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「万引き家族」を観て。

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映画“万引き家族”が、カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞しましたね。

これからご覧になられる方々もたくさんおられると思います。

 

祖母、夫、妻、妻の妹、息子、娘の6人の、

誰も血が繋がっていない家族のお話です。

養子縁組でお子さんを授かられるご夫妻もおられますから

父母と子どもに血の繋がりがない家族はたくさんあるとは思うのですが、

おばあちゃんも妹も含めて、誰の間にも血の繋がりのない人たちが家族って、

ちょっと奇妙な感じを受けますよね。

 

“万引き家族”というタイトルの通り、

父と息子、ときどき娘は、万引きをします。

万引きで盗ってきたものは、一家の生活を支えています。

そして、この息子と娘は、夫と妻が“拾った”子です。

劇中では“拾った”と表現されてますが、“拾った”というか、

子どもの親が虐待をしていたので、誰に許可をとるわけでもなく、家に連れてきたんです。

そして、それから、一緒に暮らしているんです。

万引きさせながら。

あたたかいご飯を食べさせながら。

 

子どもに万引きさせることも虐待です。

法に触れていても罪悪感を感じていない大人たちには、

「それは、あかんのじゃない?」と思いますし、怒りもわきます。

一方で、子どもたちにとって、

この一家での暮らしの中に、血の繋がった家族ではおそらくもらえなかった、

温もりや安心できるひとときがあったのだろうなあと、感じました。

子どもたちだけでなくても、

この一家で暮らす血の繋がりのない個人、それぞれが、

“家族”を感じていたように描かれています。

 

養子縁組でお父さん、お母さんになられた方や、

また、当院では行っていませんが、

精子提供や卵子提供でお子さんを授かる方もおられます。

血が繋がっていてもいなくても、

そこに“家族”を感じられるかどうか、なのだな、と、

じんわり思った映画でした。

 

臨床心理士  間塚

 

 

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