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スタッフブログ

「前よりストレスは少ないはずなんだけど…」

今週の日曜日、なんとなく観ていた高校野球でしたが、

その試合内容が心を奪う展開の連続で、気づけば釘付けになっていました。

瞬間、瞬間にかけられたいろんな人のいろんな想いと努力と願いが、

とてもとてもあつくて、胸がいっぱいになりますね。

 

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ストレスって、

何か嫌なことや悲しいこと、辛いことなど “ネガティブなこと” に対して感じるものと

思っていませんか?

 

「環境が変わって、ストレスは前よりなくなっているんですが…」と仰いながらも、

次のような “気になること” がある方がちらほらおられます。

動悸がしたりイライラしやすかったり

急に悲しくなったり

それまではなんともなかった体温がガタガタしたり

しっかり眠れなかったり

頭が重かったり、胃がすっきりしなかったり

肩がこったり、なんとなくだるかったり、

といったようなことです。

 

こういったことは、何らかの病気の症状の場合もあるので、

専門外来で、病気かどうか診てもらうことも大切な一手です。

 

それで、ストレスのことですが、

ストレスは、“ネガティブなこと” だけではなく、

実は、一見、自分にとって“良いこと”であっても、付き物なのです。

例えば、結婚、妊娠、出産や、

転職や職場内の配置換え、退職、引越しなども、そうです。

 

なぜかと言うと、良いことであっても、“変化” が求められるからなんです。

何か出来事があると、

その出来事の前と後では、違った生活をしていくことになります。

すると“今までと違う”ため、どこかで力が入ったり、力の入れ具合がわからなかったりしがちなのです。

例えば、今まで少し波がある海を平泳ぎしていた人は、

波が穏やかになったら、平泳ぎは同じでも、この波に合った力の入れ方など工夫をすると思います。

もしかしたら、速く進みたくてクロールに変える人もいるかもしれませんよね。

このように新しい環境に対応することで、負荷がかかってくることがあります。

 

ですから、先にあげた “気になること” は、

環境が変わったことから起こっていることかもしれません。

新しい環境に頑張って慣れようとしている自分がいたり、

今までと違う暮らし方になんとなく満足感がなかったり、

「今の状況の方が良いのは間違いないから、文句は言えない」と思っていたりしませんか?

早く慣れようと思いすぎないで、

まずは、自分が心地よく過ごせているかどうか、確認してみましょう。

「前と大変さは違うけど、今は今で大変なこともあるなあ」とか、

「今は楽だけど、その分毎日にメリハリがないなあ」とか、

「これから順調に暮らしていけるか、漠然と不安な想いはあるかも…」とか、

自分の中で改めて気づくことがあるかもしれませんね。

 

臨床心理士 間塚

 

 


生活のバランスと治療と

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毎年、夏になると、

教員の仕事をされている方の来院が増えます。

毎日お忙しくされていて、夏休みになってやっと来れるみたいですね。

逆に、夏が繁忙期の方や

幼稚園や小学校に通うお子さんがおられる方はおやすみされることもあります。

 

生活は、仕事や家事、家族のこと、地域のこと、

いろんなことで成り立っています。

仕事で毎日忙しくてゆとりがないと、

「通院しないとな…」とは気になりながらも、なかなか一歩が踏み出せないこともあるでしょう。

また、「お子さんや今の生活状況に負担をかけて通院するのは控えたい」との考えもあるでしょう。

 

時折、「こんな感じで病院にきてすいません」と仰る方がおられます。

「仕事があって、来ないといけない日に来れないんです」とか、

「母親が病気していて、介護を優先させながら来れるときに来たいんです」とか、

不妊治療よりも優先させたいことがあるけどできる範囲で治療もしたい方は、

少し申し訳なさそうに、そう仰います。

中には「先生に失礼かもしれないのですが…」と、気にされる方もおられます。

 

不妊治療も生活の一部ですから、

今、どれだけ治療に取り組んでおきたいのか、とか、

生活の他のこととのバランス具合とかは、

みなさんお一人ひとり違うかと思うのです。

不妊治療の病院に来るからといって、

何よりも治療を優先しなきゃいけないと決まってるわけではありません。

来れる範囲で通院される場合は、しっかり診てもらうより確実性には欠けるのですが、

その範囲での通院もしていただけます。

 

今の生活状況で、どんなふうに不妊治療とつきあっていくのか、

妊娠したい気持ちと折り合いをつけていくのか、

みなさんそれぞれの向き合い方があると思います。

通院に万全な状況を準備するのは難しいこともあるでしょう。

「優先しなきゃいけないこと」と「優先したいこと」をもう一度整理して、

(「優先しなきゃいけないこと」は、実は自分で強くそう思い過ぎていて、

 頼んだり、伝えたりすると、融通がきくことが意外と多かったりします。)

生活の他のことと大切にしたいこととのバランスをとりながら

自分のペースで通院してみてくださいね。

 

 

 


親族の集まりについて。

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さて、やってきましたね、帰省の時期。

親族に妊婦さんや赤ちゃんがおられる場合は特に、

帰省は憂鬱に感じられますよね。

 

私は、毎回、“『無理して行かない』ことも大切なこと” とお伝えしています。

明らかに嫌な想いをすると分かっているのだったら、行かなくてもいいと思いませんか?

行かない選択をしようとすると、

「お義母さんはみんなが集まるのを楽しみにしているから」

「こういう状況でも、気にせず明るくいれたらいいのに」

と、心苦しく感じることもあるかもしれません。

そんなふうに実は気を遣ったり頑張ったりしているあなたを、

どなたかが気遣ってくださるようでしたら、少し安心できるかもしれませんが、

集まる人数が増えると、気遣いは行き届きにくくなりますものね。

何よりも、まずは、あなたがあなたの心を守ってあげませんか。

 

そうとは言っても、「行かない」選択がしづらくて、

仕方なく、親族の会合に行く方もおられることでしょう。

その日が来るのが嫌で、想像すると “ブルー” な気持ちになると思います。

そういうときは、せめて、

「私は本当は行きたくないけど、めっちゃ我慢して頑張って会合に行く」ということを

どなたかに分かっておいてもらえないでしょうか?

そして、会合が終わったら、どんなことがあったりどんな気持ちになったかを、

その方に伝える予定をしておいてほしいなと思います。

そうすることで、会合に行く前も会合中も、

「このことを伝えよう」と思いながらいられますので、

一人で全てを受けとめなくてもよくなって、あなたを支えてくれると思いますよ。

「誰に言ったらいいかな…」という方は、私に伝えにいらしてくださいね。

 

みなさんそれぞれのスタイルで、自分の心を労わりながら乗り越えられますように。

 

 

臨床心理士  間塚

 

 

 


「旦那さんには分からない」こと。

 

先週から、猛暑が続いています。

みなさん、体調はいかがでしょうか。

熱中症にはお気をつけて、無理をなさらずにお過ごしくださいね。


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妊娠を望む日々の中で、「旦那さんは、私の気持ちを分かってくれない」という声を

今までたくさんたくさん聴いてきました。

 

単純に、旦那さんが生理周期や妊娠のしくみをあまり知らないことが原因なこともあります。

そういった場合は、知識を補うことで、“分かってくれるようになる”ことがあるかと思います。

 

では、知識がないから分かってもらえないわけではない場合、

どうやったら「旦那さんに分かってもらえた」と思えるのでしょう。

例えば、“夫婦間で治療方針に温度差があったけど旦那さんが歩み寄ってくれたとき” でしょうか。

―「まだ妊娠考えて1年経ってないし、1年はタイミングでいいやん」と言っていた旦那さんに、

「毎回生理くるとすごい落ち込むし、これがいつまで続くのか分からんのはもうしんどい」と話したら、

「わかった。じゃあ3ヶ月はタイミングで様子みて、そのときにまた考えよう」って言ってくれた。―

というやりとりがあったら、「分かってもらえた!」と思えるかもしれませんね。

 

“分かってもらえるための工夫” をして、“分かってもらえた実感” があったら、

旦那さんとの間で感じておられる “こころの距離” が、これまでよりも近くに感じられるかと思います。

 

ところで、みなさんからお話を聴いていると、

「旦那さんには私の気持ちは、分からないと思う」と感じられる方も多いです。

妊娠を望んで暮らされている中で、

体温が気になって眠りが浅かったり、生理前の身体の感覚でいろいろ想像したり、

何度も採血や投薬を繰り返したり、通院のために仕事を切り上げたり、

妊娠しにくい原因が分からなくても

「夫の精子は悪くないし私の卵の質かな。」「子宮の環境がよくないのかな。」と考えたり、

流産の身体への負担やその後の気持ちの変化など、

“女性だから” 背負わざるをえないことや、身体で体験したりする部分があるものですよね。

そういった部分では「旦那さんにはわからない」と感じるものかなと思います。

「2人のことだけど、どこか自分だけが味わっているような気持ちになる」ことはあるみたいですね。

 

「旦那さんには分からない」ことがあっても、

旦那さんが気遣ってくれたり、

いろんな想いを聴いてくださっていると実感できると

「分からないのは当然」と、“そういうもの”として受けとめられるかもしれません。

きっと、「自分だけ…」と思ってしまうと、気持ちもきつくなってくるのでしょうね。

 

一方で、旦那さんには旦那さんで、

「奥さんには分からない」と思っておられる男性ならではの気持ちが

きっとあるのではないかなあ、と思っているのです。

お互いがそういった気持ちをもちながらも、支えあっていけるといいですね。

 

臨床心理士 間塚

 

 

 


それぞれの卒業

 

地震に続き、大雨による被害がありました。

報道を見るたびに、被害は大きくなっていっていて、

時間を追うごとに把握されていく被害に、いたたまれない気持ちになります。

みなさんをはじめ、ご親族やお知り合いの方々、ご無事でしたでしょうか。

被害にあわれたみなさまには、謹んでお見舞い申し上げます。

 

三休の蓮

 

当院では、妊娠されて妊婦検診先へ卒業される方が毎月20名ほどおられます。

こういったかたちでの卒業を望んで通院される方がほとんどかと思うのですが、

“不妊治療の卒業”=“妊娠”というわけではなくて、

“不妊治療を終えること”も“不妊治療の卒業”です。

 

治療を終えるときに、先生やスタッフに終わりを伝えて卒業される方もおられれば、

終わりと決めていても、終わることを誰にも言わずにやめていかれる方や、

「終わりにする」と決め切れなくて、誰にも言わないまま通院からは足が遠のく方など、

終わり方も人それぞれ、です。

 

以前、不妊治療を受けておられた方が、講演会で、

「私は、まだ不妊治療をやめたとは言ってないんです。

 長い間、休んでいるんです。

 はじめようと思ったら、いつでもはじめられるんです。」

と、おっしゃってました。

この方は、“治療をやめた”ことにすると、妊娠の望みがなくなるように思えるから、

長い間“治療を休んでいる”気持ちでいると説明されていました。

 

「妊娠は何歳まで」

「治療費がいくらまで」

「体外受精は何回まで」

「次、移植ができたら、結果が出なくても最後にする」

ご自分たちの中で、“なんとなく”想定していた線引きが近づくと

“治療を終える”ことが頭をよぎると思います。

ご夫婦で、どれだけ妊娠に取り組むのかを、改めて話し合いながら、

“終えた方がいいと思う理由”と、“やめたくない理由”を並べては、

どうしようかと迷われることでしょう。

 

「いつまで治療をするか、決められないんです」

「次周期で一応最後にしようかなとは思ってるんだけど…」と揺れ動きながら来られるとき。

「結果が出なければ、今日は最後の日かもしれない」

「これで私たちの治療は終わりです」と決めて来られる日。

そのとき、その日、ここに至るまでのみなさんそれぞれの物語があると思います。

 

治療を終えるという選択は、とても大きな選択だと思います。

頑張ったけど授からなかった悲しさもあるでしょう。

治療をやめられるホッとした気持ちも少しあるかもしれません。

いろんな気持ちがおありかと思います。

 

どうか、“今の自分たちにやれるだけのことはやったということ”は、十分に自負なさってますように。

治療を終える卒業も、

あなたが、妊娠と向き合って頑張ってこられた証に、間違いないのですから。

 

臨床心理士 間塚

 

 

 


カウンセリングの扉

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「カウンセリングを受けてみたらどう?」と誰かにすすめれたり、

「行ってみようかな」という気分になっていたとしても、

「でも…何話したらいいのか分からない…」と考えてしまうと

なかなか行けなかったりするんじゃないかな、と思います。

 

カウンセリングに来られるときに

“何を話したらいいのか”、を、考えてきていただかなくても大丈夫なのです。

「なんとなく、すっきりしなくて…」とか、

「何かについて話したいってわけではないんですけど、誰かに話してみたくて」とか、

「とりあえず来てみました」とか、

そういった感じだからこそ、カウンセリングを受ける意味があるように思います。

なので、迷うようでしたら来ていただけたら…と、思っています。

 

カウンセリングは自分の心に、違う方向から光をあてる機会になります。

自分で自分のことを振り返ったり、いろんな気持ちを見つめたりすることがあると思いますが、

自分の中で考えていると、自分の傾向が反映された考えになります。

一度、自分のことを話せる場所で話してみることで、

いつもと違った心の受けとめ方が生まれることがあります。

リフレッシュになりますし、前に進む機会にもなるかと思っています。

また、カウンセリングの中で、

「あ!胸につっかえていたことが、今、言葉に出せて、スッキリしました」

と、おっしゃる瞬間があります。

なんとなく“もやもや”したり“スッキリしない”状態だったりすることが、

お話する中で、どういった心の働きからだったのか気づくことができると、

とてもスッキリするものです。

 

どうぞ、今のそのままのあなたに、

来ていただければと思います。

 


地震があって。

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大阪北部を中心に、地震が起こりました。

みなさん、大丈夫でしたか?

通勤中だった方や通院しようと思ってらっしゃった方、

大変な想いをされたことと思います。

また、ご家族やお知り合いは、被害にあわれておられませんか。

まだ、この地震がおさまったのかどうか分からないですし、

みなさん不安な想いを抱えておられることと思います。

 

ニュースやSNSの情報は、

受信する側の受けとめ方次第で

役に立つものにもなれば

不安を煽るものにもなるなあ、と

今回改めて思いました。

何かあった場合の備えはしておきながらも、

できるだけ冷静に判断していきたいですね。

 

今、私たちの心身は、今の状態を乗り越えようと

必死で頑張ってくれている状態です。

なので、こういった時期は、

いつもより血圧が高かったり、

呼吸や心拍数が速かったり、

柔軟に考えられなかったり、

集中力や判断力が低下したり、

イライラしたり、

口数が減ったり、

眠りにくかったり、

悲しかったり、茫然としたり、

恐怖感が強かったり、

「いつもの自分と違うよ」という状態になっていることがあります。

 

これは、“何かあったとき”に心身が頑張ってくれている証で、

この状態はそう長く続くものではないと言われています。

そういう状態になるのも、自然なこと、なのですね。

 

もし、「少し心身を休ませてあげたい」と思う場合は、

例えば、夜、いつものように眠れないなという方は、

夜でなくてもいいので休めそうなときに休むようにしてみたり。

落ち着かないなという方は、

できるだけ誰かと一緒に過ごしてみたり。

イライラしたり集中できない場合は、

いつもよりゆっくり丁寧に作業をしてみたり。

こういった状況ですから、

自分も“試運転”みたいに思って、過ごしてみませんか。

 

何よりも、これ以上の被害が出ないことを祈っています。

 

臨床心理士 間塚

 

 


「万引き家族」を観て。

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映画“万引き家族”が、カンヌ国際映画祭でパルムドール賞を受賞しましたね。

これからご覧になられる方々もたくさんおられると思います。

 

祖母、夫、妻、妻の妹、息子、娘の6人の、

誰も血が繋がっていない家族のお話です。

養子縁組でお子さんを授かられるご夫妻もおられますから

父母と子どもに血の繋がりがない家族はたくさんあるとは思うのですが、

おばあちゃんも妹も含めて、誰の間にも血の繋がりのない人たちが家族って、

ちょっと奇妙な感じを受けますよね。

 

“万引き家族”というタイトルの通り、

父と息子、ときどき娘は、万引きをします。

万引きで盗ってきたものは、一家の生活を支えています。

そして、この息子と娘は、夫と妻が“拾った”子です。

劇中では“拾った”と表現されてますが、“拾った”というか、

子どもの親が虐待をしていたので、誰に許可をとるわけでもなく、家に連れてきたんです。

そして、それから、一緒に暮らしているんです。

万引きさせながら。

あたたかいご飯を食べさせながら。

 

子どもに万引きさせることも虐待です。

法に触れていても罪悪感を感じていない大人たちには、

「それは、あかんのじゃない?」と思いますし、怒りもわきます。

一方で、子どもたちにとって、

この一家での暮らしの中に、血の繋がった家族ではおそらくもらえなかった、

温もりや安心できるひとときがあったのだろうなあと、感じました。

子どもたちだけでなくても、

この一家で暮らす血の繋がりのない個人、それぞれが、

“家族”を感じていたように描かれています。

 

養子縁組でお父さん、お母さんになられた方や、

また、当院では行っていませんが、

精子提供や卵子提供でお子さんを授かる方もおられます。

血が繋がっていてもいなくても、

そこに“家族”を感じられるかどうか、なのだな、と、

じんわり思った映画でした。

 

臨床心理士  間塚

 

 


体外受精を経験してみると…。

 

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体外受精をするまでは、

「まだ体外受精が残ってるから。体外受精したら妊娠できるから大丈夫!」

と、思うものかもしれません。

 

実際に体外受精にすすんでみると

卵胞が順調に育っていくかどうか、

ホルモンの数値が適当な値を示すかどうか、

期待した数の卵子が採れるか、

どのくらいの割合で受精して分割していくのか、

どれくらいの質の卵子を移植できるか、

凍結保存できる受精卵はあるか、など、

いろんなゲートがあって毎日ドキドキだったと仰います。

想定内ですすむ場合もあれば、

「こんなことがあるんだ…」と驚かれることもあります。

 

特に初めての採卵周期は、先々の想定がしにくいこともあって、

いつもよりどこか気を張って通院しておられることと思います。

1回目の採卵で妊娠に至らないと、次の採卵を考えられることが多いですが、

1回目の採卵で、心身ともに頑張って力を使った方がすぐにもう一度採卵していくのには、

パワーがいるように感じています。

とはいえ、何もせずに過ごすことにも焦る気持ちがあると、どうしていこうか迷うと思います。

そういったときは、少し整える意味でも、タイミングや人工授精をはさんで、

心身の緊張を少し緩めて栄養を蓄える周期をつくってみるのもいいかもしれませんね。

 

また、こういった時期、奥さんがつらそうにしていると、

「そんなにしてまで子ども作らなくてもいいよ。無理して治療しなくていいよ。」

と声をかけてくださるやさしい旦那さんがおられます。

ところが、そういった声をかけてもらうと、

「自分一人が子どもが欲しくて、自分だけ頑張っているんだ」と思ってしまって、

余計に悲しい気持ちになる方もおられます。

奥さんは治療をやめることはまだ考えられない中、

旦那さんはそちらの可能性も引き受けておられるように感じて、

「自分だけ…」と思えてしまうのでしょう。

この場合、旦那さんが“奥さんよりも子どもは欲しくない”ということではなくって、

旦那さんだって、子どもがほしい気持ちはあって、

けれど、それ以上に奥さんがいつも通りに暮らしてくれることの方が大事だから、

つらそうな奥さんをみて、なんとかその状態から救ってあげたくて、

そのように言ってくれるのじゃないかな、と思います。

旦那さん側からすれば、

「奥さんが大変そうだけど、自分はどうやったって代われないし…」

と、もどかしい気持ちでしょうし、

時には、「奥さんばっかり大変な想いさせてわるいなあ」

と、心苦しく感じておられることもあるんじゃないかな、と思っています。

 

臨床心理士 間塚

 

 

 


体外受精で生まれて。

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世界で初めての体外受精で生まれた英国人女性のルイーズ・ブラウンさんが、

今月20日に六本木ヒルズで講演されたという記事を見ました。

ルイーズ・ブラウンさんは現在39歳。

彼女のお母さんは、卵管に原因があったため、体外受精を希望されました。

そして、彼女は自然妊娠でお子さんを授かったそうです。

 

体外受精の歴史も40年になろうとしています。

今、日本では、19人に1人の赤ちゃんが体外受精をして生まれています。

“体外受精で授かった”ことと“自然妊娠で授かった”ことに

特に何の違いもないと認識される世の中になりました。

実際に、体外受精でお子さんを授かられた患者さんからも、

「体外受精だからって何か不利益があったことはないですよ」

「体外受精して、この子に出会えてよかった」

というような声をおうかがいしています。

 

また、この記事はネットニュースで読んだのですが、

たくさんのコメントが投稿されていました。

「全て同じ出産だと思う」

「『着床したら自然妊娠と同じ』と、医師に言われた」

「どんなふうに生まれるかより、どんなふうに生きていくかが大切」

「この子に出会えてよかったし、うれしかった」

「親から体外受精で生まれたと聞いたときは多少びっくりしたけど、抵抗はなかった」

など。

私は、ネットの記事やコメントは、信頼しないこともありますが、

この記事のコメントは、体外受精に関わった方が実際に体験したことや

そこに纏わる想いを書いてらっしゃるコメントが多いように感じました。

 

授かってみられると、

“どんなふうに授かったか”ということは、

ご夫婦が気にしないようであれば、大きな問題ではないように思っています。

 

全て、かけがえのない命です。

同じ命です。

 

 

臨床心理士  間塚

 

 


お薬とのおつきあい。

 

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心身に不調があったとき、

みなさんはどうしますか?

薬をもらいに病院に行きますか?

それとも、自分の力でなんとかしようと努力しますか?

 

この間、「ここ最近は以前と体調が変わってしまった」と

不調を訴えていた方が病院に行かれました。

そして、お薬を処方してもらって、飲んでみたら、

そのお薬が身体に合いましたと、嬉しそうに伝えてくださいました。

「薬が効いてよかったですね」と言うと、

「効いたんじゃないんです。身体が元に戻ったんです。」と、仰いました。

 

身体の状態が、もともとの不調を感じていなかった時と同じようになるのは

本当に嬉しいことだと思います。

そして、そのことを「薬が効いているんだな」と、薬の作用に重点を置くのではなくて、

「身体が元の状態に戻ったんだ!」と、再生した身体を実感されていることが

すごくいいなあ、と思ったのです。

 

薬をできるだけ飲まないようにされている方からは、

「薬を飲むと薬にコントロールされているように感じるから」と、その理由を仰います。

「薬を使って過度に身体に負担をかけるんじゃないか」とか

「症状を無理矢理抑え込めるんじゃないか」とか、

どこかで“不自然なもの”のように感じていて、避ける方もいらっしゃいます。

薬を飲むことを負担に感じられる方もいらっしゃれば、

薬を飲むことで負担から解放される場合もあります。

私は、必要がないのに薬を飲むのはどうかなあ、とは思っています。

一方で、薬に少し支えてもらうことで、本来の自分の力が戻ったと実感されると、

身体の機能回復だけではなく、自信や安心にも繋がるように思っています。

不調が続く自分を実感し続けるよりも、

ちょっと支えてもらうことで自然な状態に戻った方が楽に感じることもあるのかな、と…。

 

 

さて、お薬の中には、妊娠を希望しているときは控えたほうがいいものもあります。

お薬を処方してもらう場合は、医師に妊娠を希望していることをお伝えしてください。

「妊娠を希望しているから、薬は極力飲みたくない」と思う方も、

「飲んでも大丈夫ですよ」と処方してもらった薬を、

「この時期は大丈夫ですよ」という時期なら飲んでも大丈夫なんです。

薬を飲むときは、まずは“安心して飲む”ことが大事だと思います。

 

 

臨床心理士 間塚

 

 


心のデトックスしてますか?

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ゴールデンウィークが終わって、また日常が戻ってきましたね。

みなさんはどのように過ごされましたか?

 

私は、普段なかなか会わない人たちと会うことができました。

いろんな思い出話や今の話をたくさんしました。

前から変わらないところや、必然的に変わっていくところがそれぞれにあって、

でも関係は変わらず続いていていいな、と感じられるとても貴重な機会となりました。

と言うと、すごくキラキラした素敵な時間のように聞こえますよね。

ところが、それらの時間の内実はずっとキラキラしていたわけではなくて、

よくよく思い出してみると、会話の大半が“毒出し”でした。笑

ショックだったことや腹が立つこと、「信じられない!」というエピソード、

そんな話ばっかりです。

みんなにいろんなことがあって、

みんなに「思うところはあるけど言えずにいる」気持ちがあるのだなあ、と思いました。

それで、こういう機会に「わーーーーっ」と言って、また明日から頑張ろうと思ったり、

「今までのやり方を少し変えてみようかな」って前向きに考えたりできるのでしょうね。

 

その「わーーーっ」と話していることについて

周りは「うわ~!大変!」とか「それはこうしたらいいやん!」とか、

それぞれが思ったことを言うので、

その意見に「そうじゃないねん!」「分かってないやん!」と思う時もあります。

そして「そうじゃないねん!」「分かってないやん!」を、結局その場で言えないこともあります。

そうすると、そのときの気持ちは“言えないボックス”に一旦閉まって、

また別の誰かの前で取り出して話したりすることになるのでしょうか。

思ったことを話すことはできても、

思ったように受けとめてもらうことは難しいものです。

 

それにしても、誰かとの会話の内容で“毒出し”をしていることは、

改めて考えてみると、とても多いように思います。

毒出し話をして、「楽しかった!」「めっちゃ笑った!」と満足するわけですから、

ほんとうの気持ちを閉まって我慢していたり、

周りの人の言動に驚いたり苛立ったりして過ごしていることがいかに多いか…。

「みんなすごい頑張って暮らしているんだなあ」と、しみじみ思いました。

みなさんは、最近“毒出し”をしましたか?

 

 

臨床心理士  間塚

 

 

 


不妊治療専門のクリニックって、どういうところでしょう?

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当院は、“不妊治療専門”のクリニックです。

ですので、待合室はほぼ「妊娠したい」気持ちで来られている方ばかりです。

お子さんを連れてこられる方はおられますが、

お腹が大きい妊婦さんを見かけることはほとんどありません。

 

不妊治療は専門病院でなければできないわけではなく、産婦人科でもされています。

“じゃあ、どこに行っても一緒か”というと、そうではなくて、

治療の内容が病院によって違いますし、検査項目も病院によって違います。

当院は、“妊娠に関係していることで調べられることは、早めに調べましょう”という方針で

最初の1~2周期の間に、実施できる検査をしていきます。

 

“不妊治療専門”というと、

「早く妊娠したい!」と積極的に来られる方もおられれば、

「まだタイミングとって3ヶ月だけど行っていいのかな?」

「なんか、自分で自分を“妊娠しにくい人”にしてしまうみたい」と、躊躇される方もおられます。

初診の日は、「やっと来れた!」と、大きな1歩に安心されます。

「行って何かあったらどうしよう」

「通っても妊娠しなかったらどうしよう」と、心配し出すと、

「やっぱり通院はもう少し先にしようかな」と踏み留まりそうなこともあったでしょうが、

勇気を出して病院に来られて、前に進んでいかれます。

 

当院には、妊娠したい想いがある方は、どなたでもいらしていただけます。

“タイミングを6ヶ月以上とった方”とか、

“他院で不妊治療をすすめられた方”といった決まりはありません。

「妊娠したいな」と思ったタイミングで、“一歩”踏み出してください。

「来てよかった」と思っていただけるように、

医師を始め、スタッフ全員が、“あなた”のご希望や想いに寄り添っていきます。

そして、通院を開始するまでに心配したり期待したりしたいろんな気持ちは、

来られたときにお聴かせくださいね。

 

 

臨床心理士  間塚

 

 

 

 

 

 

 

 


原因を探すのと同時に大切なこと。

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妊娠していきたい気持ちと同時に、

周りの人と比べて、どうして私は妊娠しにくいのか知りたいという気持ちもあるかと思います。

「頑張ってタイミングとっているのにどうして妊娠しないのだろう」

「何か妊娠しにくい原因があるんじゃないかなあ」と思って、

まずは原因を知って治して妊娠しようと来院されることもあります。

 

特に、自分でアプリや排卵検査薬を使ってタイミングをとられていた場合、

「排卵検査薬ってほんまに合ってるんかな」とか、

「体温っていつが下がったのかわからないし」とか、

「タイミングが合ってなかっただけかもしれない」と考えることもあります。

 

通院して検査をして、これまで授からなかったことに対しての「どうして」が分かった場合、

「ショックはショックだけど、納得はできた」と、思えることもあります。

でも、妊娠については複雑な部分もあって、

何か要因が見つかったとしても、そのことが原因だったかというとそれだけではないこともありますし、

検査上は特に何も問題がないこともあります。

なぜならば、妊娠しにくい原因は、検査で調べきれるものではなくて、

例えば、タイミングがあっていても受精しているとは限りませんし、

そういった現象が起こっているかは、通常では分からないからです。

この明確な答えがわからないところが妊娠の難しさで、

「これだけチャレンジしているのにどうして授からないのだろう」と多くの方が悩まれるところです。

ですので、妊娠に至りにくかったことに原因があるか調べるのと同時に、

「妊娠するためにどうしていくか」を考えることが大切のように感じています。

 

原因を治してできるだけ自然に授かりたい気持ちは、多くの方の願いです。

これから先のことを考えていく中で、「体外受精を自分がするとは思わなかった」と、

違ったアプローチをしていくことに戸惑うこともあるかと思います。

パートナーのリアクションが「思ったようにしたらいいよ」だったりすると、ありがたい反面、

自分の想いだけで進めているようで負担を感じるかもしれませんね。

そういったいろんな気持ちがぐるぐるして、

時に不安になったり自信がもてなかったりするかもしれませんが、

子どもが欲しいと思う“あなた”が、「今どうしていきたいか」を、

“あなた”のために自信をもって選択していってくださいね。

 

 

臨床心理士 間塚

 

 

 


新しい年度が始まりました

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新しい年度が始まりました。

春になって過ごしやすく、あたたかくて気持ちがいい時期ですし

気持ちも新たに暮らしていきたいですね。

 

初めて来院されるとき、多くの方が、

「なんで妊娠しないんだろう」と思って来られるかと思います。

「原因を治して、妊娠したいんです」と仰います。

妊娠に至りにくい要因があるのかどうか、基本検査をすることで、

例えば、卵管の通過性が確認できなかったり、精液の状態がよくないことが分かったり、

しばらく通院しても妊娠に至らない場合、体外受精をしてみることで

思ったより受精率がよくないことなどが分かるかもしれません。

 

そういったことで、夫婦生活では妊娠に至らなかったことに対して

説明できる何かが分かることがあります。

(補足ですが、必ず妊娠に至りにくい要因が見つかるかというと、そうではありません。

また、“妊娠に至りにくい要因がある” = “それが原因で妊娠しない”と言い切れるかというと、

その限りではありません。)

ただ、私は、このようにも思っています。

「もし説明できる何かが分かったら、“なんで妊娠しないんだろう”という思いはなくなるのだろうか」と。

この“なんで”には、原因を求める意味と、

“どうして私は授からないの?”という意味があって、

“どうして私は授からないの?”ということに対しては誰も説明できないと思うんです。

 

妊娠を待ち望んでいる間、

この“なぜ?” “どうして?” は、ずっとどこかにあるのではないでしょうか。

 

生きていく上で、この上ない喜びもあれば、不条理な出来事もあります。

到底、受け容れられないことが起こることもありますよね。

私は、嬉しいことがあったら一緒に喜んで

悲しいことや怒りを感じることがあったら傍にいて、

妊娠を想いながら過ごされているみなさんの“今”にお付き合いしていきたい、と思っています。

 

 

臨床心理士 間塚

 

 

 


“あなた”のこと、お聴かせください。

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初診時に(初診のときに臨床心理士が対応できない場合は後日になりますが)、

カウンセリングのオリエンテーションをしています。

きっとみなさん、“カウンセリング”に対しての印象がそれぞれにあると思いますので、

当院ではどういった目的でカウンセリングがあるのかをご説明させていただく機会としています。

 

最近、説明をしたり聴き取りをしたりする人を“カウンセラー”と呼んでいる病院もありますが、

私は臨床心理士なので、心にアプローチをしています。

「臨床心理士と初めて会った!」という方は、

「特に悩んでないので、何を話したらいいものなんですか?」

「みんなどういうことを話していかれるんですか?」

と、初めての出会いに少し戸惑われることもあります。

私も、自分が臨床心理士になっていなくてあまりカウンセリングのことを知らなかったら、

初めて会ったときは同じように感じるかもしれないなあ、と想像しています。

 

オリエンテーションのときにカウンセリングに対する印象をおうかがいすると、

“ストレスが溜まっている人が相談に行くところ” “心が病んだら行くところ”

と思ってらっしゃる方が少なくありませんが、いかがでしょうか?

私は(私に限らず、臨床心理士はそうなのかもしれませんが)

ストレスや悩みや困っていることを聴くのではなくて

“あなた”を聴きたいと思っています。

 

妊娠を願う暮らしの中で、いろいろな自分に出会うことと思います。

結婚したら妊娠すると思っていたのに(あるいはもっと早く結婚するつもりだったのに)

思い描いていた人生とは違ってきたことで心が揺れたり、

旦那さんやご家族に対して支えてくれることに感謝したり、

なかなか妊娠しなくて申し訳なく思えたり、

「私はまだ不妊じゃない」と思いたい自分がいたり、

「体外受精にすすんだら妊娠できる」と期待しつつ「もし結果が出なかったら」を考えて不安になったり、

最近卵が凍結できない周期が続いていて、やっと凍結できてすごく嬉しかったり・・・。

いろんなこと思ったり感じたりされていると思います。

そういった“あなた”のいろんなことをお聴きすることを通して、

みなさんに心が少し軽くなったり、ゆるんだり、じんわりホッとするのを感じていただけると、

とても有意味な時間になると思って、私はここにいます。

心も身体も大切にいたわって過ごしていきましょう。

 

臨床心理士 間塚

 

 

 


不妊治療と仕事の両立、心配ですか?

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耳にされた方もいらっしゃると思いますが、厚生労働省が行った実態調査で、

不妊治療のために離職した人が16%だったことが明らかになったと、

先週ニュースになっていました。

治療と仕事の両立をどういったところで難しく感じるかについては、

“通院回数が多い”こと、次いで“精神面で負担が大きいこと”が理由でした。

 

確かに、通院回数が多くなる時期は、仕事と通院で生活にゆとりがなくなることもあるかもしれませんね。

また、定時に帰れないのが日常という職場もまだまだ多いことでしょう。

「今日は早めに切り上げて病院行きたいのに!」と思っていても、

周りの人が残業していると「帰りたい」とは言い出しづらいこともあるでしょうし、

でも妊娠のためには病院に行きたいですし、

そんな状況が何度もあると、時には泣きたくなってしまうこともあるのではないでしょうか。

治療の性質上、また、今の職場環境や支援状況、治療への理解度からは、

仕事にも治療にもどちらにも全く皺寄せがない状態を続けていこうと思うと、

難しく感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 

ところで、私はこのニュースをみたときに、

“不妊治療をしている方は離職率が高くなりますよ”という報せなのかな、と思いました。

けれど、平成28年の雇用動向調査結果(厚生労働省)では、

全体の離職率は15%、女性では17.7%なので、

不妊治療をすると離職率が高くなるということではないようなのです。

みなさんは、どのように受け取られましたか?

 

当院は火曜と木曜は19時30分までの受付ですし、

月曜、水曜、金曜は8時からの早朝診察もありますので、

勤務時間に合わせてうまく利用していただけたら比較的両立しやすいのでは、と思っております。

治療をしているとは言わずに職場の休業制度を利用して両立されている方や、

上司などに事情をお話されて両立しやすいように協力を得られている方など、

治療も仕事もできるように、みなさんそれぞれ工夫をして続けておられますよ。

もし「不妊治療を始めると、仕事やめないといけないかも!」と心配されている方がいらっしゃったら、

離職率のニュースでは“84%は離職していない”という結果になっていますし、

最初から完璧に進めようとしないで、とりあえず両立できる範囲から始めてみられてはいかがでしょうか。

進めていくうちに、仕事との折り合いのつけ方がわかるようになるかもしれません。

 

一方で、仕事をやめて「意外と仕事自体がストレスだったんだなあ」と実感される方もいらっしゃいます。

それから、今までできなかった家事や自分を労わる時間ができて喜ばれたり、

「仕事しないで家にいるほうが性に合うかも!」と気づかれる方もいらっしゃれば、

「やっぱりずっと家にいるとなあ…」と、治療と両立できそうなペースでお仕事を始める方もおられます。

私は、両立していくのも、治療を機に一旦仕事をやめてみるのも、

どちらもメリットはありますし、どちらも正解だと思っています。

今の自分にとって、前向きな選択を重ねていっていただきたいな、と思っています。

 

臨床心理士 間塚

 

 


こころが守ってくれてるんだ。

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先日、ヒーリング体験をしてきました。

ヒーリングは、心身の不調の原因をとりのぞき本来の状態に戻していく手法の一つです。

ヒーリングを紹介したくてブログに書いているわけではないのですが、

そのときの体験や感じたことを伝えたかったので、少しお付き合いくださると嬉しいです。

 

私は、ヒーラーさん(ヒーリングをしてくれる人)に、

「(気持ちが)麻痺してるね」と言われました。

そう言われてドキッとして、なんとなく自分でも思い当たる状態だったので、

「やっぱりそうだったんですね」と答えました。

すると、

「熱いお風呂に入ると、『熱っ!』ってすぐに湯船から出るけど、

ぬるま湯から浸かっていて、少しずつお湯が熱くなっていくと、

いつもだったら熱く感じる温度でも『熱すぎるっ!』とは感じずに、我慢できるでしょ。

それって麻痺しているよね。」

と説明されて、納得しました。

 

ヒーラーさんに言われたことを思い巡らせていると

この“麻痺している”状態にいる方って意外と私だけじゃないのでは?、と思い至りました。

夫婦関係だったり、職場だったり、

家族関係だったり、生活環境だったりで、

“なんとか耐えられる(耐えなきゃいけないと思っている/ここは耐え切りたい)状態”が

長く続いているときは、本当は感じるはずの気持ちを感じないようにしようと

こころが機能していることがあるのではないでしょうか。

そして、妊娠を希望している状態でも時にはそういった機能が働くのではないかな、と思ったのです。

 

私は、ヒーラーさんが感じて「麻痺しているね」と言ってくださったことがしっくりきて、

「ああ、そういう状態だったんだあ!」と、

気になることを見つけてもらってわかってもらったような気分になって、少し安心しました。

そうやってちょっとホッとすると、

これまでの反応や関わり方では麻痺させてしまっていた気持ちについて、

“そういう気持ち、そりゃあるよね”と、ちゃんと思えました。

一方で、麻痺をさせていたのは、きっと何かしらの感情から自分を守るためだと思っていて、

自分が気づかないところでこころは自分を守っていたんだなあ、とありがたくなりました。

こころの機能ってすごいなあ、と、改めて思った時間でした。

 

 

臨床心理士 間塚

 

 

 

 


大変さは比べることができるでしょうか?

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ちょっと無理をしたり、キツく感じることがあったときに、

時折、自分よりも大変そうな思いをしているであろう知人を思い浮かべて、

「あの人の方が私よりもっと大変だろうから、頑張ろう」と思うことはありませんか。

 

そうやって思うことで、自分の大変さを“比較的軽いもの”と捉えなおしたり、

「まだ頑張ろう!」と自分を鼓舞したりと、

一歩先へ足を出すための推進力にしていることってありますよね。

 

ところで、私はよくこんなふうにも思います。

「大変さって比べられるものなのかな?人と比べて軽く思えるからといって大丈夫なものなのかな?」と。

 

ネットなどからたくさん不妊治療の体験談を見聞できますので、

他の人の状況を知っては、

「私はまだ体外受精じゃないから大変じゃない」

「私は卵が採れるから、採れない人より大変じゃない」

「この人よりは主人が協力的だから大変じゃない」

「私は旦那の両親が理解してくれているから、この人より大変じゃない」と、

どちらかと言うと“これで大変だと思ってはいけないんだ”といったふうに

思う場合もあるのではないでしょうか。

 

私は、自分が感じる大変さは、誰かと比べるられるものではないと思っています。

把握できる情報からは、他の人よりも自分は大変には思えなくても、

大変さを感じているのだったら、今は自分にとっては大変なんだと思います。

そう思っている自分に、

「他の人はもっと頑張っている人がいるんだから、まだ頑張れるよ」と言うばかりではなく、

「頑張ってるもん、大変なことやってるもん、私!だから、ちょっと楽もするんだ」

「自分が今どんなふうに感じているか、旦那には分かっておいてもらおう」

って、ちゃんと労わってあげることも大切なのではないかな、と思っています。

 

臨床心理士 間塚

 

 


隣の家族は青く見える

 

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今クール、“隣の家族は青く見える”というドラマが放送されています。

妊娠を希望している深田恭子さん演じる奈々と、松山ケンイチさん演じる大器夫妻を軸に、

コーポラティブハウスで暮らす様々なかたちの家族模様を描いているドラマです。

ご覧になられている方、いらっしゃいますか?

 

妊娠したくて通院もしているのになかなか結果が出ない状況になったときに

どういうことで大変だったり傷ついたりするのか、

カウンセリングルームでもよく聴くエピソードがドラマにもたくさん出てきます。

旦那さんとの温度差があって「男の人には分かってもらえない」と思う一方で

旦那さんが自分ほどは思いつめていないから気持ちが救われるところもあったり、

親族の妊娠を喜べなくてその場が辛かったり、喜べない自分を嫌になってしまったり、

生理が遅れると妊娠の期待が高まって、生理が来てしまったときのショックが大きすぎたり…。

妊娠を望んでいてそういったことを体験することはよくあるのですが、

妊娠を望んでいる状況でない方にも、そういったときどういう気持ちになるのかということを、

“他人事”でなく身近なものとして想像できるドラマなのではないかな、と思っています。

 

今週は第4話です。

予告では通院先の医師から、人工授精をすすめられているシーンがありました。

その提案と自分たちの状況や想いとを、どのように判断していかれるのでしょうか。

 

このコーポラティブハウスで暮らしている他の家族も

あたりまえのことですが、それぞれの家族がそれぞれ“なにか”を抱えています。

“妊娠したいのになかなかできない”というところだけでなく、

どんな人も、他人にはなかなか分からなかったり見えないところで

その家族の“なにか”とつきあいながら暮らしているということを改めて気付かせてくれます。

ドラマの中にも「自分の物差しだけで他人を測るなって言ってんのよ!」という台詞がありましたが、

自分の価値観で判断しないで周りの人の状況を想像したり受け止めていくことで

もっと器の広い世の中になっていけるのではないかなあ、と思っています。

 

 

臨床心理士 間塚

 


相手の気持ちって、分かるものでしょうか?

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時折、「心理士は人の心が分かるんだ!」と思われていることがあって、

お話をしてして「私の心、見透かされていそう!」と言われることもあるのですが、

”心”って、分からないものです。

むしろ、他人の心は分からないもので、自分の心でさえも分かりきれるものではないからこそ、

心の在り方や働きを確認していく役割を臨床心理士が担っています。

 

夫婦で妊娠のことを話そうとして、相手がいい顔しないようだと、

「治療しなかったら子どもを授かる可能性が低くなるのに、どうしてそんな顔するんだろう?

本当に子どもを欲しいわけじゃないんだ!」

と、思うかもしれません。

 

でも、相手が“いい顔しなかった”のは「本当に子どもが欲しいわけじゃないから」とは

限りませんよね。

例えば、その時は疲れていて「また今度にしてほしいな…」と思ったのかもしれませんし、

自分が責められているように感じられたのかもしれませんし、

話の内容のことではなく、言い方が嫌だったのかもしれませんし、

なぜ“いい顔しなかった”のかはわからないなあと思います。

もしかしたら、こちらが期待した反応じゃなかっただけで

相手にとっては、決して“いい顔をしなかった”わけではないのかもしれません。

 

こういったやりとりをどう受けとめていくかは

お互いの性格や相手との関係性で変わっていきますよね。

相手の反応に、悲しかったり、ショックだったり、ちょっと腹が立ったりする自分もいますが、

相手がどうしてそういった反応だったのか、ということには、たくさんの可能性がありますし、

自分の中で答えを決めすぎてしまわれずに、また機会をみて話してみられてはどうでしょうか。

 

夫婦であっても、聴いてみないとわからないことがたくさんあります。

そして、伝えないとわかってもらえないことも、たくさんあるなあと思っています。

 

臨床心理士 間塚

 

 

 


きっと、大丈夫。

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「大丈夫だよ」と言われると、どんな気持ちになるでしょうか。

 

なかなか妊娠に至らなくて、

「私、本当に妊娠できるのかな?」と、旦那さんに不安を口にしたとき、

「大丈夫だよ。そのうちするよ。」

と言ってもらったときの“大丈夫”に、

「そうだよね、大丈夫だよね」とホッとする人もいれば、

「大丈夫かどうかなんて分からないのに大丈夫って言わないで」と思う人もいるでしょう。

 

医師に「大丈夫、きっと妊娠できますよ」と言われた“大丈夫”には、

「先生が言うんだったら、大丈夫」と、気持ちが軽くなるかもしれませんし、

通院先の先生を信頼できていなかった場合などは、

「本当に大丈夫?大丈夫って、適当に言ってない?」と思うかもしれません。

 

“大丈夫”は、相手に安心してもらいたいときにかけたくなる言葉ですが、

かけてもらった方がどう受け取っていくかは、

自分の状況や相手との関係性で変わってくるものですよね。

 

また、「誰かに大丈夫って言ってほしい」という時もあります。

自分で決めないといけなくて迷うときやどうしていいのかわからないとき

「誰かに『これを選んだら大丈夫』って言ってもらったら安心なのに…」と思ったりします。

「あなただったら大丈夫だよ」と言ってほしくなります。

これから先がどうなっていくのか、分かっていれば楽なのですが、

「こうしたら絶対望んだとおりになりますよ」と、

誰かに保証してもらうことができないこと、誰にも分からないことがたくさんあります。

だからこそ、“自分が後悔しない選択をする”、“納得していけるように話し合う”ということが

とても大切で、時に、パワーや勇気が必要になってくることもあります。

これから先、望んだとおりにならなくて「今、私、大丈夫じゃない」という時がきても、

きっとまた自分で自分を“大丈夫”にしていける力を、みなさんそれぞれ備えていますよ。

迷ったりするときは、何に迷っているのかお聴かせください。

そして、今の自分たちにとって、「今はこれだ!」という選択をしていきましょう。

 

臨床心理士 間塚

 

 

 

 


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あけましておめでとうございます。

 

お正月やすみは、ゆっくりされましたか?

普段は時間に追われてなかなか夫婦でゆっくりと過ごせないという方も、

こういった機会にいつもと違った過ごし方ができたのではないでしょうか。

 

一方、年賀状や帰省で気持ちが疲れた方もいらっしゃるかもしれません。

知りたくないことを不意に知らされたり、言われたくないことを言われたりすると、

胸がドキッとしたり、お腹からヒヤッとしたりしますよね。

身体が「今、びっくりしたよ。心が縮んだ感じがしたよ。」とサインを出しているんですよね。

そういったことがあると、イライラしたり焦る気持ちが大きくなりがちですが、

お2人にはお2人のペースがありますものね。

 

周りの期待に応えたい気持ち、

子どもを授かっている友人や子どもを羨ましく思う気持ち、

なかなか想いが叶わなくてもどかしい気持ち、

いろんな気持ちが出てきますが、そういった気持ちはなかなか言えないでしょうし、

何も言わずにそっとしておいてほしいですよね。

 

周りの状況や言葉かけで気持ちが乱れることもありますが、

お2人の妊娠への想いや考えを大切に進んでいきましょう。

今年も、お2人の状況や希望と照らし合わせながら、

医師をはじめ、スタッフそれぞれの専門性を生かしてみなさんの通院をサポートしていきます。

一緒に迷ったり、一緒に喜んだり、一緒にやり遂げたり、

一緒に頑張っていきましょう。

 

臨床心理士 間塚

 

 

 


新年に向けて、心を充電しませんか。

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12月に入ってから特に、時の流れがものすごく早く感じられたのですが

みなさんはいかがでしたでしょうか?

 

さて、2017年が終わりを迎えようとしています。

日頃忙しくされている方が多いですが、

年末年始はご夫婦で一緒にいられる時間がたくさんありそうですか。

 

年末年始は、非日常ですよね。

時間の流れも、過ごし方も、心持ちも、いつもとは変わって感じられるでしょう。

1年を振り返ったり、新しい1年をどのようにしていこうかと思い巡らしたり、

“節目”を実感しますよね。

今年1年頑張ったこと、前にすすんだと思ったこと、

毎日の暮らしの中ではなかなか再確認することが難しいと思います。

そこで、節目の今、じっくりと今年のことを振り返ってみませんか。

じっくり振り返ってみると、

例えば通院を始めたこと、通院を続けてきたこと、

旦那さんと妊娠のことを話し合うように心がけてお互いの考えが分かるようになったこと、など

いろんな変化や努力があっての今で、

その時々に、勇気を出したり、踏ん張ったり、痛い思いを乗り越えたりした自分がいたはずですよね。

今年の自分に「お疲れさま、よく頑張ったね」、という気持ちが自然と湧いてくるのではないでしょうか。

 

自分を労ったり、「頑張ったなあ」と実感していくことで、

自分の心も満ちていくことと思います。

自分で自分をしっかり評価してあげることは、とても大切なことだと思っています。

たっぷり充電して新しい年をお迎えください。

 

臨床心理士 間塚

 

 

 


呼吸法でリラックス&血行促進

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12月に入って一気に寒くなりましたね。

その影響もあってか、最近、採血のときに血管がみえにくくなっている方がおられます。

採血は失敗されたくないですよね。

採血するスタッフも失敗したくないと思っています。

そういったことを防ぐためには、水分をしっかりとっておくことも大切みたいですよ。

また、寒さで血管が収縮しやすくなっていると考えられますので、

肩や首を回したり手先を動かしたりと、腕の血流をよくする工夫をしてみるのも効果的かと思います。

心理士としては、呼吸法も効果があるのではないかなあ…と思っています。

呼吸法は、“リラクゼーション法”の一つとして紹介することが多いのですが、

毎日の暮らしの中では、胸式の“浅い”呼吸になりがちなところを、

腹式の“深い”呼吸に意識して取り組んでみましょう、というものです。

腹式呼吸では1度の呼吸で取り入れられる酸素は、胸式呼吸の3倍以上です。

腹式呼吸で血液の循環を高めたり全身の血行を高めることができたり、

自律神経のバランスが整える作用があります。

ゆっくりした呼吸は不安を軽減したりリラックス状態につながり、

息を長く吐いていくことで、怒りや時間の切迫感、焦燥感の軽減につながると言われています。

 

それでは、一度やってみましょう。

まず、ゆったりとした姿勢で 座ってみましょう。

ベルトなど身体を締め付けるものについては緩めておいてください。

軽く目をつぶり、呼吸に目を向けてみます。

今、肺にある息をゆっくり吐き切りましょう。ここで「吐き切って」から始めることがとても大切です。

吐き出せたら、鼻から静かに吸っていきます。

「1・2・3」と心の中でカウントしながら鼻から吸って

「4」で吸うのを止め、「5」からは口からゆっくり長く吐いていきます。

「5・6・7・ 8・9・10」と心の中でゆっくりゆっくりカウントしながら、

“スーーーーーーーーーーーーーッ”と吐いていき、「10」で息を吐ききるようにします。

吐ききれたら、また「1」から息を吸って繰り返していきます。

このやり方で1分~3分ほど続けてみてください。

終わるときは、手を“握って開いて”を数回、力を入れて行ってから

ゆっくり目をあけましょう。

 

このブログを書くにあたって私も試してみましたが、

全身が温かくなってきましたよ。

血行促進にも、体温上昇にも、リラックスにも役に立つかと思いますので

よかったら試してみてください。

 

 

 


それぞれの人生のタイミング。

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40歳くらいになって通院を始められると、

「もっと早くから治療しておけばよかった」と思うかもしれません。

きっとみなさん“年齢が高くなると妊娠しにくくなる”ことはご存知だとは思いますが、

実際のところ“どれくらい難しいものなのか”ということは、

治療を始めてみて実感されるものかな、と思います。

 

「もっと早く結婚すればよかった」

「もっと早く妊娠のこと考えればよかった」

「もっと早く旦那を説得すればよかった」

結果が出ないと、そういった気持ちが出てきたりしますよね。

中には、周りのご家族などからも

「もっと早く結婚したらよかったのに」

「どうせ病院行くんだったらすぐ行っといたらよかったのに」

なんて、言われてしまう方もおられて、

悲しい気持ちになることもあるようです。

 

もちろん、統計的には若い方が妊娠しやすいものですので、

“妊娠を考えるのなら早い方がいい”というのはホントです。

ただ、“結婚相手は誰でもいい”わけでもないですし、

結婚するタイミングやお仕事との兼ね合いもあるでしょうし、

子どもを育てていくことを現実的に考えられるかどうかや、

旦那さん/奥さんと気持ちが揃うかどうかなど、

これまでのことやこれからのこと、いろいろが噛み合ったタイミングが

それぞれの妊娠を考えるタイミングなのだなあ、と思っています。

いろんなことを周りから言われるかもしれませんが

ご夫婦のこのタイミングについてはこのタイミングしかないですものね。

 

妊娠を考える時期が来た今をご自分たちがどんなふうに過ごしていかれるのか、

驚いたり、衝撃を受けたり、本気で取り組もうと頑張ったり、迷ったり、ホッとしたり、

“授かれないかもしれない”と身に迫って感じたり、旦那さんと大げんかしたり、

治療している人に出会って心強かったり、ただただ泣けて仕方がなかったり、

“授かるときを信じよう”と思い直したり、自分たちの卵をみて生命を感じたり、

いろんな瞬間があることでしょう。

また、どんな瞬間があってどんなことを思ったり感じたりされたのか、

聴かせてもらえたらうれしいです。

 

 

 


自分の“答え”を探す、ということ。

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臨床心理士の学会に行ってきました。

臨床心理士は、精神科や心療内科はもちろん、緩和ケアや周産期医療、一般企業、

学生相談室、スクールカウンセラー、子どもの発達相談、矯正施設、児童施設、

老人介護施設、カウンセリング機関などなど、いろんな現場で働いています。

それぞれが、心理療法の場で、どんな出会いがあってどんな関わりをしていって

どんなふうなプロセスを歩んでいったか、ということを共に省りみたり、

研究結果を報告したりする場となっています。

 

発表を聴いていて、ものすごく当たり前ですがものすごく大事なことを改めて思いました。

ちょっと変なことを言いますが、「そっか、魔法って使えないんだな。」ってことです。

「魔法って使えないんだ」というより「現実の世界でできることでやっていくしかないんだ」ですかね。

臨床心理士と会うことになったときって、

多くの場合“困ったことや悲しいことなど、何か相談したいことがあったとき”なんですよね。

そして、“どうしたら解決するのかわからないこと”であったり、

“もう取り戻せないこと”であったりするわけです。

「どうしたらよくなりますか?」「どうしたら解決しますか?」

そういった難しい問いを持って来られます。

 

けれど、臨床心理士も、そういった悩みや疑問を解決する答えを知っているわけではありません。

例えば、「どうしたら私は妊娠しますか?」、「どうして私は妊娠しないんですか?」という問いに

「こうしたら妊娠しますよ」、「こういう理由で妊娠しませんよ」といった答えは、

残念ながら持っていません。

というか、そういった答えは存在しないんだなあ、と思いました。

もちろん、医学的に「こういうところが影響していそうだからこれを治しましょう」といったことは、

医師からお伝えできることもあるかと思います。

ただ、「どうして私は妊娠しないのだろう」という「どうして私は~なのか」という問いへの

問いの持ち主が納得されるような決まった答えというのはありません。

臨床心理士は、その人が、その問いとどのようにつきあっていかれるのか、

心と現実との間の折り合いをつけていかれるのか、というところを、

一緒に話したりする中でその方のペースでしっくりくるかたちになっていくまで、共に過ごしていきます。

そういったプロセスで問いへの答えを一緒に探していくのですが、

その答えは問いへの直接的な答えじゃないかもしれないということも含めて、

“その人の答えのかたち”を一緒に探していくことが、

臨床心理士の関わり方の一つなんだなあと思いました。

そんなようなことをされている発表をたくさん聴いてよい刺激を受けて帰ってきました。

人生いろんなことがありますし、思い通りにならないこともあります。

どんな状況であっても、心に対して真摯でありたいと思っています。

 

 

 


病院に対する信頼感のこと。

 

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先日、歯科医院に行きました。

初めていく歯科医院でした。

最初に問診票の記入を促されて、受診目的や症状、要望などを書きました。

 

診察室に歯科衛生士さんが入ってきて、「まずは歯の状態の検査をします」と言われ、

歯周病の検査や口腔内の状況をチェックする写真撮影が始まりました。

そこで歯肉炎を指摘されて、歯ブラシのあて方指導が始まりました。

ところで、私の受診目的は「歯のクリーニング」でした。

「もし何か悪い部分があってもまた後日治療をするから

とりあえずクリーニングだけしておきたい」という気持ちがありました。

問診票の「受診目的だけの治療を希望」にもチェックを入れていました。

なのに、受診目的を確認されることもなく検査が始まり、

歯肉炎の指摘があり、定期的な受診をすすめられました。

 

対応してくださった歯科衛生士さんは歯についての専門的な知識をお持ちですし

初診の方の歯の状態をチェックし現状を把握することは当然の流れなのかもしれません。

ただその時の私にとっては、“今日は置いておいてもらっていいこと”であって、

受診目的以外の検査を料金などの説明もなくされることにも不安があり、

継続しての受診をすすめられてしまって、もやもやしていました。

 

そこで、思い切って、

「すいません。歯のクリーニングに来たんですが。」と伝えると、

「はい、今からしますからね~」とおっしゃいました。

ちょっと不安だったので、更に

「あの、前歯の黒ずみが気になっていて、それで今日は来たんです」と言うと、

「え?そうだったの~??これは詰め物が浮いてきてるから治療しないと無理かも。

でも、できるところは削ってみましょうか?」と、器具を取りに行ってくださいました。

心の中で「問診票書いたんだから、読んでから対応してよ~!」と思いました。

結果的に、受診目的の歯の黒ずみは、やはり詰め物が古くなっていることが原因で、

詰め物を詰め替えないときれいにはならないとのことでしたが、

歯科衛生士さんが削ってくださったので、鏡をみたら少しマシになっていました。

これで、ようやく、私の胸はスッとしました。

それから再度、「歯肉炎を治して元気な歯茎にして、歯を治療していかないといけないので、

歯ブラシ頑張ってもう一回来月みせてくれる?」と言われました。

受診目的を達成した私は、歯科衛生士さんが言ったことを聴き入れるゆとりができていました。

「あと、何か気になることある?」と聞かれたので

問診票の最後に書いておいた症状について、たずねました。

問診票は全く読んでもらえてなかったような対応でしたが、

質問できたので「まあ、いっか」と思いました。

そして、その症状について、その方がおすすめされている方法を教えてくださって、

有効とされているマッサージをしてくださいました。

これがとても気持ちよかったし、症状を緩和できるように頑張ろうという気持ちになりました。

 

医師を待つ間、その歯科衛生士さんが

「うちは歯科衛生士それぞれやり方が違って、ベースは一緒ですけどね、

それぞれが“いい”と思うやり方ですすめさせてもらってるんです。

私はとりあえず口の中を触ります。触診が一番大事やと思っているから。

先生も私らのやり方を見守ってくれてますし、

自費診療もやってますけど積極的にすすめているわけではなくて

患者さんの望むことに応えていくっていうのが先生のスタンスなんです。」

とおっしゃっていて、私は、医師とスタッフ間で信頼関係のあるこちらの病院に好感をもちました。

 

長くなりましたが、

通院先に対して不満を感じたり、信頼できたりというのは、歯科医院だけの話ではありませんよね。

私は最初、受診目的に触れられずあちらのやり方ですすめられたことで、不安な気持ちになりました。

けれど受診目的についての治療をしてもらえると気持ちが落ち着き、

目的以外の指摘についても落ち着いて聴き入ることができるようになりました。

更に、確かな技術を提供してくださって、信頼感が芽生えてきました。

「問診票を読んでほしかったなあ」、「最初にちゃんと説明してほしかったなあ」とは思いましたが、

歯科衛生士さんが私のためを思って施術してくださったことや、希望や疑問を伝えることができたこと、

ご自分のやり方に自信を持って提供されていて「仕事への姿勢がいいな」と思ったことから、

トータルすると好感をもちましたし、通院を続けたい歯科医院になりました。

けれども、例えば、私が受診目的を口にしないままだったり、

不満ばかりを溜めてしまってイライラした反応をしてしまったりしていたら、

結果的に“いい病院”という印象にはならなかったのではないか、と思います。

治療についてちゃんとした知識があることや、コミュニケーションがとれるかどうか、

信頼できているかどうかで、受診内容の受けとめ方は大きく変わるなあ、と思いました。

 

 

 


“仕方がない”と受けとめてみる。

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学生の頃は、“仕方がない”というのは、

どちらかというと“あきらめてしまう”ような後ろ向きのイメージがありました。

その頃は、“あきらめること”と“あきらめざるを得ないこと”の違いが分かってなかったのでしょう。

「まだ努力の余地があるのに仕方がないって思うなんて…」と思うこともありましたし、

あきらめることを、“あきらめてしまう”と思っていたのだと思います。

 

心理士になると、いろんな症状や状況に困っている人の話をおうかがいします。

みんな症状を改善したいし、状況を快適にしていきたいのですよね。

本人さんには「なんでこういうことになったのかわからない」ことも多くて、

実際、不運なことが重なってしまっていることもあるのですが、

聴いていると「これはそういう症状が出てもおかしくない状況なんじゃないかな」、

「そういう心の状態になるのも仕方がないんじゃないかな」と思うことがほとんどです。

捉え方を変えてみると、自分の中でものすごく頑張って生きているんだけど

「今のままではしんどいですよ、ちょっと無理してませんか?」っていうサインを

しっかりと自分で出せているってことなのですよね。

そういったときに、「“仕方がない”というのはあきらめることではないのだなあ。

ただ“仕方がない”ということがあるのだなあ、」と実感できるようになりました。

 

草津レディースクリニックで、たくさんの方々に出会いました。

子どもを産んだ友達のお祝いに、子ども連れの友達と行く約束をしているけど

行きたくないと葛藤をしているという話は何度も聴きました。

葛藤と一言で言ってしまいましたがそれぞれ本当にいろいろな想いが渦巻いていて、

例えば、その友達はその方からすると“簡単に”子どもを授かったようにみえたり、

気持ちがしんどくても旦那さんに気を遣わせたくなくて「大丈夫」と言って過ごしていたり、

今まで周りの期待に応えて生きてきたので、「子どもまだ?」がすごく堪えていたり、

暮らしの中で妊婦さんを見たり小さいお子さんを連れている人をみると

気持ちが沈んだりイライラしたりしてしまって、そんな自分が嫌だと仰っていたりしました。

 

その人の想いを聴いていると、

その人は本当に頑張っているわけなんですよね。

周りの期待を感じながらも、身近な人には弱音を吐かずに、

いつも通りの明るくて優しい自分でいようと心がけておられたのです。

当時の私は、その人の状況を想像して、

「(自分の嫌な面が出てしまうことも)仕方がないんじゃないですか、こういう状況ですし」

と言った記憶があります。

すると「あ!仕方がないっていうのが、今すごくしっくりきました。

そうですよね。仕方がないですよね」と、すっきりした顔でおっしゃったんですよね。

 

「仕方がない」というのは、あきらめでもなんでもなくて、

“今の自分を認めてあげる”受け容れ方なんだなあ、と、

そのとき改めて思いました。

そういった受け容れ方が“前向き”なきっかけになることもあるのですよね。

 

みなさんは“仕方がない”という受けとめ方をされることがありますか?

 

 

*内容については、個人が特定されない程度に修正、変更しています。

 

 


妊娠をめぐることがきっかけで変わったこと

花がひらくとき

 

「これまでの人生、結婚までとても順調だったのに、今まで願ったことは全て叶ったのに、

 妊娠だけは思ったようにならなくて、人生初めての壁です。」

という方はけっこうたくさんいらっしゃいます。

 

人生初めての壁。

しかも、妊娠のこと。

今までのことは、努力すればある程度は結果がついてくるものだったのでしょうが、

妊娠は努力をすれば必ず結果が出るものではないですし、

もしかしたら周りには苦労せず妊娠しているように見える友人がいるかもしれませんし、

「なんで治療もしているのに、妊娠できないんだろう」と

思うこともあるかと思います。

 

「人生、まさか、ここでつまづくとは・・・」というお気持ちですよね。

 

こういったことがきっかけで、今まで深くは考えていなかったけど

「幸せってなんだろう」など、ご自身の人生観や価値観まで顧みられるようになることもあって、

例えば、

「もう、すっごく悩んだし、いっぱい試したし、ぐるぐるぐるぐる考えたけど、

 これだけ頑張って妊娠しないのなら仕方ないって思えるようになった。

 人生思ったようにならないこともあるって、本当の意味でわかった。」とか、

「結婚したら子どもができてっていう生活を当たり前に思っていたけど

 これまでの人生も当たり前なことなんてなかったんやと思ったら、

 今までの私は本当に恵まれてたと思う。」とか、

「お母さんに話したら『そんなに大変なんやったらもういいんじゃない?

 あなたたち2人が仲良くやってたらいいやないの』と言われて、ものすごくホッとして大泣きした。

 お母さんがどう思うかが、自分にとってはこんなに大きかったんやって気がついた」とか、

「人生について考えると、今の仕事、条件がよくてやめずに続けてきたけど、

 特にやりがいがあるわけではないし、このままでいいのかなって思って。

 自分の人生って、生活の質を保つためにあるんじゃないんじゃないかな。」とか。

そういったことを思うようになられるまでに体験された苦労や困難を思い浮かべながら

それぞれのかたちで自分のことを考えてみられたお話を聴いていると、

私も一緒に納得したり、じんわりと心に沁みていったり、

こころに詰まっていった石が“コロン”と動いていったような気持ちになったりしています。

 

 

 

 


他人と比べることについて

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「なぜ他人と比較してしまうのだろう、そんな気持ちがなければ楽なのに」と

たくさんの人が悩んだ経験があるのでは、と思います。

人間は、他人と比較する生き物で、どの時代でも私たちの苦しみの一つではないかと思います。

 

ちょっと学問的な話を交えてみますと、比較する背景には次のような目的があります。

①自己評価を行うため

 「自分の考える意見は果たして正しいのか」、「自分の能力はどの程度であるか」など

 自分自身の考えや能力の程度について、はっきり明確にしたい気持ちがあり、

 自分と他者を比較することにより自分の能力の程度や意見の妥当性を評価するための比較。

②自己高揚のため

 自分よりやや優れた人をライバルとし刺激され努力することで、高い技術や能力を身につけたり、

 自分より不幸や不運だと思う人と比較することで、自分の幸福感を感じようとするための比較。

③自己融合のため

 まわりの人間と同じ行動をとるなどして、自分がその集団で適当な行動をとることができるように

   するため、またその集団との関係性を維持するための比較。

 

また、“相手との差を感じたとき”や“落ち込んでいるとき”、

“初対面の人と会ったとき”や“相手の魅力を感じたとき”に他人と比較しやすいという研究もあります。

このように、私たちは多くの場面で比較をして過ごしていて

他人と比較して苦しい想いをすることもある一方で、自分に役立てている部分もあるようです。

 

妊娠についても「周りと比べてしまって」辛い想いや悲しい想いをしているとおうかがいします。

私たちは無意識のうちに他人と比べながら生きてきたわけですから、

子どもがいたり妊娠している人といると自動的に比べてしまうものなのかもしれません。

一方で、「比べなくていいのに」、「他人は他人、自分は自分って強く思えたらいいなあ」

という気持ちが出てきて、比較して苦しかった気持ちを助けてくれることもあるかもしれませんね。

ただ、みなさん全員が「他人は他人って思おう!」と心から思えるものでもないかな、と思います。

 

何をお伝えしたいのかと言うと、

“他人と比べてしまうから悪い”というものではないのですよ、ということです。

そのことが生きる原動力になる方もいらっしゃいます。

ただ、自分がどういった傾向があるのかを知っておくことは、とても大切だと思います。

どれくらい人と比較する傾向があるのか、

比較したあと落ち込みやすいのか頑張ろうとするのか、

どういった事柄について比較しやすいのか、など、

みなさんはどういった傾向がありそうですか。

 

 

 


聞いたらスッキリしそうなこと、ありませんか?

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いろんな事情で当院に転院される方がいらっしゃいます。

診療内容や診療時間、立地、など、転院される理由はさまざまですが、

「説明が不足していた」 「もっといろんな提案をしてほしい」

といったことも多いです。

「私が妊娠したい想い、分かってもらえてないって思った」と

おっしゃる方も少なくありません。

 

数ヶ月の通院で妊娠に至るようならば、気になることがあってもやり過ごせるかもしれませんが

通院が続いていくと不安や不信は募りがちです。

同じように妊娠を希望している他の方はどんな治療をしているのか、

他にどんな検査があるのか、ネットで調べたり誰かに聞いたりした情報と照らし合わせては

「どうして私は薬を使ってもらえないのだろう」、

「なんでもっと『次はこうしてみましょう』と言ってもらえないんだろう」、

と、余計に不信を促進させる方向に考えてしまうこともあるのではないでしょうか。

 

そんなふうに自分の中ではたくさんたくさん考えているのに

“お医者さんの方から治療方法を提案するものだ”とか

“患者側から意見したら失礼なのかな”とか思ってしまうと

診療の状況は変わらずに時間が過ぎて

「あ、もう、ここ通っていてもダメかも」と、転院を決めるという流れになっているように思います。

また気になってはいても「バタバタしていて忙しそうだから質問しにくい」と思って、

断念される方もいらっしゃいます。

 

こういった話を聴いていると、

気になることや不安なことは聞いていくことがすごく大切だなあ、と思うのです。

そして、質問されるときに、「どうして薬使わないのですか?」とか

「他に方法はないのですか?」と言った、ピンポイントの質問よりも、

「卵胞の育ちをみてタイミングとるっていうのが6ヶ月続いて、それでも妊娠しないので、

このままでいいのか不安になってきました。薬を飲んで妊娠したという友達がいるのですが、

私も薬を使ったら妊娠できますか?」とか、

「検査も問題なくてタイミングをあわせているのにどうして妊娠しないのか、と考えてしまって…。

調べてみるとタイミングの次に人工授精があるみたいですが、私にはどうでしょうか?」とか

どういう気持ちになっていてその考えにたどり着いたのか、を伝えると

医師もよりみなさんの気持ちに即した回答をしやすいのではないかと思っています。

 

今、当院に通院中の方で、不安や気になることがあるけれど言いにくいって方がいらっしゃいましたら、

どういったことで気になっていらっしゃるのか、スタッフは知りたいと思っています。

先生とお話できそうならそうしていただけるといいですし

注射や薬の受けとりや説明のときにスタッフと話してもらってもいいですし

カウンセラーのところにきてもらうこともできますし

受付で「もう少し話を聞きたいのですが…」とお声かけくださってもいいですよ。

話しかけるのが苦手な場合は、毎回持ってきてもらっている問診票にお書きいただくと

先生が診察室でお答えくださいます。

解消できる不安はモヤモヤは解消しながら通院してくださいね。


お母さんとの関係は、いかがでしょうか。

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開院してからこれまで、

カウンセリングの内容で一番多いのは妊娠にまつわることやご夫婦のことで

他には、お仕事のことや新生活のこと、ご自身の性格のことなどいろんなことをおうかがいしましたが

時折話題にあがる大切なことの一つに、実のお母さんのことがあります。

 

みなさんは“仲の良いお母さんと娘の関係って理想的!”というイメージを、お持ちでないでしょうか。

きっと多くの方が、優しそうで愛情あふれる家族像を求めるものだと思いますので、

「なんでお母さんに対してやさしい気持ちになれないんだろう…」

「お母さんが期待するようないい娘になれなくて悲しい…」

「お母さんの思うようにしないと、お母さんがさみしい顔をする…」

というように、お母さんとの関係で“実はちょっとひっかかること”があっても

なかなかそう思っているとは言えなかったり、自分を責めてしまったりすることがあります。

誰からみても言動に問題があるようなお母さんならば「しんどい」と言えるかもしれませんが、

“がんばり屋で完璧なお母さん” “たくさん助けてくれるお母さん” 

“家族のために尽くしてきたお母さん” “いつでも一緒に子どもの気持ちになってくれるお母さん”

というようなお母さんだった場合、

“自分は恵まれている” “お母さんは自分のために頑張ってくれている”

“周りからはいつも「いいお母さん」と言われる”と、

いい母と娘の関係だと疑わない場合もありますし、

「『お母さんといるとしんどいなんて』、『お母さんが重たいなんて』、

思っている自分がおかしいのかな」、と、思ってしまうようですね。

 

結婚して新たな生き方を始められ、

物理的にも心理的にも、育った家族とは距離ができ、

お母さんとの間で選んできた生き方も、自分個人の生き方へと成長していきます。

そういったタイミングで

“あれ?実は私、お母さんとの関係でしんどかったんだ”とか

“結婚しても、お母さんの意見に左右されるなあ”

と気付かれることは自然ななりゆきかと思います。

“お母さんを悲しませたくないから”

“お母さんを好きで頼りにしている部分もあるから”

“お母さんを傷つけてしまうと自分もつらいから”と

気づいた気持ちを押し込めて、なんとかうまくお母さんと関わろうと考えたりしますが、

これは自立のタイミングですから、

お互いがある部分では依存し合っていた関係に、さよならする時期かなと思っています。

 

みなさんのお母さんとの関係はどんな感じでしょうか。

適度な距離はありますか?

お母さんが望むようにふるまったりしていませんか?

お母さんをかわいそうに思って、支えてあげたりしてませんか?

誰よりもお母さんに認められたいと思っていませんか?

気付かないうちにお母さんとの関係でたくさんの影響を受けています。

思い当たることがある方、一度、一緒に整理してみませんか。


ビタミンDと妊娠の関係

草津レディースクリニックは、9月で開院9年目を迎えました。

開院当初から、ご夫婦にとって納得いただける治療を

みなさんの状況やお考えなどに心を傾けながら一緒に考えてまいりました。

今後も、みなさんと一緒に歩んでいけるクリニックでありたいと思っています。


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さて、前回、妊娠に良い食べ物のお話をしました。

今回は、妊娠力を高める栄養素として話題の“ビタミンD”についてお話していきます。

ビタミンDは、カルシウムの吸収をサポートし血液中のカルシウムの濃度を一定に保つ働きを

していますが、必要量を摂れていることが妊娠のサポートになることがわかってきました。

ビタミンDと妊娠にどういったかかわりがあるか、みていきましょう。

 

*ビタミンDでPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)を改善

 ビタミンDはインスリン抵抗性の改善作用があります。

 PCOSはインスリン抵抗性と関連して症状が出ていることがありますので、

 ビタミンDがPCOSを改善させる可能性が検討されています。

 ビタミンDとカルシウムの投与で、インスリンの抵抗性、男性ホルモン値、

 月経周期の乱れ、排卵の改善がみられたという報告もたくさんあります。

 

*血液中のビタミンDと着床率

 海外の研究では、血液中と卵胞液中のビタミンDは互いに影響していて、

 ビタミンD濃度が高いと妊娠率が上がるという報告があります。

 また、習慣性流産の方のビタミンD濃度が低いという報告もあります。

 ビタミンD濃度が低下すると、流産の要因の一つとされている

 “抗リン脂質抗体” “NK活性” “抗核抗体” “抗DNA抗体”の数値が上昇するそうです。

 

*ビタミンD濃度とAMHの関係

 40歳以上の女性では、ビタミンDの濃度が低いと、AMHの値も低くなることが分かっています。

 ビタミンDは日光と関係しているため、夏は血液中のビタミンD濃度が高く、

 冬は低くなるという特徴があります。

 AMHもビタミンDと同じような季節性の変化があるので、

 AMHの値が低くなる冬にビタミンDを食事で摂ると、その変動がなくなったという報告があります。

 別の実験では、ビタミンDによってAMHの値が増加することが報告されています。

 

こういった報告を知っていくと、ビタミンDを摂りたい!と思いませんか?

ビタミンDを含む食品には、鮭、カツオ、しらす干し、鶏卵、キクラゲなどがあります。

そして、ビタミンDは皮膚が日光を浴びることによっても生成されます。

でも、女性としては、紫外線対策として日焼け止めや日傘の使用を止めるのは勇気がいりますよね。

肌へのダメージも心配ですし、足りない分はサプリやビタミンD含有の卵などで補う方法もあります。

ただ、ビタミンDは脂溶性ビタミンで、過剰に摂取した分を自然に排出はできません。

摂りすぎには注意が必要です。(目安量5.5μg/日 耐用上限量100.0μg/日 *成人女性の場合)

ビタミンDの濃度が気になる方は、まず血液検査で測定されることをおすすめします。

足りていないようであれば、必要量が摂れるように工夫をしていきましょう。

ビタミンDの血液検査は当院で行っていますので、お声かけくださいね。


「妊娠によい食べ物は何ですか?」

8月が終わろうとしています。

夏の終わり、のような空気を感じるときもありますが、

まだまだ残暑が厳しい毎日です。

体調には引き続きお気をつけてお過ごしくださいね。


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「妊娠のために心がけられることは何かな」と、

たくさんの方が気にされているかと思います。

 

できるだけインスタント食品は避けるようにしている、とか

ストレスをためないようにしている、とか

運動不足なので駅まで歩くようにしている、とか

健康な身体でいるために工夫されていることがあるかもしれませんね。

 

「妊娠に良い食べ物は何ですか?」とよくご質問いただいていて、

できるだけ良いものを摂りたいという気持ち、とても伝わっています。

食べ物に関しては、それぞれに大切な栄養素を備えているものですので

何かの食べ物が特別妊娠に良いということではなくて、

基本的には、必要な栄養素が不足しないように

いろんな食材を万遍なく食べていただくことがいいかと思います。

健康な身体つくりに必要な栄養素は

“炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル”です。

まずは、それぞれの栄養素をバランス良く摂れるように心がけてみましょう。

 

栄養素はたくさん種類がありますし

どの栄養素が何の働きをしてくれているのか、知りたい方がいらっしゃるかもしれませんので

妊娠の力になってくれるおもな栄養素とその働きを記しておきますね。

 

*たんぱく質(肉・魚・卵)…皮膚・血管・筋肉などの身体の土台、質の良い卵子の生成

*鉄(レバー・あさり)…血液中のヘモグロビンをつくる

*ビタミンE(かぼちゃ・アボカド・ナッツ類)…抗酸化作用、卵子の若返り、血流・ホルモンの働きをうながす

*亜鉛(カキ・ホタテ)…男性ホルモンを合成し、精子数や運動性を高める

*葉酸(ほうれん草・レバー)…赤ちゃんの健全な発育を助ける

*カルシウム(牛乳・チーズ・小魚)…精神を安定させる 

 など…

 

毎日時間に追われつつ料理をされている方も多いですよね。

栄養素をもれなく摂ることも大切なことですが

そのことに一生懸命になり過ぎてしまうと生活に差し支えてしまうかもしれません。

生活はトータルのバランスが大切ですから頑張りすぎないで、

まずは間違った努力をしない(必要以上のダイエットや偏った食事など)ように、

そして、たくさんの種類の栄養素を摂れるように“ちょっと心がけてみる”くらいから

考えてみられてはいかがでしょうか。


お腹の赤ちゃんがいなくなって。

ドラマの“コード・ブルー”で、登場人物の1人が流産になるシーンがありました。

 

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流産を体験された方は

ご自分の体験と重ね合わせてご覧になられていたのでは…と思います。

妊娠がわかってからは、

宿ってくれた命への愛おしさが芽生えていったり

「お母さんなんだな」と少しずつ実感したり

つわりがひどくても我が子のためなら、と、我慢できたり

生まれてからのことをたくさん想像したり

いろんな想いがいっぱいいっぱい詰まった時間だったことでしょう。

 

赤ちゃんがいなくなってから、時間が経つ中で、

「また妊娠できる!きっと大丈夫!」と気持ちを強くもてるときが出てきたり、

「宿ってくれた命に変わりはないのに…」 「育ててあげたかった…」 

「あのとき、こうしなければよかった…」と、悲しさがやってくることもあって、

そういった気持ちの波が寄せては返し、日々を過ごされているかと思います。

 

旦那さんのつらさや悲しさ、奥さんのつらさや悲しさ、にもそれぞれのものがあって、

それぞれの気持ちはその人にしか分からないものかと思います。

きっとお互い相手を思って言わないでいる気持ちもあるでしょう。

ただ、お互いに相手のことが大切だから、少しでも悲しみや痛みを和らげたいから、

傍にいたり、一緒にご飯を食べて他愛もない話をしたり、

そうやって伝わってくる温もりややさしさに救われたりと、

そういった時間を過ごしていくなかで、癒えていく心があるのかなと思っています。

 

ご夫婦の未来へ、お二人の一歩を踏み出されることを願っています。


葉酸は十分摂れていますか?

「葉酸を摂ってますか?」とおうかがいすると、たくさんの方が「はい」とお返事くださるので、

みなさんしっかり調べたり知識を得たりされているのだなあ、と安心しています。

葉酸は妊娠を希望する1ヶ月以上前から

食生活から得られる葉酸量+葉酸サプリメントから400μg(0.4mg)/日

を摂取するように厚生労働省も呼びかけているのです。

葉酸は赤ちゃんの神経管閉鎖障害を防ぐ効果があるのですが、

なぜ妊娠前からの摂取が推奨されているのかというと、

神経管閉鎖障害は、妊娠直後から7週未満に発症する可能性が高いからです。

また、葉酸は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害を防ぐためだけに必要なのではなく、

造血、細胞分裂やDNAの合成に使われているので、とても大切なビタミンです。

厚生労働省がサプリメントでの摂取を呼びかけているのは、

葉酸は食事からでは必要十分量の摂取が難しいビタミンで不足しがちになるからです。

 

当院で置いているサプリメント“pregna ベーシック”にも必要量の葉酸が含まれています。

“pregnaベーシック”は、他にも健康を維持するために必須のビタミンやミネラルが豊富に含まれています。

サプリメントを積極的に摂る意向はないという方には手を出しにくいところもあったかもしれませんよね。

この度新しく、“ビーンスタークマム”という葉酸サプリメントも置くようにしました。

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1粒に葉酸400μgと、鉄13mg(妊娠初期に必要な鉄量)と、ビタミンB群が含まれていて、

“pregnaベーシック”よりもお値段的にも手軽に摂っていただけるサプリメントです。

 

そしてこのサプリメントのいいところは、食べられるところです。

お湯や水で薬のように飲むのではなく、タブレットなので美味しく食べられます。

そういった気軽さや美味しさが、スタッフの中でも好評です。

診察室の扉の横にサプリメントの紹介コーナーがありますので、

まだ葉酸を摂っていらっしゃらない方、検討してみませんか?

 

一つだけ気をつけていただきたいことがあります。

葉酸の1日摂取量は1000μg(1mg)までとされています。

今現在、“pregnaベーシック”などで必要量の葉酸を摂っておられる方は、それで十分です。

食事からバランスよく十分な栄養素を摂れている方は、“ビーンスタークマム”の葉酸サプリメントで、

食事から十分栄養素を摂れているかどうか不安な方は“pregnaベーシック”で、

健康で妊娠に安心な身体の状態を保つサポートをしていきましょう。

 

サプリメントは足りていない栄養素を補助するものです。

健康な身体は、基本的には、健康的な生活習慣からつくられます。

新鮮ないろんな食材で彩られた食卓をできれば誰かと共にして、笑って楽しい時間を過ごし、

ゆっくりお風呂に浸かって、できるだけ早めにぐっすり眠りましょう。


帰省の予定に緊張しませんか?

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8月に入りました。

夏休みと年末年始は、親族で集まる機会がある方が多く

帰省予定に気が重くなっておられる方もいらっしゃるかと思います。

帰省先で直接「子ども早くつくらないとね」などと言われてしまう場合もあるでしょうし、

親族が妊娠していたり小さいお子さんをお持ちのこともるでしょうし、

きっと「帰省までに妊娠して報告したい!」と思っておられた方がほとんどでしょう。

 

妊娠のことを尋ねられても気負わずに流せる方もおられるかもしれませんが、

お子さんがいる他の家族と空間を共にして苦しい気持ちになることもあるでしょう。

せっかくのおやすみ、せっかくの帰省ですが、

こころが緊張してしまっては残念です。

自分の気持ちがどうやっても傷ついてしまうような状況だったら、

帰省を取りやめてもいいんじゃないかな、と思います。

今回は無理に帰省しなくても、帰省しようと思えるときに帰省すればいいと思いますよ。

 

妊娠のことに触れられそうなことを避けたいだけで

帰省自体が嫌というわけではないという方は、

何か聞かれたときの返答をいくつか用意していくと落ち着いて答えられるかもしれませんね。

言われたことを受け流すパターンもあるでしょうし、

“妊娠できたら嬉しいなとは思っているのでそっと見守ってくれますか”

“病院で検査だけ受けてみようと思っているんです。報告できるときが来たらいいですね”

と、やんわり伝えてみるのも一つですし、

“子どもは欲しいとは思っているんで、周りが妊娠していくとプレッシャーに感じるんですよね”

と言えると、今後は気を遣ってもらえるかもしれません。

きっと触れてくるのは“実際どういう状況なのか分からないから知りたい”気持ちからだと思います。

どういった対応をするのがいいのかは、

みなさんや相手の性格、価値観、そして関係性によるので、

どういったパターンをとってみるのが適していそうか、想像してみてくださいね。

 

そしてなによりも、あなたのせいではないので、堂々としていてください。

たとえ、何か妊娠しにくいような状態が身体に起こっているのだとしても

それはあなたのせいではありません。

申し訳なく思う気持ちがあるかもしれませんが、堂々としていてほしいと思います。


子どもを授かることについて

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先週、NHKの“あさイチ”で卵子提供の特集がありました。

ご覧になられた方いらっしゃいますか?

日本では卵子提供は行っていないので、

今回は台湾での卵子提供が紹介されていました。

 

治療していて“現状では妊娠していくのは難しそう”という状況だと

「卵子提供で子どもを授かれるなら受けたいな」と迷う気持ちが

出てくることがあるかもしれませんね。

子どもを授かって育てたいという願いが叶うことになったらそれは嬉しいでしょう。

ただ、同時に、子どもさんの出自を巡る事実についてどうしていくのか、

また子どもさんがそのことをどう受けとめていくのか、

そういったこともずっと向き合っていくことになりますし、

夫(妻)の立場や子どもの立場になって考えたりすると

どの選択がいいのか本当に迷いますし、決めることがむずかしいなあ、と思います。

 

自分たちの子どもを授かりたいから自分たちの力で治療をして

もし授からなければそれはそれとして受けとめてご夫婦で生きていかれる方、

絶対に子育てをしていきたいから養子縁組を考えられる方、

また、できるだけ血の繋がりを残そうと精子提供や卵子提供を受けられる方、

“子どもを授かること”についての考え方は、いろいろです。

 

ただ、卵子提供をしている医師が、

「子どもがいる家庭というのは温かいものです」とおっしゃってましたが、

私は、家庭の温かさは、子どもがいてもいなくても、その家族から生み出されるものだと思っています。

他人の価値観は他人のものとして置いておいて、

ご夫婦がどうしたいか、ご夫婦の価値観にあった選択を自信をもってしてくださいね。


子どもを望むようになるタイミングと年齢と。

毎年、祇園祭の頃は、梅雨明け前の大雨が降ります。

今年は全国各地、局地的な豪雨に見舞われていますね。

私たちは自然の中で生きていますが、

自然には美しい面も非常に厳しい側面もどちらもあることが改めて身に沁みます。

 

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年齢が上がるにつれて妊娠が難しくなることはご存知かと思いますが、

40歳以上で出産された方が周りにおられるかもしれませんし、

「確率が下がるだけでできないことはないんじゃないかな?」

「体外受精をしたら授かるんじゃないかな?」

と思ってらっしゃる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「治療はじめるには遅いって分かっているんですけど…」と

遠慮がちに来られる40代の方もおられます。

 

40代になると無事に出産に至る確率は大きく下がります。

医学的には35歳を過ぎれば高齢出産ですし、流産率も上がってきます。

ですので、子どもがいる人生が第1目的なのであれば、

早めに行動された方がその願いが叶う確率は高くなるかと思います。

 

ただ、

「子どものことを考えてはいたけどこんなに妊娠しにくいとは思ってなかった」

と実感するまでに時間が必要であったり、

状況や心の在り様との兼ね合いもありますし、

これまでいろんなことがあって、いろんなことを考えての“今”だと思います。

「子どものこと、真剣に取り組んでみよう」、「後悔したくないし妊娠のために動こう」

と、ご自分の“タイミング”が来て、行動されるようになるものかもしれませんね。

 

「今からでも遅くないですか?」と心配になる気持ちは想像できますが、

「子どももちたいな」という思いが強くなったのが“今”だったのだとしたら、

今、どういう状態かを知って、どういうことができそうか、一緒に考えてみませんか。

ご夫婦が「子どもをもちたい」思いと一緒にどんなふうに歩まれたかということも

人生にとってとても大切な時間だと思っています。


お手紙、ありがとうございます。

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時折、お手紙をいただくことがあります。

 

お手紙にはだいたい、治療の経過や気持ちの変化などを書いてくださっていて、

加えて、私(臨床心理士)と話したときのこと、そのときの気持ちのこと、

それからどんなことを思ったり感じたりされていたか、ということを伝えてくださいます。

 

お話を聴いていて

「あ、ちょっとスッキリされたんじゃないかな」と思うときはあります。

引っかかっておられたであろうことをパッと言葉にされたり

もやもやされていた葛藤が整理されたのだろうなというとき、

みなさんの雰囲気が変わったりするのでそう思います。

けれど、その体験をみなさんがどんなふうに受けとめておられるかは

みなさんの中でしかわからないことなので、

こうやって改めて伝えてくださることで、

「この方にとってはこういった体験だったんだな」と

私はわかることができます。

 

出来事や思ったこと、感じたことを、思うがまま話したとき、

相手が自分の心情に沿って話をきいてくれたとき、

心が動いて、時には悲しいわけでなくても涙が出たりするものです。

私も時には、“話す側”になることがあります。

私にとってそういった時間は、毎日の暮らしの中で、

無意識のうちにコントロールしたり気付かないふりをしてしまって縮こまってしまった心が、

本来の状態に戻って自分と繋がりなおす時間になっています。

 

お手紙ありがとうございました。

自分の心は大切な一部です。

心を大切にしたり、心の働きかけをキャッチしていくことで、

より自分らしく生きていけると思っています。

自分らしく生きていくことを楽しみだと思うことができるって最高ですよね。

よりあなたらしく生きていかれるこれからを私も楽しみにしています。


下半期のスタートです

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6月は、「今月中に妊娠したら学年が間に合いそう!」という声をちらほら聴きました。

“6月までに妊娠したら3月中に生まれるかも!”ということだったのですね。

お友達や親族が妊娠されていたら、同級生になるかもしれませんし、

お2人目さんを希望されている方でお1人目さんとの学年差を気にされる方もおられますし、

「できたら今月中に!」と願っておられたのかと思います。

そういった背景はなくとも「できるだけ早く」という気持ちはずっとあるものでしょうしね。

 

お誕生日、年末、年度末やこのような“区切り”になるような時期は

いつもよりもちょっと「妊娠したい」気持ちが強くなるように思います。

妊娠を望んでいる日々のことをみなさん

「いつがゴールかわからない」 

「いつまでこの生活が続くかわからない」とよく仰いますし、

「できたらここまでには妊娠したい」と“区切り”を意識されるのではないでしょうか。

 

なかなか終わりが見えなくても、

「検査が終わった」、「旦那さんが治療に協力してくれるようになった」、

「体外受精にすすんだ」、「やっと移植ができた」などの変化があると、

“前に進んでいる”感じがして、少し清々しく感じられるときもあるかと思います。

「毎周期同じこと繰り返してるだけだな」と思えてしまうようなときもあるかもしれませんが、

“妊娠の可能性を高めるために、毎周期続けている”ということ自体がとても大変で尊いことです。

これまでを振り返ってみられて

“できるようになったこと”や“妊娠のために続けていること”といった変化や頑張りを実感しながら

下半期もご自分たちのペースですすんでいってください。

 

 


親が「子どもまだか?」ときいてきます。

梅雨入りしてからしばらくはお天気がよくて

「雨が降らなくてもいいのかな」と思っていましたが、

夏至の昨日は大雨で、来院された方は本当に大変だったと思います。

もうしばらく雨が降る日が多くなりそうですが、

季節感を楽しみながら過ごしていきたいですね。

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妊娠したい理由の1つに

“親が待っているから”もあるようですね。

親御さんと話す度に「子どもはまだなん?」とか、「○○ちゃん、子ども生まれたよ」と言われるから

「親からのプレッシャーから解放されたい!早く親を喜ばせたい!」と

親御さんの気持ちも気にされている方が多いです。

 

ところが、そういったことを気にしている方が多い割りに、

「気にしてるから言わないで」と伝えている方は少ない印象です。

多くの場合「授かりものだから」「もう少し2人の時間を楽しみたいから」と、なんとなく流したり、

それとなく話題を変えることで「気にしていることに気付いてもらいたい!」と

と願っておられるように思います。

 

そういった話をみなさんから聴いていると、

親御さんたちがみなさんの気持ちをどれだけ思い巡らしておられるのかはわかりませんが、

私には、親御さんが願望や価値観を押し付けているかのように聞こえてしまいます。

言われている方は毎回ドキドキ、ズキズキするわけで、

親御さんが、みなさんの気持ちを思い巡らすよりも自分の思いを伝えることに一生懸命だと、

重たく感じることもあるのではないでしょうか。

 

親御さんたちは

みなさんがどんなふうに思っておられるか分からないこともあって、

ついつい言っちゃうところもあるのではとも思います。

「分からないから知りたくて聞いてくるんだろうな」、とは

みなさんも想像されているのではないでしょうか。

なので、もしかしたら、状況や自分の思いを伝えれば、

親からのプレッシャーは軽減される場合もあるかもしれません。

とはいえ、「親を心配させたり悲しい気持ちにさせたくないな」とか

「治療に通っているって言ったら余計に期待されそうだな」といった

親御さんに対しての気遣いもあるでしょうから、

「もうちょっと経っても妊娠しなかったら伝えよう」と思ったり、

「そういうことは聞かないで、とは言えないな」と思う方もたくさんいらっしゃるのかな、

とは想像しています。

 

周りの人たちが何も言わずに見守ってくださっていたらどんなに楽でしょう、と

心底思っています。


サプリメントの効用

今年は例年よりも早く、そしてたくさんのホタルを見ました。

みなさんも、ホタル、ご覧になられましたか?

 

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「サプリメントを飲んだほうが妊娠しやすいんじゃないかな」

「サプリメントを飲んで妊娠できるんだったら飲みたいな」

と思ったことはありませんか?

 

ご存知の方も多いとは思うのですが、

サプリメントは“栄養補助食品”ですので、足りていない栄養素を補うものであって、

残念ながら“妊娠率が上がる薬”ではないのです。

 

栄養素は、基本的に食事や生活の中で得たり失ったりするものなので

食事や生活を見直すことができたら必要な栄養素を得ることができます。

けれども、食事や生活を見直すといっても難しいこともありますし、

自分に何の栄養素がどれだけ足りていないのかよく分からないこともあるでしょうから

健康的に妊娠していくために身体の状態をバランスよく整えておくため手段の一つとして

サプリメントで栄養素を補うことができます。

 

ただ、葉酸は食事だけでは十分に取れないこともあるので、

1日0.4mgをサプリメントからも取るように言われています。

これは、赤ちゃんの神経管閉鎖障害(二分脊椎など)のリスクを減らすためです。

赤ちゃんの中枢神経系は妊娠初期にできていくので

妊娠1ヶ月以上前から必要量の葉酸をサプリメントからも取っておきましょう。

 

さて、どのサプリメントがいいのか分からないから教えてほしいと思う人も

たくさんいらっしゃると思います。

当院では

ビタミン群、ミネラル、鉄、葉酸を含んだ健康を維持するためのサプリ

抗酸化作用に特化したサプリ、

男性側の機能向上や血流改善に特化したサプリを置いています。

 

栄養素のことを考えると

「妊娠にいい生活習慣にしよう!」と

食生活や毎日の暮らし方を見直してみたくなりませんか?

そういった心がけは心身によい働きかけになると思いますし、

そうやって頑張っている自分を好きになれるかもしれません。

ただ、頑張りやさんは、

「これを毎日食べなきゃいけない!」 「これは絶対食べちゃだめ」など

気がついたらものすごくストイックな暮らしになってしまうこともあります。

こころのゆとりを無くさないように

無理がなく自分にあったかたちで健やかに過ごしてくださいね。


内診で気になること

 

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内診は何度受けても、いろいろ気になるものだと思います。

先生に気になることを相談される方もいらっしゃるようですね。

誰かが気にしておられることは

他にも気にしている方がいらっしゃるかと思いますので

相談があった内容と先生の回答をこちらにのせておきます。

よかったら、今後の参考にしてみてください。

 

☆生理中の内診で、出血量が多くて心配なのですが、大丈夫ですか?☆

 生理中ですので、出血量が多いこともあります。

 内診台のシートなどは、血がついてもかまいませんので、お気になさらないでくださいね。

 

☆内診中に咳で身体が動いてしまって、差し支えないか気になっています☆

 咳で身体が動いてしまうことを気にされているようでしたら、

 内診のときに飴を舐めていただくことで、咳は治まることがありますよ。

 

☆尿が出てしまったら…☆

 心配な気持ちや、気にしてくださる気持ちはとてもよくわかります。

 尿漏れは不可抗力ですし、こちらは全く気になりませんので、

 どうかお気になさらないでくださいね。

 

☆内診のとき、靴を脱ぐので、足のにおいが気になります☆

 仕事帰りなど、1日過ごして来院されるときは特に気になさるかもしれませんね。

 もしお手間でなければ、内診用に靴下をお持ちいただくと、

 みなさんの気がかりもなくなるのではないでしょうか。

 

また、内診からははなれますが、

次の2つもみなさんにお伝えしておきたいということでした。

 

☆おしりを拭くときの注意☆

 ご存知かとは思いますが、おしりを拭くときは“前方から後方へ”拭いてくださいね。

 おしりから前へ拭くと、膣内に大腸菌が入ってしまうことがあります。

 

☆妊娠後の基礎体温について☆

 妊娠なさったみなさんは、いつまで体温を計るのか気にされているかと思います。

 内診で“胎のう”が確認できたら、基礎体温は卒業です!

 おめでとうございます。

 

みなさんが気にされていることは、先生やスタッフにとっては気にならないことが多いです。

基本的には気にしすぎないようにしてください。

もし、何かみなさんの方で工夫をしていただくことで、少しでも気がかりが緩和されるのなら、

気持ちの負担が少なくなるのでいいなあとも思います。

みなさんが楽な気持ちで通院できるように、

“気にしすぎない”や“ちょっと工夫して安心する”など

自分に合ったスタイルで臨んでいただければと思っています。


体外受精をしてみるか、迷われていますか?

最近、急に夏日が続くようになりました。

身体、ぼちぼち慣らしていきましょうね。

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人工授精にすすんでも妊娠に至らなかったり

身体の状態や年齢の要因などから

体外受精を勧められることがあるかと思います。

 

体外受精というと

注射をたくさん打たないといけないイメージがあったり

手術をするという感覚があったり

妊娠していくのではなく妊娠させていく感じがしたりなど

いろいろと想像をされる場合がありますが、

待合室におられるみなさんのだいたい4割強の方が体外受精中の方々です。

最初は未体験の治療に対する不安がおありの場合もありますが

たくさんの方が妊娠という願いに向かって体外受精を受けておられます。

そして、念願叶って無事妊娠、卒業されていかれる方がたくさんおられます。

 

体外受精は必ずしも注射をたくさん打つわけではありませんし、

採卵の日と移植日に仕事を休めたらいいので仕事も続けながらされている方がたくさんおられます。

体外受精を考えたときに、具体的にわからなかったりネットなどの情報で頭がいっぱいになったりで

不安や胸のひっかかりがあるかもしれませんが、

そういったことは遠慮なく医師やスタッフに

「みなさんどうされているんですか?」

「私はこうだったら不安なのですが、それでも体外受精できますか?」

など、質問してください。

体外受精は妊娠の確率が一番高い治療法ですので、

「子どもがほしい」という願いを叶えていくには

とても心強い方法なのではないでしょうか。


妊娠菌は、ありません。

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“妊娠菌詐欺”のニュースを見ました。

「女性が妊娠しやすくなる『妊娠菌』がついている」と称した白米が

インターネットで売買されていることが分かったそうです。

腹立たしく思ったのはもちろんなのですが、

“妊娠菌”という言葉が当たり前のようにニュースで使われていることに

とても驚きました。

妊娠菌は“妊娠している人の近くにいると妊娠しやすい”という意味合いで使われていて

“妊娠菌がついている”という絵なんかもネットで売買されているようですね。

そういったものの中には、本当に妊娠されている人からの出品もあるのかもしれませんが、

本当に妊娠されている人のものであろうとなかろうと

ニュースでも「妊娠菌感染には医学的な根拠はありません」と伝えられてましたし、

そもそも医学的に妊娠菌の研究はされていないようです。

「周りに生理になっている人が多いと生理が来る」なんてことも言ったりしますが、

そういったものに根拠はありません。

 

「これで妊娠できる可能性があがるのなら…」と思って買った方も

“お守り”程度の軽い気持ちで買った方もいらっしゃるでしょうが、

きっとみなさん

“冷静に考えたらそんな菌が存在するわけないことはわかっているけど

それでも買ってしまった、買わざるを得ない心の状態だった”のかな、と

想像しています。

 

妊娠したい切実な思いを

こんな形で利用してくる良からぬ人がいるようです。

妊娠のために、やれるだけのことをしたい気持ちもすごく分かります。

妊娠の可能性があがるような口コミや宣伝文句に心が奪われそうになる時もあるでしょう。

そんなときには、こんなふうに想像をしてみてください。

―あなたの友人が妊娠を望んでいて、あなたに、

「この間、ネットで『妊娠菌がついている絵』が売ってて買ったの!

 妊娠している人が描いた絵もってると妊娠するんやって。

これでほんとに妊娠したって口コミがたくさん載ってたの!

私もこれで妊娠できるといいな。」

と、話した。―

さて、どんなふうに思いますか?

こうやって客観的に状況をみてみると

少し冷静さを取り戻すことができるのではないかな、と思っています。


妊娠を思いながらの歩み。


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当院では、最初の1~2周期の間に

基本的な検査は終えられるようなスケジュールを紹介しています。

そして、何も問題がなければタイミングからすすめていきますが

しばらくタイミングで妊娠に至らないようであれば、

人工授精、そして体外受精をご案内しています。

転院されて当院へこられた方や

できるだけ効率よく診てもらいたいと思っておられる方は

こういった流れに大きく戸惑われることは少ないようですが、

「ちょっと診てもらおう」という感じで来られた方は

「いやあ、それは、、、まだいいんじゃない?」と思うこともあるみたいです。

 

妊娠率は年齢と関係があるものですし、

後から「もっと早くにしておけばよかったな」と

過ごした時間を「無駄だった」と感じる方もいるので、

できるだけそういった思いをされないように

当院ではこのような方針にしております。

 

「今こう思っているから、今これを選ぶ」ではなくて

「この先後悔をしないように、今これを選ぶ」のは、

最初の間は、気持ちが“ぴったりしない”こともあるかもしれません。

「できたら今は、ここまではしたくないんだけど…」

と思う気持ちもありながら、

「まあ、でも…やっておいた方がいいし。妊娠したら気持ちも晴れるし頑張ろう」と

すすめておられる方もいます。

一方、「今の自分が感じていること」を優先した決断をされる方もいらっしゃいます。

「今、自分たちはここまでしようと思わないし、もう少し様子をみてから考えたい」と

自分たちの思いに沿ってすすめておられるようです。

 

妊娠のためにできることを効率よくやっていくことは

妊娠の確率をあげていくために、とても大事なことです。

一方で、妊娠に関する知識を得た上で、

自分たちは子どもを授かるためにどこまでの検査や治療を希望するのか、

考えながらすすめていくプロセスもとても意味があることですよね。

みなさんは今、どんなふうに歩みをすすめておられるのでしょうか。

「妊娠したいなあ」と思われてからこれまで、どんなふうにすすんでこられましたか。

少し振り返ってみてください。

そして、今の自分に、やさしく声をかけてあげてほしいのです。

さて、なんて声をかけますか?


理想とは違っても。。。

今年は例年よりも長い間、桜を楽しめたように思います。

みなさんはどんなところで桜を見られましたか?

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長い間不妊治療をされていたり

「できるだけ早く妊娠したい」と強く願っておられたり

夫婦生活をもちにくい場合などは

「私たちも体外受精した方がいいのかな」と考えることもあるかと思いますが、

結婚なさったばかりだったり妊娠を望まれてから日が浅かったりすると

「妊娠できるかな」と不安がよぎりながらも

どこかで「授かるんじゃないかな」、「まだ不妊ってわけじゃないから」という気持ちもあって、

「どうしても授からなかったら体外受精するけど」とは考えはするけれども

まだ身近な選択肢とは思えない時期ではないかな、と思います。

 

誰もが自然に妊娠したいと思うものでしょうし、

小さい頃からなんとなく思い描いてきた未来図に

「なかなか妊娠しないかもしれない」という出来事があるとは

ほとんどの方が想定していなかったのではないでしょうか。

中には、思ったより妊娠していかないことに

「人生で初めてつまづきました。」とおっしゃる方もおられます。

 

「人工授精ならやってみてもいいかな」とチャレンジして

それほど確率が上がる治療じゃないと説明を受けていても

今までとは違うことをしているわけですから「妊娠できるんじゃないかな」と思ったり

高温期はいつもよりもお腹や身体の状態を意識して暮らしたりしますものね。

それでも生理になったとき、

気持ちを切り替えて3回目以上人工授精しても結果がついてこないときや

「これでダメだったら体外受精に…」と決めていてダメだったときは、

「本当に妊娠しにくいんだな」と落ち込んでしまいますよね。

そういった経過があって

「いろいろ試して妊娠しにくいんだから体外受精で挑戦しよう」と

現実的に考えられるようになるものなのかもしれません。

 

当初の理想とは違った選択を

どこかで受け容れていくときがあるのかもしれませんが、

きっとその選択は、悲しいだけのものではなくて、

新たな可能性が拡がるものだとも思います。

どちらかというと、考えに幅が出ることで、

それまでよりも気持ちにもゆとりがうまれるように思っています。


「休んだら妊娠しますか?」

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今年は桜がゆっくりだなあと思っていたら、

急に暖かくなったので一気に咲き出しましたね。

 

気持ちがいっぱいいっぱいになったとき、

「少し休んだらどう?」と言われることがありますよね。

「“休んだら妊娠した”ってブログに書いてあったんで、休んだらできますか?」

と、たずねられることもたくさんあります。

休んでいるときに授かる場合もありますし

治療を続けていて授かる場合もあるでしょうから、

「こうしたら妊娠しますよ」というものはないとは思うのですが、

「休んだら妊娠しました」という話を聴いて気持ちが揺れるときは

結果が出ないまま治療を続けていくことに不安や疲れがあるときではないでしょうか。

状況が変わらない状態が続くと気持ちも身体も疲れてきますし

なにか違ったことを試したくなりますよね。

けれど、治療を休むと余計に妊娠から遠ざかる気がすることもあって

自分では「休もう!」とは思えなかったりする場合もありますよね。

また、誰かに「そんなに考え込まないで。リラックスしたら妊娠するから!」と

軽々しく言われたような気がしたら、

「何も知らないのにそんなこと言わないで!」と思って

余計に休もうとはしにくくなるかもしれません。

親身に一緒に考えてくれた人の「休んだらどう?」が心に響く時や

状況が休むことを余儀なくした場合は

無理をせずに休めるかもしれませんが、

自分で自信をもって「自分のために休む」選択をすることも

大切なことなんだろうなあ、と私は思っています。

 

休んでいる間は、

“通院しなくてもいい、薬を飲まなくてもいい、注射を打たなくてもいい、

仕事の調整をしなくてもいい、お酒を気にせず飲める、旦那の帰りが遅くても気にならない、

タイミングを意識しなくてもいい、体温が気にならない、生理前のプレッシャーがほとんどない…”

一度休んでみて、その違いを実感して初めて

「ああ、私、こんなにたくさんプレッシャーを抱えていたんだなあ」と

どれほど頑張っていたのか気付くものかもしれません。

プレッシャーなどでキュッとかたまった心や身体を

一度フラットな状態に置いてあげると自然と弛んでいきます。

 

結果が出ずに治療を続けていることがつらくなってきたときなどに

2、3ヶ月ほど心や身体をしっかり休めて

また治療に戻ってみるというつきあい方も

一つの選択肢としていいのではないかなと思っています。

 


「もう一度妊娠したときのためにできることはありますか?」

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前回のブログで“流産の80%は受精卵の染色体異常によるものです”

とお伝えしました。

ほとんどの場合はこのことが流産の原因なのですが、

この他に、流産に関わるリスクというものがあります。

子宮の形や内分泌の状態、

血液の固まりやすさやご夫婦の染色体が

流産のリスクと言われています。

そういったリスクがあるかどうかを確認する検査がありまして(不育症の検査といいます)、

当院で受けていただけますし、流産を繰り返された方には説明もしております。

検査の結果、もし何らかのリスクがあると分かった場合、対処できるものもあるのです。

実際のところ、リスクがあった場合に相応の対処をすることで妊娠継続率は上がります。

そして、気持ちの上でも、

「もう一度妊娠したとき、リスクを防ぎながら過ごせるから、今度は大丈夫かもしれない」

と思えることができたら、少し安心材料になるのではないかな、と思っています。

 

命が宿っていなくなってしまったあと、

誰かに説明するのは難しいような感覚があったり

いつもよりも気持ちの揺れ具合が大きくなる方もおられます。

このタイミングで、もし、周りの人の妊娠のお知らせなどがあったならば、

そのお知らせの衝撃はとても大きいものなのでは、、、など思っています。

そういったときは“明るく周りの幸せを喜ぶ自分”にはしばらくおやすみしてもらって、

淡々とやっていきましょう。

“ちょっとブラックな気持ち”の自分がいたり

自分を責めたり他人をうらやんだりする気持ちもあるかと思いますが、

そういった気持ちになる自分にも「OK」と言ってあげてください。

妊娠のことを考えてしまいそうな場面や子どもの話題が出そうな場面は、

思い切って避けちゃうことも一つです。

「わがままかもしれない」と心配になるかもしれませんが、

まずは“自分が安心していて少しでも楽な状態”で過ごすことが一番だと思います。

また、そんなふうに思ったり考えたり、頭に過ぎったり身体で感じたりして、

「困ったなあ」と思ったときは、カウンセリングルームの話しに来てみませんか?

 

流産後に

カウンセリングを受けることで、

もう一度妊娠されたときの妊娠継続率を上げると言われています。

身体と心は繋がっていますので、

心の方からも身体の状態を整えていくことができます。

 

もう一度頑張ろうと思うときに、

こういったことも参考にしていただいて

より心強く進んでいただけたればいいな、と思っています。


「どうして流産になったのですか?」

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妊娠をしたけれども育たなかったとき、

みなさん「なんでダメだったんだろう」と思われます。

実は、流産の80%が、受精卵の染色体異常によるものと言われているので、

ほとんどの場合がそこまでしか育てない卵だったということなのですが、

このことを耳にされていかが思われますか。

「そういう原因なら仕方がないし、もう1回頑張ろう」と、気持ちを切り換えられそうでしょうか。

はっきりした原因が分からないと

どれだけ「たまたま起こったことです」と説明をされても納得がいかない時もありますよね。

もしかしたら

「あの時に身体を動かしたからだ」とか

「母親になれる自信がなかったから」と、

自分の中に原因を探してしまうかもしれません。

流産は自分の身体の中での起こったことなので

どこか“自分のせい”に感じてしまう気持ちもありますよね。

 

やっとの妊娠で

周りの人の喜ぶ顔や

自分の中での救われた想いが

駆け巡ったあとの出来事で

気持ちが大きく揺れてなかなか現実についていけないかもしれません。

でも、1つ、これだけは大切にしていただきたいのです。

“自分のせいにしない”こと。

 

人生では、自分が引き起こしたことではない出来事にもたくさん出合います。

また、命の誕生であったり、人の生死には、

納得のいかないことがよくあります。

そういったことが起こると混乱しますし、どう受けとめていいのかわからなくなりますよね。

そういう時はついつい、何かのせいにしたり理由をつけて受けとめてしまいがちなのですが、

“起こったことを、ただそのまま受けとめていくこと”が大切なのでしょうね、と思うのです。

 

悲しい気持ち、悔しい気持ち、自分だけつらい想いばかりしているのではないか、という気持ちが

湧いてくるのは当たり前だと思います。

けれど、時間が経てば何か別のことで笑える自分も出てきます。

なので、まずは、ゆっくり眠って心身を休ませて

ご飯はできるだけ誰かと楽しみながら食べて心身にエネルギーをあげてみませんか。

流産のことを考えずに過ごせる時間をもつようにしてみるのもいいかもしれません。

時間が経っても、流産のことを思い出すと涙は出てくるかもしれませんが、

トータルで振り返ってみたら少しずつ落ち着いていくはずです。

元通りの自分ではなく

その経験があったから、よりパワーアップした自分になっていくのではないかな、と思っています。


「私以外にも流産になる人はいますか?」

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「やっと妊娠できたけど、育っていかなかった…」

赤ちゃんを望む中でそういった思わぬ悲しみに出合うことがあります。

流産は、待望の妊娠が叶ってトンネルを抜けて世界が変わったような感じを味わっている時に

不意に知らされます。

聞いたときは「まさか」と思いますし、悲しみもとても大きいですよね。

 

1回の妊娠に対する流産率は38%と言われています。

この数字をどんなふうに思いますか?

100件の妊娠のうち、流産にならないのが62件ということですよね…。

初めてこの確率を知ったとき、私は「こんなに多いんだなあ…」と思いました。

 

当院のホームページに、“卒業された方の声”というページがあります。

当院で妊娠されたみなさんが卒業される日に一言頂戴しているものなのですが、

その中に流産の経験に触れておられる方が何人かいらっしゃいます。

もちろんそのことに触れておられない方もいらっしゃいますので

実際はもっとたくさんおられることになります。

流産の経験を友達から聞くことって、あまり多くありませんよね。

その後、新たな命を生み出されてから「実はこの子の前に流産してるねん」

と言われることは、まだあるかもしれませんが…。

 

周りから流産した話を聞くことはあまりないので

「なんで自分だけ…」とどうしても思いがちになりますよね。

けれど、周りには、「なんで自分だけ…」と流産のことを言わずに

同じようにご自身の中で悲しんでおられる方がいらっしゃいます。

そして、流産のあとはもう一度妊娠していくことを怖く感じる方が多いです。

2回流産を繰り返された場合は特にそう感じられているように思います。

どうしても「もし、また流産したら…」と考えますよね。

あのつらさはもう身に起こってほしくないですもの。

卒業された方も、そういった気持ちを抱えつつ、

それでも無事の出産を望んで通院を続けておられたのだと思います。

 

流産後の妊娠に、カウンセリングが有効だといわれています。

流産の体験を誰かに話すことはとてもエネルギーのいることだと思いますので

なかなか受けにくいところがあるかもしれません。

「話すと泣いてしまうから受けない」と思うこともありますよね。

当院でのカウンセリングは、

特に“不安”や“悩み”に限った話をする場所というわけではありません。

次の妊娠まで、

この先どうしていくか答えが出るときまで、

または、今よりも主体的に生きられるように、

ただ“自分のことを話せて状況を知らせることができて一緒に考えたりできる場所”と

思っていただけたら、と思っています。

 


“カルテット”から、夫婦関係を振り返って。

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今シーズン放映中のドラマ「カルテット」の第6話がネット上で盛り上がっていたようで

ネットでの盛り上がりだけでしたら特に気にならないのですが

スタッフや友人の間でもその話になると盛り上がるので

きっとたくさんの方が「わかる~」と思ったりドキッとしながら観ておられたのだと思います。

 

ご覧になってない方もいらっしゃるかもしれませんが、

第6話は、松たか子さんが演じる真紀さんとその夫さんの

出会いから結婚、そして夫が家を出て行くところまでのやりとりと心情が

とても繊細にそしてリアルに描かれていました。

夫は、恋人のような関係でいたかった。

妻は、家族ができてうれしかった。

理想とは違った現実に物足りなさを感じたり

相手を想っての言動が相手には嬉しいことではなかったりして、

すれ違いが一つずつ積もっていって、気づいたときには大きくなっていました。

 

夫婦で居続けることって、とてもむずかしいですよね。

相手が自分の一番の理解者だとしても、お互い違った価値観をもっていますので、

こだわりも、望みも、大事にしている感覚も、違っています。

自分が相手との関係を良好だと思っていても、相手もそう思っているとは限りませんし、

その逆で、自分が相手との関係に物足りなさを感じていても、相手もそうだとは限りませんよね。

自分がいいと思っていることを相手が同じ温度で共有してくれたら

それはとてもラッキーな瞬間なのでは、と思います。

それが当たり前ではないですものね。

 

ドラマを観ていて、

「どうしたらここまですれ違わずに済んだのだろう」

と、考えられた方も多かったのではないでしょうか。

私は、別居や離婚も選択肢の一つなので、「避けられるなら避けなければ」とは思っていませんが、

“お互いが夫婦でいたい気持ちがあるけれどもすれ違っていっている”のならば

なんとかできたらいいな、と思いますものね。

みなさんは、何かいい案が思い浮かびましたか?

 

“相手の靴に足を入れてみる”

―相手の目で見、相手の耳で聞き、相手の心で感じること―

これはカウンセリングのアイデアの一つです。

相手の靴、旦那さんや奥さんの靴に足を入れているところを想像してみてください。

相手の靴に足を入れて世界に立ってみると

見えるもの、聞こえるもの、感じることが違ってきますよね。

相手は、自分のこういう表情を見てたんだ。

相手は、自分の話をこういうふうに聴いていたんだ。

相手は、自分の態度や言葉に、こんなふうに思ったのかもしれない。

普段の自分は気づかないことにたくさん気付きませんか?

「あのとき私は不満に思ったけど、相手はこう思っただろうな」

「あのとき私は何気なく断ったけど、相手は私の想像よりがっかりしたかもしれないな」

など、いろんな発見があるかもしれません。

“私が相手だったらどう思うかな?”という想像と、

“相手の靴に足を入れてみる”という想像では、

後者の方がより相手の感覚に近い想像ができるように思っています。

 

 


「みんなが頑張っているから、私も頑張ります」

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三寒四温、本格的な春にむけて季節が移ろいでいますね。

日が暮れる頃の景色が、なんとなく春っぽくなってきたように感じています。

気温差が大きい日々になりますので、みなさん体調にはお気をつけくださいね。

 

子どものころ、家族や先生から

「ほら、周りのお友達はみんなちゃんとしてるよ!○○ちゃんもちゃんとやらなきゃ!」

と言われたことが誰にでもあると思います。

そう言われると、自分だけが周りと違ってはいけない気がして、慌ててちゃんとしますよね。

“みんながやっているから、私もやる”

“みんなが頑張っているから、私も頑張る”

こういった考えは、いつの間にか当たり前に私たちに浸透しましたし、

そういった考えが励みになってやってこれたことはたくさんありますよね。

 

例えば、「お友達もみんな頑張って治療しているから、私も頑張ろうと思って」と

周りの人たちの通院が自身の通院の後押しになっていたり、

体外受精にチャレンジするときに「たくさんの人がやっていることだし、大丈夫。私もできる」

と、心強く一歩を踏み出せたり。

“みんな~だから”と思うことが励みになったり、安心感や一体感が生まれたりと

気持ちの支えになってきたのですね。

 

一方で、先日観た劇の中に

「“みんな我慢してるから我慢しよう”ってつらいじゃないですか」というセリフがありました。

どういうことなのか想像してみたのですが、

“みんな~だから”には、ひとりひとりがどのように感じているのか、ということが含まれないのですよね。

“みんな~だから”、「そうすることが良い」「そうしないといけない」と思って行動すると

「私はこんなふうに感じているんだよ」という気持ちは置いてきぼりのように思います。

あのセリフは、「そこに“本当の自分を生きられないつらさ”が隠れているんだよ」

というメッセージだったのかなあ、と想像しています。

“みんな~だから”と思うことで、自分を鼓舞することもできれば、

自分の本当の気持ちを曖昧にしていることもあるのですね。

 

振り返ってみると、“みんな~だから、私もこうする”と思っていることって、よくあるんですよね。

そう考えることで、自分の気持ちを高めたり勇気をもらったりと“わくわく”しているのか、

それとも、どこかで自分の本当の気持ちを呑み込んでいるのかは、場合によって違うものです。

自分の気持ちを置き去りにしていないかどうか、

自分も本当にそうしたいと思っているのかどうか、

自分が感じていることを大切にしておきたいな、と思っています。


男性の気持ちを知ることはできるでしょうか。

一月半ば頃から定期的に雪が降っていましたが、暦の上ではもう春ですね。

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さて、私は先日、男性の不妊のこと、生殖のことやセクシュアリティをテーマにした

人文社会学系の研修会に参加してきました。

男性は不妊治療をどのように体験しているのか、などについて

インタビューや本、メディアなどの情報を元に論じられていました。

発表されている方々は体験者というわけではなく、

研究として、また現場からの報告としての発表でした。

 

その中に泌尿器科に通われている男性へのインタビュー調査がありました。

数人の方がインタビューに協力されて、

精子に原因があると分かったときの気持ちや手術をうけるかどうかの逡巡、

奥さんに対してどう思ったか、周りの人には知らせたか、などについて

ご自身の体験を語られていました。

協力された方は、男性不妊は一般的にはまだ情報が少なくて孤独だと実感されて、

社会的認知の広まりを目的としてインタビューを受けられたようです。

協力された方は無精子症や乏精子症で通院されていた方で、

勃起障害などの性機能障害の方の協力はいただけなかったそうです。

“男性不妊にあてはまると男性性が否定されているように感じるのではないか”という想定もありますが、

この調査では、男性は「精子がないのは病気だから」と生殖機能と性機能を分けて捉えておられ、

夫婦生活については特に問題なく語られていたことから、

“性機能には問題がないことで男性性を否定せずにいられるのではないか”と示唆されていました。

 

男性が検査や治療への協力に抵抗を感じていらっしゃると

女性としては「女性は何回も内診受けてるのに…」と思ったりもしますが、

“男性にとってはどういった体験になるのか”を想像すると、

物理的に“ただ精液を提供する” だけでなく、男性性が揺さぶられる体験になるかもしれないのですよね。

 

その後、この研修会の感想を男性の知人と話すと、彼は、

「男性の気持ちって言っても人それぞれじゃないですか。

そんなふうにどこかで話されていること事態が余計に決めつけることになるんじゃないですか。

夫婦でどれだけコミュニケーションとれてるか、にもよるし。

そもそも結婚に何を求めているのか、にもよるし。」

と、一蹴しました。

 

男性側の気持ちの“傾向”や“パターン”を知っていると、参考にはなります。

「こういう場合、男性ってこう思うんじゃないかな」と想像して関わり方を見つめなおすことができます。

なぜ旦那さんとの間に温度差があるのか、納得できる理由が見つかるかもしれません。

ただ、知人が「人それぞれ」と言ったように、

物事をどう受け止めるかについてはその人の価値観や生き方によるもので、一人ひとり違うと思います。

結局のところ、男性の気持ちではなく旦那さんがどう思ってるのかを知っていきたいですね。

 


タイミングの日は伝えた方がいいですか?

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旦那さんに「この日にタイミングとってって言われたよ」と言いづらいと

毎周期タイミングをとることが大変ですよね。

夫婦生活が週に何度かあるご夫婦でしたら

こちらから言わなくても自然とタイミングが重なるかもしれませんが、

夫婦生活の回数が少ないご夫婦や仕事が忙しい場合は

お互いが“タイミングの日”を意識しないとタイミングが合いにくいですよね。

 

“旦那さんにタイミングを伝えたら旦那さんがプレッシャーを感じてできなくなる”

といったエピソードを聞いて、伝えることを迷われる方が多いようですね。

全ての旦那さんが「誰かに言われてするなんて…」と否定的なわけではありません。

「いつがいい日か教えてもらわないと分からない」と思ってらっしゃる方もたくさんいらっしゃいます。

これは、旦那さんが夫婦生活をどう思っていらっしゃるのか、

そして、妊娠のこと(機序や確率のこと)をどれくらいご存知か、

妊娠をどれほど身に迫って考えておられるか、というところでも

スタンスが変わってくるかな、と思っています。

奥さんの方が焦りを感じて先に妊娠のために行動し始めた場合

旦那さんは奥さんの行動に引っ張られるわけですので、

もし「赤ちゃん、欲しいのは欲しいけどもうちょっと自然に待ってみよう」

と思ってらっしゃる旦那さんだったら

“奥さんと同じ温度で進むことを期待されること”に最初は戸惑われると思いますし

状況を受け容れていかれる時間も必要ですよね。

 

ただ、旦那さんがタイミングの日もいつもと変わらないかと言うと

それはやはりどんなに現実的な方であっても多少は気負われることと思います。

奥さんの子どもが欲しい気持ちが伝わっていれば尚更、

「今日は失敗できないな」という気持ちがあるのではないでしょうか。

もしタイミングが取れなかったら、旦那さんもショックを受けられるでしょうしね。

 

タイミングをとることで、

夫婦生活が作業というか、ミッションというか、

そういった類のものになっていると感じられるご夫婦もいらっしゃいます。

自然と求め合って、という状況でなければ気分が高揚しないこともあるでしょうし、

結婚してしばらく経って、夫婦生活自体がマンネリ化している場合もありますものね。

夫婦生活をできるだけ楽しむために

タイミングの日はホテルを利用するなど、工夫されているご夫婦もいらっしゃいますよ。

 

タイミングの日は伝えた方がいいかどうか、も含めて

やはりご夫婦で話し合って工夫して出された答えが正解ではないかと思います。

“やってみないとわからない”が正直なところですので

もしご夫婦で出した答えがどちらにとって負担であったのならば

またそのときに話し合ってどうするか考えて、と、

そういったやりとりの軌跡がご夫婦の正解なのではないでしょうか。

 


変化についていくこと、変化を楽しむこと

 

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結婚や転勤で住む場所や生活スタイルが変わることがあります。

他府県から滋賀に来られたり退職などで環境の変化があった方がいらして

多くの方が「新しくともだちをつくるって難しいですよね」と仰ります。

今までの友達とは、メールや電話はできてもなかなか会えないでしょうし

これまで職場で雑談していた時間もなくなると

「気付いたら今日はレジのおばちゃんとしか喋っていない!」という日が

日常になってきますよね。

オリエンテーション(カウンセリングのご紹介)をしているときに

「こんなにゆっくり人と話したの久しぶりです」とお聴きすることが珍しくなく、

お仕事や習い事がなければ、あとは美容室などで接客してもらうときくらいしか

おしゃべりする機会ってないものなんだなあ、と、思いました。

 

中には「友達と話さなくても、独りの方が楽だから」と思ってらっしゃる方もおられますし

「友達と話さないといけない!」というわけではもちろんないのですが

そういった環境や状況の変化に慣れていくことが、時に難しかったりするのだなあと思っています。

「前の場所だったらあのお店に行ってあれ買うのに、こっちでは売ってないな」のような

“生活に大きく差し支えはないけれど残念なこと”もチラホラありますし

「妊娠を優先したくてストレス避けたいから仕事はしてないんです」と

今の自分にとっていい方を選んでいるはずなのに、毎日がもの足りなく感じたりとか。

そんな中「早く妊娠したらこんなこと考えなくていいのに…」って思っちゃったり、とかね。

 

こういう時「あ、私、また妊娠のこと考えてる!」と気付くことができると

他に何か集中できそうなことをしたり、深呼吸に集中したりするなどして

思考のループからはなれることができます。

 

“前の暮らし”や“周りの人の暮らし”とついつい比べたりするものですが

“今の暮らし”だからこそ見つけられることもあるのだろうなあ、

今の状況だからこそ気づけることもたくさんあるのだろうなあ、と思ったりしています。

 

さて、今季最大の寒波がきているそうで、とても寒いですね。

明日は雪が降るかもしれませんので、来院予定のみなさま、

くれぐれも気をつけてお越しくださいね。

 

臨床心理士 間塚


2017年を迎えて。

明けましておめでとうございます。

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新しい年、いかがお迎えでしょうか。

たくさんの方が気持ちを新たに、これからの自分のことやご夫婦のことを

思い巡らされたことと思います。

 

ご実家に帰省された方もたくさんいらっしゃると思います。

帰省先で、お子さん連れのご親族や妊娠中のご親族の方と

一緒に過ごされた方もいらっしゃいますよね。

そういった環境に身をおくことや、両親や義父母、親族の言葉かけや反応に

不安を感じながら帰省された方も多かったと思います。

胸がキュッとなったり、自分の対応が嫌になったり、周りの理解のなさに悲しくなったり

いろんな気持ちがあったのではないでしょうか。

気持ちを抑えて頑張られていたであろう姿を想像しています。

 

「妊婦姿の義妹にやさしくできなかったな」

「子どもが騒いでいるのに放っておく義兄夫婦が許せない!」

「孫と幸せそうに遊んでいる親の顔を見て胸が苦しくなった。」

など、できるならば引きずりたくない想いが今もひっかかってらっしゃるかもしれませんね。

今は、よく思いがちな「もう少し自分の器が大きければ…」というような気持ちは置いておきましょう。

あなたが感じたことは、あなたと同じ状況であればきっと多くの人が当たり前に感じることです。

他人にはやさしく振る舞いたかったり

同じような価値観の言動を求めたり

羨望を持ちたくなかったりするのは

人間としてごくごく自然なことではないでしょうか。

 

このようなこともお話に来ていただいて

妊娠を望まれながらの暮らしの中の“休憩所”であれたらと思っております。

今年もよろしくお願いいたします。

 

臨床心理士  間塚


ただ話してみること

気がつけば12月も後半に差し掛かってきましたね。

師走だけあって、日々が忙しく感じられる方が多いことと思いますが

いかがお過ごしでしょうか。

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この間、お話に来られた方が帰り際に

「ただ話を聴いてほしかったんです」

とおっしゃられました。

 

特に悩みや相談はなくても

例えば病院に来るまでにあれこれ考えたこと

病院に来てからわかったことや

旦那さんとのやりとりであったり

ご家族やお友達とのおつきあいだったり

ご自身の頭の中やこころの中に浮かんでは

特に誰かに話すこともないままのことはたくさんあるものですよね。

 

そういったことを話したいけど

自分の話をするのはどこか勇気がいりますし

なにかきっかけがないと話しにくいし

相手に対してなんだか悪いなという気持ちになったり

また話してなんて言われるのか気になって

なかなか話せないという方もおられます。

 

自分が思っていることや感じていることを言葉にすることで

今よりもこころがすっきりしたりホッとしたり

自分で自分を認めることができたりするのですよ。

 

今年1年は、あなたにどんなことがありましたか?

「通院を始めた」 「体外受精にすすんだ」 

「引っ越ししてきた」 「仕事が大変だった」

一言で言ってしまうと簡単になってしまいますが

一言では収められない体験や思いがあるでしょうし

一言で言ってしまうと他の人と同じことも

中身はお1人お1人違いますよね。

 

忙しく日々は過ぎていきますので

ちょっと考えたり困ったり頑張ったりしたことも

数日経てば過去のことになっていきます。

そうしたらもうそのときの自分のことも過去になっていくのかもしれません。

気をつかったり、我慢したり、

頑張ったり、勇気を出したり、

苦しかったり、嬉しかったりした

いろんな自分がいたはずなのです。

今年の自分に「よく頑張ったね」と労う時間を

もっていただきたいなと思います。

 

臨床心理士  間塚


ストレスで妊娠できない?

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イライラしたり腹が立ったり、理不尽なことが起こったりすると

「私、検査しても問題なかったし、妊娠できないのはストレスのせいなんじゃないかな」

と、思ったりされませんか。

 

ストレスに対応しようと働く脳の機能はホルモンを司っている機能と同じですので

ストレスが強いと排卵や黄体機能に影響を与えることは知られています。

例として、ストレスで生理が遅れた、という経験をされた方は少なくないのではないでしょうか。

 

とはいえ、ストレスがあると妊娠しないというわけではなくて(ストレスがない人はいませんし…)

そういった状況でも妊娠される場合もありますので

「ストレスのせいで妊娠できない」と言い切ることはできないと思っています。

ストレスが妊娠に影響している可能性がある、とは言えるという感じでしょうか。

 

定期的にカウンセリングに来られながら妊娠された方を思い浮かべると

―旦那さんとの関係や家族との関係が変わっていかれて

 仕事の環境や状況が変わっていかれて

 ご自身の生活や考え方が変わっていかれて

 迷っていた体外受精にすすむことを決められて

 ずっと抱えてらっしゃった「心のひっかかり」を言葉にされて―

力がふと弛んだときや状況を受け容れられたときなどに妊娠されていかれたように思います。

(もちろん、この限りではありませんが)

 

ストレスが妊娠に影響しているかどうか気になると思いますが

妊娠に影響しているかどうかだけではなく

ストレスは健康や生き方、みなさん自身を揺れ動かすものです。

ただ、ストレスが「悪」や「敵」なのかといえばそればかりではなく

「今のままではあなた自身がしんどくなりますよ」

「これまでとはやり方を変えてみたら、また乗り越えていけるかもしれませんよ」

というサインだと捉えることもできます。

ストレスとどのように付き合っていけば今より楽に感じられるようになるのか

思い切ったり工夫をしたり受け止め方を変えていくことは、

とても意味があることだと思っています。

 

臨床心理士  間塚


ご夫婦の意見が合わないときに

12月になりました。

冬至に向かって日が短くなっていっていますね。

紅葉も散り始めて、冬へと変わりつつありますね。

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前回のブログは、「ご夫婦それぞれの気持ち」についてでしたが、

「旦那さんと意見が合わない場合はどうしたらいいの?」

と思ってらっしゃった方もおられたのではないでしょうか。

「私は早く欲しいのに旦那がそんなに焦ってないから、この話になると雰囲気悪くなるんです」

という状態のご夫婦も少なくありません。

意見が合わないと困りますものね。

 

では、旦那さんの意見はどういった思いからのものでしょうか。

妊娠はよほど身体的な原因がない限りできるものだと思ってらっしゃるのかもしれません。

まだまだ自然のタイミングで様子をみていたいという本音があるのかもしれません。

夫婦生活が機械的になっていく、

もしくはプレッシャーに感じることを不安に思ってらっしゃるのかもしれません。

奥さんが焦ってらっしゃるように見受けられて、落ち着いてほしいと思ってらっしゃるのかもしれません。

これから子どもを育てていく生活に覚悟がもてないのかもしれませんね。

旦那さんはどんなことを思っていらっしゃるのでしょうか。

 

まずは、ご夫婦で正しく妊娠のことを理解していただくために、

説明会に一緒に参加していただくことから始められてはいかがかなと思います。

奥さんばかりが旦那さんに説明していると

旦那さんも素直に受け取れない部分もあるのではないでしょうか。

当事者同士の言い分は受け取りにくいですが、

第3者の意見は冷静に受け取ろうとするものだったりします。

旦那さんとケンカしたときに友達の意見なら素直にきけた、なんてことはありませんか?

森先生の説明をきかれてみたら、また理解が変わってくるかもしれませんね。

とはいえ、説明をきいたらすぐに気持ちが一緒になるわけではなくて

奥さんは奥さんで、妊娠のこと、治療のことを受け容れていく段階があったように

旦那さんは旦那さんでそういった段階があるものだと思います。

 

夫婦間の温度差を気にされていた奥さんともう一度お話したときに

「あれから旦那とケンカしました」とご報告くださることが少なくありません。

「ケンカ」ときくと、なんだか「よくないことが起こった!」ような気が一瞬するかもしれませんが、

だいたいの場合は、夫婦関係や妊娠のことをお互いにとってよりよくするためきっかけになっています。

旦那さんに気を遣って伝えたいことを言わずにいたり、気付いてほしいなと思いながら待っていると

触れてもらえなかったり気付いてもらえなかった場合に悲しくなって怒ってしまうことがあります。

旦那さんは、ご自分からはこの話題に触れないようにされているかもしれません。

「話したら雰囲気悪くなるだけやし」「妻に泣かれたくないし」という気持ちもおありでしょうしね。

お互いの気遣いが溜まってくると、感情のコントロールがきかなくなることもありますよね。

 

相手の思いも聴いて、気遣う気持ちと自分の思いをどちらも伝えていけたら、

相手からもまた違った反応があるかもしれませんね。

 

臨床心理士 間塚


ご夫婦それぞれの気持ち

紅葉が見頃になり秋が深まってきましたね。

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ご夫婦で治療のこと、妊娠のことをお話されるときはどのような感じでしょうか。

奥さんから治療の報告や相談があったときに

「治療したかったらしたらいいし、やめたいならやめたらいいよ」

「治療がしんどかったり負担にならないかが心配だから無理してしなくてもいいよ」

とおっしゃる旦那さん。

旦那さんとしては、ご自分が診察や処置を受けるわけではありませんから、

どれだけ話を聴いていても実際のところ奥さんにどれだけ負担になるのかは分からないし

奥さんに対して申し訳ない気持ちもあるのだと思います。

奥さんがつらそうにしている姿を見ているのもつらくなりますものね。

 

旦那さんがそう仰られるようであれば奥さんは希望する治療ができますし、

「夫のために何が何でも妊娠しなければ!」というプレッシャーも和らぎますよね。

けれど時により、

「夫は夫婦2人でもいいと言っているけど、私が諦められないから…」と

妊娠したい気持ちを1人で背負いがちになられることもあるみたいですね。

 

旦那さんの「子どもよりも奥さんに元気で笑って暮らしてほしい」という想いは

とても温かいものですし、大きな愛情ですよね。

ただ、「もしできるのなら子どもが欲しい」という思いをお2人ともお持ちで

通院した方がその願いが叶う確率が高いと思われるようであれば、

旦那さんには奥さんの負担を分かちあっていただいて

奥さんと一緒に、揺れる気持ちや身体のしんどさの傍にいてくださればなあ、と思います。

奥さんが通院の報告をされたり治療していて思うことをお話されているときに

「しんどかったら、やめたらいいよ」 「そんなにつらいのなら子どもはいらないよ」と

旦那さんが解決策を提案されることって多いんですね。

もちろんそう言ってもらうことで奥さんが安心されるところもあるのですが、

奥さんとしては解決策がほしくて話しているというよりも

「私の気持ちを聴いてほしい」 「今日何があったか知っていてほしい」

というお気持ちの方が多いのではないのかなあ、と思うことがあるのですが、いかがでしょう。

 

臨床心理士  間塚


結果は出てほしいものですが。

11月も半ばになり、木々が色づき始めましたね。

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さて、当院が開院してからずっとこちらでカウンセラーをしていますが、

「結果が出なくって…」というお話には私もいつも「う~ん…」となります。

通院されているからには妊娠して無事に卒業したいのがみなさんの願いですものね。

結果が出ない状態が続いていくと「いつか諦めなきゃいけないのかな」と思われたりしますが、

いつ諦めたらいいのか、なかなか決心がつかないものです。

子どもがいない人生といる人生、どちらが価値があるということでは決してありませんが、

「欲しいと思った結果が手に入ること」に幸せや価値があるように思えるところもあるのだと思います。

 

みなさんが欲しいのは結果や、続けていたら妊娠できるという保証、なのですよね。

そのためにスケジュール調整して通院したり、

やめたい仕事を治療費のために続けたり、

夫婦で何度も話し合って分かってもらえなくてぶつかったり、

いろんなことを乗り越えたり、それぞれの大変さを抱えながら過ごされていますよね。

 

みなさん、妊娠していくために今できること、というのはそれぞれされているのです。

ですから、結果が出ないからといって、誰かのせいということではないのですよね。

 

「もうちょっと年齢が若かったら子どもできたかもしれないのに」と思われたりしますが、

旦那さんと出会うタイミング、子どもを授かりたいと強く願う時期がそうであったのですし、

自然な流れの今なのであって、誰のせいでもないと私は思います。

「ストレスかけたくないのに考えすぎてしまった…」と後悔される方もいらっしゃいますが、

すごくすごく妊娠したいと思ってらっしゃっる中でそのことを考えないのは、

なかなか難しいことなのではないでしょうか。

ちょっとぼんやりしたら、ちょっと手を止めたら、妊娠のこと考えている

という状態になっても当たり前だと私は思います。

 

結果が出ないと、つい原因探しをしてしまいがちです。

結果が出なくても、ご自身やご夫婦が頑張られたことは本当のことです。

原因を自分の中に探すのは終わりにされてみませんか。

代わりに、ご自身の頑張りを自分でしっかり褒めてみられてはいかがですか。

 

臨床心理士  間塚


夫婦生活のこと

結婚して少し時間が経ったり

妊娠のためにタイミングをとったりしていかれる中で

夫婦生活の在り方が変わっていかれるご夫婦は少なくはありません。

以前から夫婦生活のお話をおうかがいすることはあったのですが

最近特におうかがいすることが多いので

今日はこのことについてのお話です。

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夫婦生活のことはご夫婦の在り方と個人の体験や心理的なことも関わったりしますので

「できる」「できない」/「ある」「ない」と簡単に片付けてしまっていいことではありませんよね。

その回答の背景にはそれぞれの様々なご事情や状況があるでしょう。

 

恋人関係から家族になり生活をともにする中で気持ちも変わって

以前ほどは夫婦生活を望まなくなることもあるでしょうし、

“タイミングをとる”ことに意識が向いて

自然な夫婦生活じゃないように思われる方たちはたくさんいらっしゃいます。

また旦那さまが生活の疲れやプレッシャーなどから

思ったように機能を果たせなくなられることもありますし、

奥さまもプレッシャーや義務感などからか

分泌される粘液が少なくなったり痛みを感じられることもあります。

その中で、相手に対して不満や怒りを抱かれる場合もありますし

ご自身の中で、心苦しくなったり自信をもてなくなったり、焦りを抱かれる場合もありますよね。

お互いが夫婦生活をもちにくいと思ってらっしゃるようでしたら

「ないならないで、人工授精や体外受精をすれば妊娠の可能性はあるしいいわ」

とステップアップ希望で来院なさるご夫婦もいらっしゃいます。

 

きっと奥さまと旦那さまそれぞれのご事情やこころの動きがあるでしょうから

このことについては本当にケースバイケースだと思っています。

ただ、思ったように夫婦生活を持てなくて気になってらっしゃるようでしたら

どういったことがひっかかってそうなのか、

どういったことをきっかけにだんだんできなくなってきたのか、

といったことを、お話しながら探していくことはできます。

その中で気づくことや変わっていけることが見つかるかもしれません。

 

夫婦生活は妊娠のための行為という役割だけではない部分もあります。

夫婦生活の在り方にご夫婦の中でお互いが納得している関係が理想なのでしょうが

納得はしきれなくてもお互いの状態や思いを理解している関係でいられるといいですよね。

 

臨床心理士  間塚


通院しようか迷っているときに。

このブログは、通院されていない方や当院を卒業されたみなさんもご覧になられていると思います。

治療を終えられるときに「ブログ、これからも読みますね」と仰ってくださることもあり、

みなさんの暮らしの中の“ちょっとした箸休め”になっているといいなあ、と思っています。_20161020_165031

みなさん、お元気にお過ごしでしょうか。

時折、みなさんとのお話を思い出しては「どうされていらっしゃるかなあ」と思っています。

 

そして、通院を迷っておられるみなさん、こんにちは。

今、どういったお気持ちでホームページをご覧になられているでしょうか。

赤ちゃんが欲しいけど思ったより妊娠に時間がかかるなあと思っている方、

生理不順で妊娠に不安がある方、

年齢を気にされている方、どうして妊娠しないのかわからない方、

妊娠のチャンスがあるときになかなか夫婦生活をもてない方、

今通っている病院とは違う病院が気になっておられる方、

など、状況はそれぞれですよね。

 

初めて診察に来られたとき、

多くの方が「とりあえず来れてホッとしました」と仰います。

それだけ来られるまでに迷いや不安

―「できたら通わずに授かりたい」

「まさか自分が妊娠のために通院するなんて…」

「毎日忙しいのに、通院が負担になるんじゃないかな」

「何歳くらいまで診てもらえるんだろう」

「旦那が“わざわざ病院に行ってまで頑張らなくても”って言ってるし…」―

が、たくさんあるのですよね。

 

誕生日や記念日が近づいてきたり、

周りの妊娠・出産の知らせや、友達が不妊治療に通っていると聞いたとき、

生活状況が妊娠に集中できる状態に変わったときなどをきっかけに

来院される方もみられます。

ご自身が「よし!思い切って行ってみよう!」と踏み出す力になるようですね。

 

大切なことって、ご自身が、ご夫婦が、

これからどんなふうに人生を送っていきたいかということや

そのために今取り組んでおいたほうがいいことを

お2人の間でちゃんと共有できていることですよね。

身体の状態も気になるし病院に行ったほうがいいのかな、行かなくても授かれるかな、

と揺れる気持ちの中で、

「どうするか決める」ことを目的とせず

旦那さんにも答えを出すことを目的にしてもらわず、

ただ思っていることを話して、旦那さんの思いも聴いて、というやりとりの中で

自然とご自身の中で「こうしよう」と気持ちが固まってくるのではないかなと思っています。

 

臨床心理士  間塚


励まされることがしんどいこともあります

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毎日新聞に「香山リカのココロの万華鏡」というコーナーがあります。

香山リカ先生は精神科医で、時折ニュース番組のコメンテーターをされていますし、

ご存知の方もいらっしゃるかと思います。

10月10日付けの新聞には、死産を経験された方のお話が掲載されていました。

一部抜粋させていただきます。

 

―何年も前に会ったある女性は、おなかの赤ちゃんに重い先天性の障害があり、

生まれる前におなかで亡くなった。

夫婦で大変な悲しみに沈んでいたが、親族や友人は励ます意味でか、

こんなことを言ったのだという。

「そういう赤ちゃんなら、もし生まれたとしても、たいへんな苦労だったでしょうね。

これでよかったんじゃないの。早く元気だしてね」―

 

相手には悪意はなかったのは分かっても、この女性にとっては傷つく言葉だったそうです。

 

誰かからの励ましでこの女性と似た気持ちを味わわれたことがある方は少なくないと思います。

みなさんからよくおうかがいするのは

「考えすぎるのをやめたらすぐにできるよ!」

「子どもがいない夫婦は仲がいいからいいじゃない!」

「子どもがいると自由な時間がないから羨ましいわ」

「そのうち子どもの方から来てくれるよ」

など、など。

そう言って声をかけて励ましてくれた相手に悪気がないのも分かっています。

分かっているから余計に言い返す気持ちになりませんよね。

けれど自分の気持ちは分かってもらえないんだなと、もやもやしてしまいますね。

 

私たちには、「前向きに考える」ことがいいことのような意識がありませんか。

現状や出来事がつらくても「いい方に考える」ように励まされてしまいます。

けれども、どんな状況でも前向きに考えるのは不自然ですし、こころに無理が出てきます。

悲しいときは悲しいですし、つらいときはつらいですよね。

 

香山先生は死産を経験された女性に

「まわりの人はどういう態度を取れば、少しでも気持ちがなぐさめられたでしょうね。」

と尋ねられました。

その方は「そうですね。あまり大げさに悲しんでもらいたくないし、

何を言ってもらっても同じかも。だとしたら、そっと泣かせておいてほしかった」

と答えられたということでした。

 

周りの励ましてくれる人の想いがご自分の気持ちと合わなかったり違うなと思うときは

まずはご自分の「そうじゃないの」という気持ちを大事にしていただきたいと思います。

そして「そうじゃないの。私こう思ってるの」と言えなかった気持ちを

誰かに聴いてほしいなと思われることがあれば、お話にいらしてくださいね。

 

臨床心理士  間塚

 

 


カウンセリングは悩み相談?

いくつかの台風を見送っていたら9月が終わり、10月になりました。

この台風が過ぎたらそろそろ秋らしい気温に落ち着いてきそうですね。

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時々「カウンセリングでみんなどんな悩みを話していかれるんですか?」とご質問くださるので、

“カウンセリングは悩み相談”という印象がまだあるのだなあと思っています。

実際は、想像されるような悩み相談というより、出来事や日頃思ったり考えたりしていることを話に来られています。

例えば、「治療のことをお母さんに話したら、応援してくれるって!」とか、

「タイミングはとれるけど、気分じゃないときもあったりして…毎回はねえ~?」とか、

「職場の若い子としゃべってるとびっくりするんですよ。この間もね…」とか

“わざわざカウンセラーに話しに行かなくてもそれなりにやっていけるんだけど

聴いてもらえるんだったら話したいな”という感覚で来られていたりします。

治療のことでも、例えばステップアップするときに様々な迷いの中で決断されることになると思いますが、

その迷いの最中でお話をおうかがいすることもあれば、

決断してから“こういうことで大変でこういうことでも迷ったけど私はこう思って決断したんです”と

ご報告に来てくださることもあります。

 

カウンセリングって何かの答えや解決法を出すことだけが目的ではないんですね。

ご自身の想いや出来事についての受け止め方というのは

話しても安全な場所や関係の中で言葉にすることでより整理されていきます。

話している中でもう一度自分の想いを眺められ、

「うん、そうそう。私、これでいいんだなあ」と改めて確認されるのです。

そういった時間をもっていただくことで、心はよりスッキリと自分を信じて進んでいかれます。

 

妊娠を望んで通院されている中でみなさんはいろんな気持ちに出合われることと思います。

ときには自分を誉めたくなるような嬉しい気持ちもあるでしょうし

自分を嫌になってしまうような苦しい気持ちもあるでしょう。

こんな自分がいて、こういう自分もいて、いろんな自分がいるものです。

みなさんの様々な場面を一緒に過ごしていけたらと思っています。

 

臨床心理士  間塚

 

 


開院8年目を迎えました

草津レディースクリニックは、9月で開院して8年目に入りました。

 

開院当時を思い返してみると

今はその頃に比べずいぶん不妊治療のことが知られ、

通院していることを旦那さん以外の方にも話していらっしゃる方が増えてきたと実感しています。

妊娠のために通院されることが、普通になってきた印象ですね。

 

お1人で、もしくはご夫婦の間だけで、根詰めてしまわれることもあるので、

通院されているほかの方とお話できる機会があったり

周りの理解を得られやすくなったことで

通院される選択をされた方の心の負担が少しは軽くなってきたように思います。

 

とは言いましても、

自分の人生で子どもを授かれるかどうか不安な気持ち

両親、親族のためにも授かりたい想いや

子どもを授かられた方への複雑な気持ち

他の人にはわかってもらいにくい気持ちなど

お子さんを授かりたい状況だからこその気持ちは以前も今も変わりませんし、

ご自身の状況特有の想いもあるものですよね。

 

そういった心模様ともなんとかほどよくつきあっていくために

カウンセリングルームは何か悩みがある時に相談に来ていただくだけではなく、

“より良い心の状態”で通院していただく一助としてあります。

近況をお話いただくことで気持ちが軽くなったり

そういった雑談の中からも心とのつきあい方を見つけていくことができます。

みなさん、最近はどのような感じで通院されていらっしゃいますか。

また、いつでも、お聴かせくださいね。

 

臨床心理士 間塚


よくあるご質問