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こころがオープンであることと信頼関係。

 

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前回、私の外反母趾のことを書きました。

小さいころから骨が出ていて

うずいたりもするので、

母趾をかばうような歩き方をしています。

だから、体重のかけ方とか、足の使い方とかが

偏っているんだろうなあ…

と、気になっていたんです。

 

そこで、私はダンサー経験と大学院での研究をもとに

足のトレーニングを開発された方のレッスンを

受けにいくことにしました。

 

集団でのレッスンだったのですが、

先生が一人ひとり回って教えてくれる時間がありました。

そのとき、先生に、外反母趾のことを気にしていると言うと、

「外反母趾は、もともと裏にある骨が横に来ちゃったんだから

 『こっちだよ~』って、正しい位置に戻してあげたらいいのよ」

と言いながら、私の母趾を足裏の方に押しました。

 

母趾を押したら痛いと思っていたので

「え?待って、先生!痛い!」

と言ったのですが、

「最初は痛いかもしれないけど、

 『こっち!』『こっち!』って、教えてあげて~」

と、しばらく母趾を正しい位置に押し続けました。

すると、意外にも、痛かったのは最初だけでした。

そして、先生は足を両手で包んで、

かすかな振動が伝わる程度に動かしつつ

やさしく触れてくれました。

 

そうすると、私の足の感覚が変わりました。

足の骨の存在が、ありありと感じられるようになりました。

私は、自分の足を少し愛おしく思いました。

 

足を愛おしく思うなんて

記憶の中では初めてのことでした。

 

私は、“生まれたときから外反母趾になると決まっていた足”

だと思っていたのですが、

先生は「生まれつき外反母趾なんてことはないよ」と仰いました。

「骨は成長していくのだから、

 生きていく過程で変わっていくんだよ」

と、仰いました。

 

私は、生まれつきだと思っていたので、

先生のその指摘に少し動揺はしましたが、

わりとすぐ「そうか」と受け止めることができました。

 

先生としては、

成長過程によって骨の流れも変わるということ、

そして、トレーニングで外反母趾が治ることはなくても

足の使い方や足の感覚はトレーニングで鍛えられるので

身体能力も高めていくことができるということを、

伝えたかったのだろうと推測できたからです。

 

もし、私のこころが閉じたままの状態だったり、

相手に信頼感が芽生えていないまま、

「生まれつきっていうけど、生まれつき外反母趾の人なんていませんよ」

と言われたら、私はこころのシャッターを下ろしたかもしれません。

「え?小さい頃から骨は出ていたんですよ?

 そのことを知らないからそんなこと言うんじゃない?」

って、思っていたと思うんです。

けれど、その先生とは、

それまでのやりとりで信頼できる気持ちが芽生えていたので、

そう言われても「そうか」と受け止められたんですよね。

 

相手が言っている内容は同じであっても、

信頼できる感じがあるのかどうか

こちらに受け止めるゆとりがあるかどうかで、

受け止められることもあれば

拒否してしまうこともありますよね。

 

みなさんにも、そういった経験はありませんか。

 

当院でみなさんとスタッフが紡ぎだす関係は、

みなさんのこころもオープンでいられて

みなさんとの間に信頼感が生まれる関係に

なっているといいなあと願っています。

 

そういった関係になれるように、

スタッフ一人ひとりが意識していきます。

よろしくお願いいたします。

 

 

 

公認心理師・臨床心理士  間塚

 

 

 

 

 

 

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