人生の受容
の四つに大別されることがわかったようです。
そして、不妊治療終了に影響した理由が、
経済的・就労のこと
配偶者や親の考えなどの、
自ら納得した結果でなかった場合は、
人生を否定的に考えるケースも多いことがわかったそうです。
私は、みなさんから、
治療を終えるかどうか、
どうしたら終えられるのか、
そういった逡巡について
おうかがいすることがあります。
治療を終えることにまつわる
前向きな面に意識が向けられることもあれば
悲しい面にとらわれるときもあって、
こころが絡まったり、
決めるのがこわかったりしますよね。
“「自分たちの子どもと一緒に生きたい」という願いが叶わなかった”
という点においては、
治療を終えることは
悲しみをまとうものかもしれません。
けれど、この調査によると、
その先の未来は
悲しみ一色というものではなく、
「わたし」のかけがえのない人生を
慈しみながら暮らしておられる方がたくさんおられるのですね。
通院中は、妊娠にまつわることに
エネルギーも時間も心身も
ずっと捧げてきたわけですから、
そのことから解放されることで
楽になる部分は絶対にあると思うんです。
今の自分がやりたいことやキャリアに
思い切りエネルギーをかけることもできます。
そして、治療を通して得た
パートナーとの関係性は
それまでより深く、かけがえのないものになっていて、
これからの大きな支えにもなるでしょう。
この記事によると、
これからの人生も
自信をもって生きていくためには、
治療中から、パートナーやご家族が
大きな支えになっている実感があったことや、
ご自分が納得して
治療の経過をたどれたことなどが
大きく関わってきそうです。
私は、通院中はもちろんですが、
通院の中断や終わりをめぐっての
いろいろな気持ちやこころについて
立ち止まったり振り返ったりする時間を
大切にしたいなあ、と思っています。
カウンセリングは
まず一歩、みなさんから来ていただくという
アクションが必要になります。
カウンセリングにピンと来られた方や、
相談してみたいけど
誰に話していいのかわからないことがある方は、
一度、思ったことや感じたことをお聞かせください。
子どもがいてもいなくても
かけがえのない「わたし」の人生を
堂々と生きていくこれからに向けて、
一旦立ち止まってゆっくり整理してみる時間をつくりませんか。
臨床心理士 間塚
何か大きく妊娠に影響するような
状態や状況がないようでしたら、
体外受精をするまでは
「体外受精をすれば妊娠するやろうなあ…」
と、想定されている方が
ほとんどだと思うんです。
分割してきた受精卵を子宮に還すのですから
着床しそうな気がしますよね。
ところが、数回チャレンジしても
なかなか妊娠しないこともありまして、
「妊娠って本当にキセキなんですねえ」
と、命の誕生のふしぎを実感されることもあります。
子宮に受精卵を還しても着床しない場合
子宮の環境や着床のタイミングの問題などが
妊娠に影響していることもあるのですが、
“ 成長し続けられる受精卵じゃなかった ”
ということがわりと大きな要因だったりします。
(*受精卵の染色体の異常)
そうなったときに
医療の力ですすめていくことに加えて
“卵子、精子の質を高くする”ことにも
意識が向くようになるかもしれません。
卵子、精子の質は、
生活を工夫する中で改善が期待できると言われています。
どういったことが良さそうかというと
キーワードは抗酸化力になってきそうです。
抗酸化力のある食事、サプリメント、運動、睡眠、たくさん笑うこと、
活性酸素の発生を抑える生活が推奨されています。
(詳しい内容を聞きたい!という方は
栄養のお話でカウンセリングの予約をとってくださいね)
ただ、痛み止めを飲んだらすぐに痛みが和らぐように速く、
生活を気をつけたらすぐに卵子や精子の質が上がるものではないので、
卵子や精子の質をあげる生活は
常日頃から心がけたいところです。
妊娠のために
今までよりも気をつけて生活することを想像すると、
ちょっと大変に感じたり、
大げさすぎ、頑張りすぎと感じる人もいると思います。
けれど、こういった生活は、
妊娠のためだけということではなく
人が健康に暮らしていくために
役に立つと考えられているんですね。
「子どもがいる人はみんな
妊娠のために気をつけて生活してたわけじゃないのに…」
というお気持ちもあるかもしれません。
人のからだって、
みんな同じじゃないところがありますよね。
若くして病気になる方が
みんな不摂生だったかというと、
決してそうではないでしょうし、
不摂生していても、大きな病気はない方も
たくさんおられます。
きょうだいがOKだったから
自分もOKかというとそうではありませんし、
その逆もありえることです。
自分だけうまくいかないと感じられることも
悲しいけれどもありますし、
他の誰かを、
「あの人、病気になって大変そうやなあ」
と感じることだってあるものですよね。
他の誰かがどうであるか、ということよりも、
ここまで生きてみてわかった
自分の特性を受け止めて、
それどどう折り合いをつけて
これから暮らしていくか
というところが大切になってくるのではないでしょうか。
自分のからだとこころの特性を知って、
納得いかないところもあるでしょうが
自分自身の様子をうかがいながら受け止めたり、
ウィークポイントは
工夫して守ってあげたり、
そんなふうにしながら、
時折落ち込んだりするかもですが、それも含めて、
自分自身とつきあっていけるといいですよね。
みなさんは、自分自身のご機嫌もとってあげられていますか?
臨床心理士 間塚
みなさんとのお話の中で
「みなさん、どうされてるんですか?」
「私と同じようなことになった人います?」
「周りに同じような状況の人がいなくて…」
と、ご自分だけがこの状況を生きているような感覚になることを
伝えてくださることが多いんです。
それぞれにそういったことをおうかがいするので
「あ、この方がこう言ってたことをあの方に伝えたい」
「ああ、この方とあの方が一緒に話せたらいいのに…」
と、勝手にマッチングを想像している自分がいたりします。
(実際には伝えたり会っていただいたりできないので
ちょっと歯がゆい気持ちになります…)
こんなに身近に仲間がいるなら交流できたらいいなあ…
と、ずっとずっと思っているのですが
なかなかグループでのお話合いの機会を用意できない情勢でして、
それならば、聞きたいことをみなさんに聞いてもらって
それについてみなさんに答えてもらえるような
そういう機会を作ってみようと
“ シェアレター ” を思いつきました。
まず、みなさんに聞いてみたいことを
お手紙に書いてもらって、
院内のレターボックスに投函していただきます。
そして、その内容に対してのお返事を
みなさんから募ります。
みなさんからの質問やお返事は
カウンセリングルーム通信で
シェアしていこうと考えています。
今月のカウンセリングルーム通信には、
まず「聞きたいこと」をお書きいただく便せんがついています。
SNSという素早いターンで
いろんな情報を得られる世の中ですので、
手紙となると時間や労力がかかるように思う方もおられるかもしれません。
けれど、時間や労力を “かける” ことってすごく大切じゃないかな、
と、私は思っています。
手紙をしたためる中で誰かを思い遣る気持ちが大きくなったり
ご自身の思いが変わったり、自分のこころに気づいたりすることがあります。
その時間が、人としての器を深めてくれることもあります。
私は、手紙が好きなんです。
そうやって気持ちを整理することが
私にもあります。
あなたが思っていることは
その他にもたくさんの方が
気にかけていることだったりします。
投函するときドキドキするかもしれませんが
お名前はペンネームで募集しますので、
ぜひご参加ください。
「そうそう!!」「わかるわかる!!」とか
「そういう場合もあるよね。」とか
いいこともそうでないことも
シェアできたらいいなあと思っています。
いろんなご質問やシェアしたい気持ちを
楽しみにしております。
また「こうして欲しい」といった
ご意見やご要望もお寄せくださいね。
みなさんにとっていいものになるように
改善していきたいと思っています。
よろしくおねがいします。
臨床心理士 間塚
妊娠をめぐって、
あなたはどんなふうな軌跡を
たどってらっしゃるでしょうか。
通院しているみなさんも、治療をする側も、
1回1回の治療に
精一杯で臨んでいると思うんです。
ところが、
ベストを尽くしても
結果が出ないこともあります。
中には、何回挑戦しても
なかなか難しい方もおられて、
そういった方が他の病院の治療も経験してみようと
転院されることもあります。
そして、転院先でも、
頑張って治療を続けられ、結果が出ずに、
また戻ってこられることがあります。
どういった治療をされてこられたのか、
結果はどうだったのか、
そういったことは必ず診察のときにおうかがいしていますし
みなさんもしっかり伝えてくださいます。
ところで、
不妊治療をしてきて
どんなことが印象的だったのか、
どんなときに、気持ちがつらくなったりしたのか、
どういう感じで通院していたのか、
パートナーさんとは、どんなふうに支えあえているのか、
気がかりになっているようなことはどんなことか、
というような自分自身の体験について
安心して話せたりシェアできる場所や相手はいますか。
結果が出ることが何よりも大事で
結果さえ出れば苦労は吹き飛ぶように思えますし、
実際そうかもしれません。
けれど、妊娠しても、子どもが生まれても、
治療中のあの想いは自分にしか分からないだろうし
忘れられないという方もおられます。
自分の気持ち、こころ、感じ、想いを飲み込んだり、
無理にポジティブに考えようとしたり、
見ないふりをしようとすることも、
自分自身を守ったり
なんとか治療を続けていくうえで
必要なときもあると思うんです。
でも、一方で、
今の自分自身を
ほんとうのかたちのままで
大切にしていくということも、
できたらいいなあ、と思っています。
あなたのこれまでの、今の、
気持ち、こころ、感じ、想いは
どんな感じでしょうか。
そういったことを大切にする時間を
治療と併せて過ごしてみませんか。
臨床心理士 間塚