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休んでいいんですよね、きっと。

 

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この写真は

知人が撮影した

ドイツの農村風景です。

 

ドイツでは、

風邪の症状があって病院に行っても、

大したことではない場合は

受診しなくても手に入るような薬しか出されずに、

「とりあえず休んで自分で治すように」

って言われるんですって。

 

だから、ハーブティや薬草酒を飲んだり

その体調をよくする食べ物を食べたり

薬局に相談しに行ったりして、

外出せずに療養するそうです。

 

それでも治らないようだったら

受診して西洋の薬を処方してもらうんですって。

「できるだけ自分で免疫力を上げて治しましょう」

という考え方のようで、

「薬を飲んで早く治さなきゃ!」という意識はなさそうです。

 

「早く治そうとしないんだったら、仕事はどうなっているのかな?」

と思ったのですが、

「風邪気味かなあ」というときや

「体調崩しかけているなあ」というとき、

ドイツでは、最初の3日間は医師の診断書なしで

病気休暇をとれるようです。

 

4日目以降は医師の診断書がいりますが、

体調不良の内容や病名については

プライバシーの保護から

会社側に伝えられることはありません。

上司の人が「どうして休むの?」

と聞いてしまうと、パワハラになります。

 

いいですよね。

日本みたいにいちいち

“ 生理休暇 ”とか“ 不妊治療休暇 ”とか

名前をつけてしまうと、

なかなか申請しずらいところがありますけども、

(申請しずらいのは、日本人の心性かもですが…)

理由が生理であっても

不妊治療であっても

精神的なことによるものであっても

一括して “病気休暇” なんです。

しかも、この病気休暇、有給休暇にカウントされないんですよ!!

そして、なんと!病気休暇は年間最長6週間とれて、給料全額保証なんです!!

 

この制度を知って

本当にいいなあ、と思いました。

日本も有休消化の義務化とかっていう

ちょっとしたところを推進するんじゃなくて、

抜本的に制度化してほしいですよねえ。

 

風邪気味やちょっとした不調で

仕事を休む選択をとれる人って

日本ではまだ多くないように思うのですが、

みなさんはいかがでしょうか?

 

体調にも影響する

精神的な不調や自律神経系の不調は、

一時的な風邪の症状とは違って

少し長くなることがありますし、

実はたくさんの人がそういった症状とつきあいながら

社会生活を送っていると思うんです。

 

ちょっと動悸が起こっただけでは

ちょっと下痢が続いただけでは

ちょっとめまいがしただけでは

自分のために休むことはできなくて、

いよいよ社会生活に差し支えが出たり

もう家から出られる状態じゃなくなって、

やっと休職になる場合が多いと思うんです。

 

もちろん経済的なこととか

経営上のこととか

謎の根性論とか

いろいろ都合があって

この休みにくい風潮ができたのでしょうが、

雇用されている私たち側にも

「ちょっとしたことで休んじゃいけない」

「少し辛くても頑張らなきゃいけない」

という精神論が備わってしまっているように思えるんですよね。

 

けれど、本当にそうなのですかね?

早い段階で、治してあげられた方が、

結果的に本人にも会社にも

いいと思うんですけど、

どうでしょうか?

 

なんで「ちょっとしたことで休んじゃいけない」

なんで「少し辛くても頑張らないといけない」

と思っているのかっていうと、

誰かが不機嫌になったり怒ったりするからだったり

体調が良くないのは自分のせいだと思っていたり

和を乱したらダメだと思っているじゃないかなと思うのですが、

そんなふうに思ったりしませんか?

 

社会がもっと個人を労っていく世の中に

なっていってほしいと願いますが、

自分で自分をつらい状態にもっていってしまわないように、

「この『こうじゃないといけない』という信念はどこから来たのかな?」

と、自分の中で思い込んでいることを

見つめ直していくことも必要なのではないかなあ

と、思っています。

 

 

 

公認心理師・臨床心理士  間塚

 

 

 

 

 

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